HOME > 遍路・巡礼 > 四国遍路第二章「目次」 >6 三人連れ
安芸から自転車道をテクテク・・・
秋晴れの良い天気でんなぁ・・・・
「温泉プール野外劇場」にて休憩してると、神峰寺からいつもワンテンポ遅れて到着し、何度か会って挨拶をしたトッツアンとオバハン2人の3人連れがやって来ました。
「休みませんか」と声を掛けると、それに応じてトッツアンが荷物を降ろして階段に休むと同時に
「今度から歩く順番!!。ワシ・・そして15メートルおいて○○・・その後15メートル離れて◎◎の順番で歩く!!」(注:○○と◎◎はオバハンの名前)
と、いきなり言い始め、あららっ・・何が始まるんじゃ・・と思うスキも無く、すかさずオバハン二人が
「えええっっっ~?・・なんで、そんな事するのお・・ギャアギャア!!」
「一緒に歩いても、いいじゃない、楽しいのにぃ~・・・ギャアギャア!!」
と言い返します。
トッツアンが「ペチャクチャと喋っていたら、ウルサクてかなわん。修行にならん。!!」
「あらあぁ~~私達、修行に来た訳じゃないもんねぇぇ~・・キャハハハ・・」。
「そおよねぇ~、たまにしか会わないんだから、話すことが一杯有るのよねえぇぇぇ~~・・キャハハハハハハ・・」
「その話にしても内容が何も無い、くだらん話ばっかりで、家の漬け物がどうしたとか、こうしたとか・・・・ウダウダ・・・グスグス・・・」
「それでもいいじゃないの・・ねえぇ~、楽しいんだから・・キャハハハ・・」
「漬け物も私達には大事な話しなのよねぇ~・・キャハハハ・・」
オバハン達は明るく「キャハハ・・」と、トッツアンに笑の機銃掃射をしてます。
トッツアンは、独りで三八式歩兵銃を武器に、単発的に迎撃しながら大和魂でガンバり通し、相手に対して少しもひるまなかったが、しかし、その大和魂も話し好きで、よぉ~しゃべりそうなオバハン二人の圧倒的な物量作戦に、かなり苦戦しとります。
やっぱり大和魂という精神主義だけじゃ、物量作戦に負けるんでしょぅなぁ。
トッツアンは、時々「あぁ~言ってやった・・・(^O^)」と敵に大打撃を与えたような感想を言うけど、観戦武官のσ(*_*)が考察するには、あんまり打撃効果が有るような砲撃では無かったように思う。
話し内容から、遍路中のオバハン二人が休むヒマもなく話しながら歩いてるのが、よっぽど腹に据えかねていたんだと思い、横で黙って聞いていても、それは何となく想像できる。
実は前日の夕方、車を取りにバイクで走ってた時、「奈半利」付近で、この三人連れが歩いてるのを見ました。
その時は、トッツアンは疲れたなぁ~・・という顔して一人でヨロヨロと敗残兵のように歩いており、それに引き替え、その数歩後ろをオバハン二人が楽しそうに話しながら歩いてました。
トッツアンの疲れ果てウンザリした姿と、オバハン達の楽しそうに笑いながら歩いてる姿とは、あまりにも地獄と天国をさまよってるほどの差が有ったので、てっきり別グループだと思ってたのです。
しかし、聞いてみるとトッツアンとオバハンの一人は夫婦で、奥さんの姉さんが加わった三人連れでした。
ほんまに、このオバハン二人は息付くヒマもなく、よぉ~しゃべりまくります。
どおしてそんなに話題が次々に沸いて出て来るんじゃ・・と、感心するくらいで、トッツアンの気持ちが徐々にわかってきました。
あんまりにも、トッツアンが一人やり込められて、カワイソーなので
「でもねぇ・・ほんとは、一人で黙って歩く方が、何かを考えたり、見つけられたり出来て良いんですよ。」
と、チッポケな救援船に、水鉄砲程度の武器と「カッパエビセン」程度の食糧を積み込んで味方してやりました。
「ほれみろっ!!(今までだれも助けてくれなかったので、嬉しさを満面に浮かべながら)」
「だってねぇ~ぼそぼそ・・」
「そおよねぇ~・・あれこれ・・」
そうしてるうちにオバハン達の笠が風に飛びそうになったので、杖と笠を結ぶやり方を実演して教え 「ほら、こおすれば、笠がどこかへ飛んで行かないし、杖も忘れないでしょ」
3人とも笠の紐はゴムだったので、σ(*_*)らの笠の紐を見て「あらぁ・・これ・・良いわねぇ」と、笠をひっくり返して構造を確かめます。
その様子を見ていて、「あっ、このような紐の結び方などを知らない人は、案外多いのかもしれん。
ホームページに書いて、遍路する人に知らせたら良いかもしれんなぁ」
と思い、これが当HP「遍路用具紹介」のページを作るきっかけになりました。
三人連れが先に出発し、どおするかな?と思って見てると、救援船の功が有ったのか、本当に間隔をあけて歩いて行きます。
オバハン二人の楽しみを奪っちまって、悪い事を言ったかもしれんなぁ。
以後、各寺で会いましたが、どこの寺でも三人連れの方がワンテンポ遅れて到着し、禅師峯寺に会ったのが最後でした。
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