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歩き遍路予行演習

車遍路56番~66番

56番 泰山寺

 なんか、この寺は石垣から建物まで全部新しく、おまけに、さらに工事中であった。

57番 栄福寺 
58番 仙遊寺
 
      省略

59番 国分寺

 納経所で次の60番寺へは道が狭く、車のすれ違いが出来ない場所もあり、マイクロバスが出てるので、それに乗って行った方が良いと言われた。

 聞く所によると60番の横峰寺は距離もあるので、60を飛ばして59→61→62→63へ行ってから心を落ち着けて60番にかかる人が多いそうです。

61番 香園寺

「おい・・・どこに寺有るんだ・・・・?」
「なんか、近代美術館みたいな、デカイ最新型の大きな建物がありますね」

 そーです・・・せんぜん寺のカッコウしてない、なんかの公会堂みたい建物が札所の香園寺だったんです。

 しかし納経所の人は良い人で、納経してもらうために5時を過ぎてアワテテ駆け込み、息をきらせて走りこんだ越後屋に(納経してくれる時間が5時までのため)

 
「まあまぁ・・、落ち着いて・・・それからで良いですよ・・・(^^;」と言ってくれたそうです。

 近代的建物の二階には、やっぱし公会堂のように椅子がズラッーと数百ほど並んでおり、正面には黄金色に輝く、これまたデカイ何という仏様かわからんアリガタイ仏様が座ってました。

60番 横峰寺

 横峰寺までマイクロバスで行くか、マイカーで行くか迷って、早朝その発着所へ行き、そこの売店のネエチャンに聞くと横峰寺、四国遍路

 
「え? だれが、そんな事言いました? 車で十分行けますよ。
 バスは6時半頃に出ますけど、今ならまだバスが上がってないから、いいんじゃないですか。」
と、簡単に言われてしまった。

「おでぇかんさま。 ワシらの車で今のうちに上ってしまって、下りる時はバスの後をくっついて行けば、すれちがいの時にエライ目にあわんで済むんじゃねえですか。」

「おおぉぉ・・・さすが、越後屋。(^^;カシコイー、お主も、ワルがだんだん身についてきたよのぉ~。」

「何をおっしゃいますやら、おでぇかんさま。旅行費用を浮かせるため車で寝ようと言われたのは、あなた様でごぜぇませんか。(^^;」

「その上前をはねて、さらに駐車場で寝る時には、トイレが完備してないとアカン・・と、ゼイタクな事を言いはったのは、お主の方ではないか。ワシャ、どこでも良かったけど(^^;」

声をそろえて
「ガハハハ・・・・!(^^)!  「ダハハハ・・・・(^_^)v」 

 参考までに、この道は林道でマイカーで上ると、林道保護だかのために軽の場合1400円払い、マイクロバスで上ると、往復1850円(一人)いります。

 バスは出発時間が決まってなく、ある程度の人数がそろうと出るようで、6人くらいでもバスが出るそうなので、そんなに待たされる事はないようです。

 また、道は確かに狭い所もありましたが、それ以上に狭い道が今までの道中でありました。

 しかし、車遍路の人が全てこの林道を通ったら確かに混雑して、すれちがいが難しいとも思いますので、バス利用を勧めるのも一理有ると思います。

62番 宝寿寺 
63番 吉祥寺 
64番 前神寺 
65番 三角寺
 
       省略

66番 雲辺寺

 ここも高い山の頂上に寺が有り、ケーブルカーで行くコースとマイカーで行くコースがある。

「おい、越後屋。わかっておろうのぉ・・・どのコースで行くか。(^^;フッフッフッ」

「わかってまさぁねぇ。この前の前例も有る事ですから・・・(^^;ヒッヒッヒッ・・・」

                               00/05/07記載


歩き遍路の地図

 実は知らなかったですけど、歩き遍路の人は、車の道(国道・県道等)とは違う所を歩くのでした。

 国道とかの道とも重複して歩く箇所もありますが、山の尾根道とかが別にありました。

 「へんろみち保存協力会」が発行している本を見て初めてわかったのですが、今この本を手に入れるのは難しいようです
 (「編集後記注」:当時は88箇所寺の一部の寺だけで販売しており、普通の書店等では手に入りまへんでしたが、今はネット通販でも手に入るようです)

 「へんろみち保存協力会」の地図を寺から借りて見せてもらったのですが、5万分の1の地図に車コース(実線・破線)と、歩き遍路道(短い破線)が記してあり、これを見ると車で今まで走ってきたコースが遍路道と外れてるのが、よ~わかります。

歩き遍路の予行演習(24番~26番)

---- 連休のある日 ----------

「おい、越後屋。車で一回りしたら、次回は歩き遍路をやるつもりじゃ。
  今日は、そのテストとして、近くの遍路コースを歩いてみよう。」


「また、急に・・・で、どのくらいの距離を歩くつもりで?」
「うむ、30kぐらい、ワシの体力で歩けるじゃろ(^^;」

「年も考えんと・・・」
「室戸岬の24番寺の麓に車を置いて26番まで歩き、終わったらバスで車を置いた所に帰ってくれば良い。本で見ると10.8kmじゃ。(^^;カルイ カルイ・・・」

 海抜150mほどの24番寺を登り、いくつも大きくUカーブする長い下り坂を降りる時まではゲンキでした。

 しかし、坂を降りた付近(1.7Kほど歩いた所)から、でぇかんの足の付け根が少し痛くなり、越後屋も足のふくらはぎが、少し痛いと言いはじめます。

 強がり言って、なおも歩き続けてましたが4K付近で、でぇかんの両足の付け根が非常に痛くなりました。

 越後屋は、鍛え方がちがうのでしょうか、それほど痛がりません。

「おでぇかんさま・・・、中止して帰りましょうか?」
「なにを・・これしき・・・でも、チビット、そこで休もう・・・。」

 とダマし続けながら、何とか25番寺まで、たどり着きましたが、この寺には長い階段があるんだよね・・・・(;;

「越後屋・・・一番から、いきなり歩き始めなくて良かったのぉ・・」
「ほんとに・・・何の準備もせずにやってたら、3番寺ほどで終わってましたね。

「ワシなんか、次の日もうヤンピして帰っちゃうかもしれん・・今日、試してみて良かったのぉ。」と言いながら、26番寺へいきました。

 この寺へは、途中から遍路道があり「へんろ道」という立て看板が別れ道に立ってます。また道に迷わないように木の枝などに「へんろ道」と書いたプラスチック板等が所々にぶら下がってました。

 村の道を抜け、昔ながらの険しい山道を歩きます。

「越後屋・・・ワシにかまわず・・・先に・・行け・・・・。」
「うん。そうする。」

「あっあっ・・ぁぁぁぁ・・・・・・・はくじょうな・・奴め・・・。」

 そして、この寺も長~い階段があり、かわいそーな、でぇかんは足を引きずりながら上って行き、帰り道は、来た時と違う遍路道を降りていきます。

「おでぇかん・・・先を歩いてください。」
「なんでじゃ・・さては、ワシを突き落とす気だな・・」

「な・な・・何をおっしゃいますだ。でぇかんさまが、転がり落ちた時、助けようという心情でごぜえますだ。」

「ウソツケー・・・ほんとは、薄暗いサミシイ所だから、コワイんだろぉ。」
「ヒッヒッヒッ・・・実は・・・ヘビも出るかもしれんしー(^^;」

 という感じで、なんとか歩き通しましたが、今回歩いて年とったのが、よ~わかりました。

 しかし、遍路道には所々古い石地蔵?のような物もあり、失われつつある日本の古道の情緒のある風景があり、足さえ痛くなかったらなぁ。

                                00/05/08記載


編集後記(車遍路から見た、歩き遍路)

 車遍路で走ってると、時々歩き遍路の人を見ましたが、今でこそ歩き遍路を経験したので、実情がわかります。

 はっ?・・どんな実情かって?・・・例外かもしれまへんがσ(*_*)みたいに信心も無く、コンジョ無しでも遍路をやってるのが実情です。(^O^)ナハハハ・・・

 当時は歩いて遍路している人達なんか居ないと思ってたので、始めて見た時は「よぉ~やるなぁ~」「マネ出来んなぁ~」「きっと信心深い人達で、何か悲しい心のスキマが有り、それを埋めるため歩いとるんだろぉなぁ。」と思ってました。

 特に車中から見た歩き遍路では、焼山寺へ行く途中に見た、痛そうに足の手入れをしている娘遍路と、仏木寺からの車道を雨に打たれながら雨合羽を着て独りトボトボと歩いてる遍路を想い出します。

 後日、始めて歩き遍路をして仏木寺から歩いた時、あの時に雨合羽を着て歩いていた遍路は、どの辺から遍路道に入ったのだろお・・と思いながら歩いたのですが、歯長峠ではなく車道を歩いてたのですね。

 なんせ、当時は歯長峠の存在も知らなかったもんで・・

 61香園寺では大師堂がどこに有るのかわからなかったので、境内に有る「子安大師」の堂内で尺八を吹きましたが、狭い堂内のためか響きが良かったのを覚えてます。


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 恥ずかしながら「YouTube」に尺八独奏「阿字観」を載せており、聞いて頂ければ泣いて喜びます

 当「遍照の響き」ホームページに掲載されている写真がpixtaで販売されています。


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