HOME > 遍路・巡礼 > 四国遍路第二章「目次」 >14 灰 皿
H18.1.22 UP
早朝、鶴林寺への遍路道をテク・・テク・・・ミカン畑のコンクリ舗装の坂道は、いつ来てもキツイでんなぁ。
水呑大師で休んでいると、昨日、野宿場所を教えてあげたトッツアンが追い越して行きました。
鶴林寺で参拝した後、いつも尺八を吹いてる小さい堂で数曲吹き、この堂は、いつ吹いても響きが良いでんなぁ。
吹き終わって越後屋が待ってる所へ行くと、近くのベンチにジサマ遍路が座ってます。
挨拶すると、ジサマが立ち上がって「捨てて下さい」と言いながら納札をくれ、荷物を担いで直ぐに出発してしまいました。
σ(*_*)、納札を集める趣味なんか無いんじゃけどなぁ・・・そいでもって、何でわざわざ捨てるモンをσ(*_*)にくれるんじゃ・・?
納札を見ると、裏に「尺八の音 深山の息と和す」と書いてあります。
越後屋が言うには、ジサマと少し話しをしたらしく
「奥さんが亡くなり、四国を巡ってるんだって。 さっきからベンチに座り、最後の曲が終わるまでジイッ~と尺八を聞いて、涙を滲ませていたよ。」
空を見上げると、大師堂の上には真っ青な空に鳳凰が羽根を広げたような絹雲が広がってます。
鶴林寺から太龍寺へ向かう下り道で、さっき納札をくれたジサマを追い越しました。
大井集落を抜けて水井橋を渡り、「若杉」の休息所で昼食にしました。
この休息所には、以前より一つの灰皿が置いて有ります。
写真を見れば「あぁ・・あの灰皿か・・」と気付かれる人も居るかもしれまへん。
灰皿はタヌキかネコか、よぉ~わかりまへんが、いかにも小学生が図工の時間に作った粘土細工・・・という感じで、作品に素朴さと親しみがもてます。
この灰皿は何年もの間、幾多の数知れぬ遍路がこの休息所で休んだ時、やれやれと思いながらタバコに火をつけて一服し、疲れた遍路の休息相手をしてきた事でしょう。
毎回ここで休み一服しているので、この灰皿を見る度に、あぁ・・まだこの灰皿は残っていたのか・・・壊されたり捨てられたりもせず良く残っているなぁ・・・また来たでぇ。(^_^)v・・と懐かしさを感じます。
今回もこの灰皿との再会を楽しみにしており、無くなってないだろおか・・壊れてないだろおか・・という一抹の不安感を伴って上って来ました。
灰皿は、灰で汚れていましたが、変わらず残っていおり、良かったなぁ。
いつになるかわかりまへんが、次回来た時にも、やっぱし変わる事なくベンチの片隅にでもチョコンと座って待っていて欲しい。
太龍寺を参拝した後、「舎心ケ嶽」へ行き、ケーブル乗り場付近から坂道を上り、けっこうキツイでんなぁ
道端には88箇所の石仏が有り、それを勘定しながら、もお少しで88番目の石仏に会えるかと、ただそれだけを楽しみに・・ヒーコラ良いながら・・
着いてみると、少し離れた岩の上で後ろ向きに座ってる仏さんがいます。
高い場所から下界を見下ろして修行されてるんでしょうなぁ。
後ろ姿を見ていも面白くないので、どんな顔してるのか・・・ヒョットしたら、ヒマやなぁ・・と思って、アクビしてるかもしれんし・・あんまりにも気持ちが良いもんで、つい口あけて、そのまま寝てるかもしれんし・・・
いやいや、そんな失礼な事をされるわけがなく、きっとマジメに修行されとるのじゃろおから、σ(*_*)もその場へ行って、仏さんと同じ視線から下界を眺めれば、少しはコンジョ無しの性格が直り、信心が芽生えて来るかもしれん。
その岩へ登って仏はんの顔を確かめようと思い、岩の登り口付近へ行くと「危険 入るな」と書いた看板が有り、綱まで張ってあります。
確かに岩との間に切れ目があり、それを飛び越して岩にヘバリ付きながら行かねばアカンような場所です。
そのヘバリ付いてる時に足を滑らせ落っこちたら、下の深あぁ~い谷間の木々まで転がり落ち・・・・
転がり落ちてる途中や、木にひっかかったりした時は、痛いやろなぁ・・・
下手したら死んじまって、また簡単に見つかりそうでもないしなぁ・・
禁止と書いて、わざわざ綱まで張ってあるにもかかわらず
↓
σ(*_*)の求道心により岩に、ヘバリ付く。(ホンマは好奇心だけなんだけど)
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足を滑らせて痛い思いをし、ヒョットすると死んじゃうかもしれん
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越後屋が、世間の同情を集め、おまけにσ(*_*)の保険金をタンマリ貰う。
↓
表面上は白々しく泣き崩れるマネをするが、内心は喜んでる。
↓
あっ・・やっぱし岩に、ヘバリ付くの止めた。
太龍寺から麓へ降りる途中に「北ノ舎心へ500m」と書いてある看板が有ったので寄ってみました。
「北」と書いてあるから、先程の行場は「南ノ舎心」なんでしょうなぁ。
それ程の距離でなく、納経所の裏手付近に有りました。
梯子が掛かっており「どうぞ登ってくんなせぇ・・」という感じだったので、「はいそうですか、それじゃオジャマします」と思いながら登ってみました。
ここは「南」と違って、それほど危険でなく、上の祠からの見晴らしも良い所でした。
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