HOME > 遍路・巡礼 > 四国遍路第二章「目次」 >13 団塊の世代


 勝浦川、四国徒歩遍路   H18.1.14 UP



 杉林をひたすら降り・・下り・・・20分ほど下り続けると、如意輪寺の境内が突然見え、勢いが付いてそこへ走り込みました。如意輪寺・境内、四国徒歩遍路

 休むヒマもなく、早足で下り続けたので疲れっちまい、境内のベンチで一休み。

 「星の岩屋」で道に迷ってからの山登りでの足が痛く、かなり休息しましたが、なかなか痛みが直りまへん。

 どれだけ疲れていたのかを証明するかのように、越後屋が一休み後に参拝し終わって、ベンチへ戻る途中、崩れるようにそこに座り込んでパタリと倒れちまゃいました。如意輪寺・四国徒歩遍路

 あっ、コラッ・・そんな所で倒れるんじゃねぇ・・ミットモねぇ・・

 他人のフリしてそのままにしておいても、やがて息を吹き返し、ベンチまで這い上がって来るだろおと思ったんですが、参拝客が来たら生ゴミが落ちてると思われるかもしれんので、しかたなくズズズッッ~と重たい体をベンチまで引きずって来ました。

 この様子では、とても麓まで歩いて帰れないなぁ・・だれかに頼んで車に乗せてもらおぅ・・と思ってたら、丁度良い具合にオバハンの二人連れが参拝に来たので如意輪寺・階段、四国徒歩遍路

 「すんまへんが、麓まで車に乗せて行ってもらえまへんか。」と頼むと、アッサリ了解してくれました。

 如意輪寺境内から駐車場への石段を下り始めた時に、始めてこの寺は思ったより大きいのがわかりました。

 なんせ境内は、それほど広くなかったので山の上の寺だから、こんなもんかもしれんなぁと軽く思ってたんです。

 石段を下りてから駐車場までの敷地の広い事・・・おまけに竜宮城のような山門まで有るでねぇか。如意輪寺・山門、四国徒歩遍路

 オバハン達の車は軽自動車で、前座席を倒して後ろの座席に、笠やら杖やらリュックを抱え込んで乗せてもらいました。

 如意輪寺から麓までの道は舗装道路でS字カーブの連続・・・車に乗せてもらって正解で、下りも歩いてたら完全に足を痛めてたじゃろう。

 オバハンの
「わかる範囲で、行く所まで乗せて行ってやる」というアリガタイお言葉に甘え

 「そいじゃあぁ、すんまへんが・・麓の「小路地」という付近までお願いします。」

 「えっ?・・それどこ?・・ワタシら徳島市から来たので、この辺はあんまりよぉ~わからんのやけど・・」


 そりゃあぁ・・アカンと思い、地図を出して
「この付近ですが・・」と地図を指差すも「運転しとって見れんから、その付近に来たら言って。」四国徒歩遍路

と言っとるうちに、予定していた「宮井小学校」らしい建物が横を通り過ぎて行くでねぇか・・・


 あララララッッッ・・と思ってるうちに「多良家」集落を通り過ぎ、今さら
「行き過ぎたので引き返してくれ・・」と言うのも、気が弱いもんだから言いそびれ・・


 あれよ・・あれよ・・と思ってるうちにT字路に来ちまった。
「どっち方面?」

 地図を見た感覚から少しでも予定地に近づくように
「右」と答え、県道33号線を走る勝浦川に掛かる「野上橋」付近で停めてもらいました。四国徒歩遍路

 それがまた、このオバハン・・・車を停める場所を角地を避けて道端の隅っこにでも止めればええのに・・四つ角の曲がり角に堂々と車を停めちまい、後ろから来る車なんか知った事じゃないというワガママな止め方です。

 車に乗せてもらいながら、文句を付けるワケでもないけれど、自動車学校で何を習ってきたのかと思うほど、こっちの方がハラハラしちまった。

 でも良かったなぁ、詳しい地図を用意しておいて・・・不動明王、四国徒歩遍路

 なんせ初めての所で「へんろ保存協力会」の地図にも載ってない箇所を歩くんだから、地図を用意しておいて助かった。

 厚く礼を言って勝浦川沿いの道を歩き、如意輪寺はあの辺の山かなぁ・・と思いながら予定していた道と合流しました。

 車の通りは余り無く、途中に旧道らしい道が短かく有ったので通ってみると、そこには何と「不動明王」が立っているでねぇか・・・

 きっと如意輪寺へ行く時の遍路道だったんでしょう。

 「東谷」付近からバスに乗って「中角」まで行き、そのバス停近くにある自動販売機のすぐ横で、σ(*_*)と同年輩のトッツアンが疲れた顔して座っています。多家良待ちの上、四国徒歩遍路

 普段着姿で不精髭を生やし、荷物はボストンバックを一つ横に置き、これで杖を持ってなかったら、完全にホームレスの姿・形だわなぁ。

 普通、遍路する予定ならリュックを担いで来るんだけど、このトッツアンは何の予定も立てず、とりあえずボストンバックに着替えを詰め込み、思い付きで、いきなり遍路を始めたという雰囲気です。

 話してみると、この辺で野宿すると言うので、ここは車の通りも多くヤカマシイだろおし、安心して夜露を防ぐような場所ではありません。

 少し離れている、σ(*_*)らが野宿する場所を教えてあげました。「東谷」へかかる橋、四国徒歩遍路

 かなり疲れてる様子で、あのまま座り込んじまって、来ないんじゃねぇかなぁ・・と思ってましたが、食料を買い出しに行ってるうちに来ており、もうベンチで横になってグッスリ寝ていました。

 つい最近まで第一線で活躍し働いていた団塊の世代という雰囲気で、仕事に疲れ辞めたのか・・リストラされたのか・・

 辛かっただろぅ・・・苦しかっただろぅ・・・悔しい思いをし、夜も眠れん時も有ったろぅに・・

 夕食後、ヒマだったので、近くの河原の土手を降り、川のせせらぎを聞きながら尺八をしばらく吹いていました。


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 恥ずかしながら「YouTube」に尺八独奏「惜別の唄」を載せており、聞いて頂ければ泣いて喜びます。

 当「遍照の響き」ホームページに掲載されている写真がpixtaで販売されています。


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