HOME > 遍路・巡礼 > 四国遍路第三章「目次」 > 車遍路 ・3 発心の道場
H19.12.1 UP
三百段の階段があったが、車で上まで行けた。
で「越後屋。ちょうど団体が居るから、心経をいっしょに唱えてみよう。」
団体の先達が、拍子木かカスタネットみたいな音を立ててリズムを取り、それに合わせて団体が唱え始める。
高低が無く、一本調子で唱えるが、慣れてくるとコツがつかめてきた。
駐車場の持ち主が番をしており、しっかり200円とられる事になってる。
このお寺は高い山の頂上にあり、車では近くまで行けるが(ただし駐車料300円必要)、大型バスなどは行けない。
その険しい山道のため「遍路ころがし」という別名がある。
その山道にて・・・・・
越「で・でぇかんさま・・・・ゼンマイが・・。」
で「うむ、生えてとるのぉ、だいぶ開いてるが・・・」
越「しかし、まだワタを被って採れるのが、あっ・・あぁぁ・・ここにも・・・あそこにも・・・・・」
で「え~い、うるさい。こっちは、曲がりくねった細い道を運転しとるのに・・」
越「しかし、ゼンマイがこんなに・・もったいない・・(;; シクシク・・・メソメソ・・・」
で「わかった、ワカッタ、泣くなっちゅうとるのに、そいじゃ、帰り道で採るから場所覚えておけ。」
そして帰り道、かなりの量のゼンマイを採る、信心が足りなく欲深い二人のトシヨリの姿があった
13番 大日寺
寺へ行く途中、車の中でカーステレオ聞きながら
音楽「♪こんなにぃ~別れがぁぁぁ~・・・・」
で「西田佐知子も、今どぉしとるかのぉ・・・」
越「さぁ、CDは発売されてないでしょうねぇ。」
音楽「♪ベッドでタバコを吸わないでぇ~・・・・」
越「あっ・あぁぁぁ・・でえかんさま、今、大日寺の駐車場と書いてあったような・・気が・・・」
で「えっ?・・ほんとか、寺なんてこの辺にないぞ。」
越「いや。通り過ぎたような・・・・Uターンしてくだせぇ」
で「だいたい巡礼しとるのに、俗世の愛しとる・・とか別れる・・とかの歌を聞いとるから、不謹慎にもバチあたったんじゃ・・・ブツブツ・・・」
越「しかし、でぇかんさまの、この前に買った津軽三味線の曲も、ちぃ~と巡礼には、似合わなかったですぜ・・・シノゴノ・・・」
で「おまえの好きな、タイガースの歌も似合わんぞ・・布施明なら、まだしも・・・・ウダウダ・・・」
駐車場の近くに寺が有りました。神社の前に・・・
00/04/26記載
越「で・でぇかん・・・行き過ぎたようです。」
で「あん?・・またか?・・」
越「さっきの道を、どおも曲がらなければアカンかったようで・・・・」
ブツブツ言いながら戻る、でぇかん。老眼のせいで地図が、よ~見えなかったと責任逃れする越後屋
で「おい、こんな細い人家の密集した道でいいのか?
車が来たら、すれ違いできんぞ、あっ、なんか溜池みたい所へ来てしまった。」
そこへ、車が二台来て、最初の車からオッチャンが降りて来る。
二台目の車から山伏の頭金?を付けた遍路姿の男一人と、その家族らしい遍路姿が4人ほど降りてくる
オッチャン「ここは、ほんとにわかりにくい所でのぉ、次の寺へ行くには、今来た道に店があったじゃろ、それを・・どうたら、こーたら・・・えんえんと・・・
特に最近、バイパス道路ができたもんじゃから、ますます、わかりにくくなってしもうた。」
と、オッチャンが山伏一行に説明し、そばで口開けて黙って聞き惚れる、でぇかん。
どうやら、地元の人が、迷ってる山伏一行を、わざわざ案内してくれたらしい
寺へ行く途中
で「しかし、こんな狭い道の側にある家の人なんか、車がしょっちゅう走っていて、うるさいじゃろおうのぉ。」
越「御意。しかも、ワシらみたい者が道を尋ねたりして、寺としては良いかもしれんけど、周りの家の人達は大変じゃろうなぁ」
でぇかん「そーじゃのぉ。」
やっぱし、わかりにくい道で、バイパス道路を横切った案内標識を見落とすと、たぶん一生道に迷い続けると思う。
で「おい・・・・、この道でいいんかなぁ・・・・」
越「たぶん・・・・」
で「あっ、道端で花の手入れしとるオバハンに聞いてみよ。
あっ・・ワシらの車が止まったのを見て、家の中へ入ってしまった。
あっ・・・ワシらの車が動き出したら、また出て来た・・・」
越「道を聞かれるのをイヤがってるのかもしれない。こっちが県外車だと、すぐわかるのに・・・」
で「そーじゃのぉ・・・山伏の人達をワザワザ案内する人もいれば、道を聞かれるの、イヤがってる人も居るようだのぉ・・・」
団体と合わせて唱えてみたら、拍子を取るカスタネットみたい音が無かったためかバラバラであった。
で「(思わず)バラバラで全然合ってないのぉ・・・・」
ジロッと、団体の一人のオバハンにニラマれた、小さい声で言ったつもりなのに・・・(;;
00/04/28記載
夜7時ころ、ケチな二人は宿代がもったいないので、車の中で寝る予定にしていた
で「ここが恩山寺の駐車場らしいのぉ、車が一台もいなく、この時間じゃから・・。」
越「ここで、いいんじゃねえですか?トイレに電気も点いてるし・・・・。
ワシ、どうも、トイレだけは、ちゃんとした物がないと・・・・」
越後屋が荷台のどーでもいい物を運転席に放り投げて、車の中に毛布を敷く。
駐車場の明かりだけで、周りは真っ暗なので、することも無く寝る事にした。
しかし、こんなに早く寝た事ないので、でぇかんは目が冴えて眠れない。
車の屋根にコトンと音がして、木の下に車を置いたから、枝とか葉っぱが落ちる音らしい。
越後屋は、どこででも寝れるのか、イビキをかいおり、アンタはシアワセもんだよ・・。
あんまりヒマなもんで、あの灯りの下で、今日採ったゼンマイの処理しょうか・・と思ったりしたけど止めといた。
さっき、晩飯を食べたウドン屋で、もう少しネバレたらなぁ。今度から、夜10時頃までネバレそうな所探そう。
翌朝 6時ころ隣に車が一台止まっおり、夢うつつで、車の音が聞こえた主らしい。
近所の老人がホウキ持って、参道を掃きはじめ、その頃、車が次々に来てお参りしていき、7時から納経を書いてくれるとの事である。
この7時から夕方5時までの間でないと納経してくれないらしく、単にお参りするのは別に何時でも、かまわんらしいが・・・。
--- 省略 ----
ここも、高い山頂に寺があり、車で行けるが大型はダメ。
行く途中で・・
で「あ・あぁぁ・・一人歩きのムスメ遍路が、道端の家の軒下で足の手当をしている。
カワイソーに・・・・・靴づれでも、出来たんじゃろなぁ。」
越「ホントに、一人でよ~やりますね、若いネェチャンのようだったし、乗せてやったら?」
で「歩き遍路の本を二冊ばかし読んだけど、最後まで歩き通すらしくて、勧めても車に乗らないらしい。
昨日の焼山寺とか、今日の鶴林寺など、いくつか山の頂上に寺が有り、
こーやって車で走ってみると、ホントに歩くのは、たいへんだというのが、よ~わかる。
ワシなんか、昨日の山だけで、止めるかもしれん。
11番から12番焼山寺へ行く途中の梨ノ木峠越えなんか、細い山道で人家一つ無かったからのぉ。
車も、そんなに通らないだろうし・・・・ゼンマイは有ったけど・・
夜、あの山道を一人歩くのは、だいぶ勇気が要るなぁ、灯りも無いし、オバケも出るかもしれんしなぁ。」
越「根性ですねぇ・・・。」
で「うむ、根性かもしれんし、ワシだったら、プラス、意地とヤケでも起こさないと歩き通せんと思う。」
ここは、山の麓からケーブルカーで山頂まで登れるコースと、車で山を上がり、1Kmほど歩くコースとがある。
ケチな二人には珍しく、話の種にとケーブルカーで行く事にしていた。
で「腹減ったなぁ・・・。越後屋、飯を先にするか?、寺へいくか?」
越「団体のバスが着いた所だから、先に寺へ行ってかかりましょう。
団体が先に寺へ行くと納経所でその人数分、もんのすごく遅くなり待たさりますから、ガマンしましょ。」
ケーブル乗り場にて
ネェチャン「いらっしゃいませぇ(^^;」
目ざとく、料金が一人往復2400円というのを見て
で「(思わず)高けぇ~・・・・・・・。」
ネエチャンの「どうするの?」という笑顔を見て、ハッと我にかえり、体面を保つため
で「越後屋、腹減ってるから飯食ってからにしよう。」
越「そうですなぁ。ワシもガマンできません・・・。」
後ろも見ずに、乗り場を出てから
で「おいおい、冗談じゃねぇ。二人合わせて、5000円近く取られるのなら、1Kmぐらいの山道歩くぞぉ、這ってでも・・・。」
越「ワシだって、歩きまさぁね・・・転がってでも・・・。朝飯は、どこか他の所で食べましょう。」
そーして、欲深い二人のトシヨリは、途中のコンビニで、パンと飲み物を買って食べました。 メデタシ・・・メデタシ・・・・
ここのお寺は、規模が大きく、見応えの有るお寺でした。
天井に大きな「龍」の絵が描いてあります。
--- 省略 ------
越「わっ・・わ・・わ・・わ・わ・・・・・・。なんで、この階段に一円玉なんか置いてあるんでしょうかねぇ。」
で「どうせなら、五百円玉を置けば良いのに、どっかの寺でも、置いてあったなぁ・・・・」
越「置くなら、もっと隅っこの足先で踏まない所に置けば良いのに・・」
で「ほんとにぃ・・・。日本人は、あんまりカシコクないので、人がやっていると、わけもわからんと、すぐにマネするからなぁ。あっ・・踏んじゃった・・・・。」
そーして、ブツブツ思いながら階段を登ってる最中、若いアンチャンが階段を上がる時に一円玉を置きはじめ、サイフの中に入ってる一円玉を全部置くつもりらしい。
と・・そのうち、置く拍子に一円玉が転がり、階段の真ん中で止まったが、そのまま、上がっていくアンチャン。
お~い、アンチャン。せっかくだから、せめて百円玉でも置いてってみろ。
お~い、お寺さん。どうにかしてくりぃ~・・歩きにくくて、しょうがねぇぞぉ~・・・
若いネェチャンが三人お参り?に来ており、うち一人は、もんのすごいミニスカートで、階段の後ろから歩くと、見えちゃうかもしれん・・・・と、いらん心配をする。
ヒジョ~~~ウに残念な事に、ワシはもう上がってしまっており、後は下りるだけだった。
お~い、ネエチャン。ワシの前をウロつくんじゃねぇ。
せっかく、心清らかになりかけとったのに・・・・
00/05/04記載
編集後記
今回は、特になし。
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