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H19.12.22 UP


焼山寺

藤井寺にて

 11番藤井寺の出発地点では、若いアンチャンが、まさに山越えをしょうと出発準備してます。

 ベンチに座ってる60代ぐらいのオッチャン遍路の横に腰を降ろすと、さっそく話掛けてきました。

オッチャン
「こりから、どうするんかね?(歩きか、車かを尋ねている)」

「へい、歩くつもりですが、なんせキツイ所だと聞いてるもんで・・」

オッチャン
「ヒッヒッヒッ・・・、そりゃあキツイでぇ〜(^^;ウレシソウニ
      ワシゃあ、何回も回ってるけど、やっぱし、これが一番だな。

      他にもキツイ所があるけど、そこは区間が短かく、
      ここは、区間が長いからなぁ(^^; フタタビ ウレシソウニ


     
 おまけに、マムシも居るしなぁ(^^;サイコウニ ウレシソウニ」

「ゲッ・・・・(*_*)
  でぇかん、そんな話聞いてないぞ・・・・・。(/_;)」


「ワシも、知らんぞ・・・・ワシの責任にするんじゃねぇ・・・・・

 
 国民の健康と安全を守る責任が有る、髪・・あっちがう・・
  神がかりの首相に文句言え。」


オッチャン
「マムシはのぉ・・・(^^;ヒッヒッヒッ・・・
      先頭を歩いておる者には噛まない・・(^^;ケッケッケツ・・・
      二番目以降に歩いてる者に噛む・・・・(^^;フェフェフェ・・・・」


「ワシ、先頭歩く。
  越後屋は、クモの巣とか毛虫ぶら下がっていたらイヤじゃろ。
  ちゃんと取っ払ってやるからな・・ワシ、やさしいから。」


「何ちゅうことを・・・・。
  皆から実状も知らんで、やさしいと思われてる人が・・・」


「ワシが二番目歩いておいた事にして、また誉めてもらうから良いんじゃ。(^^;ナハハ・・・」

焼山寺越え

 7時半に藤井寺を出発しました。
 夜ではありません。朝の・・です。
 あっ、知ってましたか、すいません。シクシク

 若いアンチャンは、すでに出発してました。
 テントを担いで野宿しながら先を急いでるとの事です。 

 寺の横の山道を登って行き、道が「くの字」になって上る急坂です。

 はっ? だれが先頭歩いたか?
 そんな事、考えとるヒマも無いほど息切れします。ゼェゼェ・・・・

 だいぶ歩いて山頂付近で遠くの山を見ると

「あの遠くに霞んでる山が、焼山寺ですかのぉ・・・ゼェゼェ・・・」

「直線距離にすると、10Kほどだから、手前の山じゃないの?
  ほれ、あと三つくらい山を越しゃあいいんじゃ・・・・ヒィ・・ヒィ・・」


 しかし実際は、そこからは目的地の山が見えなかったのです。

 目的の山が見えたのは、それから、さらに3時間ほど歩いた後でした。
 世の中 甘くないですね・・・・・・シクシク

 ワシらは、二人で歩いてますから、まだ安心感のようなものが有りますが、たった一人で歩く遍路さんは、他に歩いてる人もいない、この山道を歩くのは心細いものだと思います。

 山中を歩いて他の人を見たのは、先に行ったアンチャンが休んでるのと、後から追いついてきた、さっきとちがうジサマ・・・・

 それに焼山寺近くで、逆巡りしているジサマと行き違いになった3人だけです。

 いつか遍路に挑戦してみたい人のために、留意事項を次に書いておきます。

 1 山中には、自動販売機は有りません。
 2 コンビニもありません。
 3 ヤマンバもおりませんでした。(そのうち出るかもしれんけど)

 焼山寺は健脚の人は5時間、普通の人は6時間、弱い人は8時間かかると言われており、ワシらのように年とってしまうと、弱小の部類に入ると思い、下手すると8時間以上かかるかもしれんと思ってました。

 道は、上がり下がりの急坂の山道が約8割を占めます。

 そして、だいぶ疲れたなぁ・・・と思い始める頃、歩いて1時間半か2時間付近に庵があります。
 よ〜考えてありますなぁ(^^;

 庵は全部で4つあり、それぞれ名前がついており、焼山寺まで「長戸庵」「柳水庵」「一本杉庵」
 そして、焼山寺から降りる時にある「杖杉庵」

 その内、「柳水庵」だけは、人が住んで居るようです(県道脇)。
 本には、3人だけ泊まれると書いてありました。

 一番きつかったのは、焼山寺が見える対面の山頂から谷へ下りて、再び上る所です。

 それまでは、アキラメ半分、その他半分で山を登りましたが、最後の坂は、な〜もここまで来て、さらに登らせんでも良いのに・・・と思うくらいでした。

 越後屋なんか
「谷に下りないで、大きい橋でもかけてくれると良いのに・・・ブツブツ・・」と、バチあたりの事を言ってました。

 この不信心者め・・・・修行が足りん・・・・・と、他人のこと、言えんけど・・・・。

焼山寺・到着

 最後の そのきつい坂を上った途中で、急に見覚えのある場所にきました。
 前回、車遍路で来た時の焼山寺駐車場で、以外に早く着いたなぁ・・・という感じです。

 なんせ、今まで歩いた坂は先の見えない長い上り坂で、もうすぐ下りだろうと思っても、まだ上りの坂が続いてる・・・・・という期待外れが、いくつもあったもんで、まだ登らんなんのかと・・・・。

 うれしかったなぁ・・・・本当に・・・・。

「え・ち・ごや・・・・(;;」
「お・・でぇ・・かん・・・・さ・ま・・・(T_T)」

 目と目とを見つめあい・・ヒシッ・・・と抱き合う・・・
という事はしませんでした・・・そんな恥ずかしい事を・・・この年になって・・・。

 焼山寺に着いたのは2時頃で、山越えに7時間近くかかり、普通より少し落ちるけど、弱い体力では無かったようです。 メデタシメデタシ (^^)/~~~。

                        00/05/30記載

杖杉庵

 「誤聞伝大疑惑偽書(その1より) 杖杉庵物語 完結 」

 むか〜〜し、むか〜し・・・・ある所に・・・・、
 それはそれは・・・人に言えんほど強欲で非情な越後屋がおりました。

 下女に、いらなくなった楽器をやって処分に困らせたり・・・・、
 買い物の時には、下男に重い荷物を持たせたり・・・・
 朝家を出る時、ついでにゴミを捨ててくるように言いつけたり・・・

 下男・下女は毎日泣いて過ごしておりました。

 ある時、汚いカッコウして、ボッーとした「おでえかん様」が越後屋の家の前に立ち、ネングを払えと言って来たので、下男が越後屋に、どうするか聞きにきました。

越後屋
「これ、下男・・・。
    そんな事、一々聞きにくるでねぇ・・。

    ワシ・・今、パソコン通信で忙しいんじゃ・・・。
    とっとと追い返せ・・・決まっておろぉが・・・。

    どうせ世襲の、でぇかんのクセしやがって・・・
    世襲じゃねぇ、個人の信念だと言うなら
    オヤジが生きてる内に立候補してみろってんだ。(-_-;)」


 しかし、でぇかん様は、次の日もまた、次の日もやってきました。

 何度も、しつこく来るので、自分では温和で情け深く、他人から「仏の越ちゃん」と言われてると思ってる越後屋も、さすがに腹を立てて、でぇかん様が持っていた鉄鉢を地面に叩きつけて壊してしまいました。

 鉄の鉢が壊れるのですから、だいぶサビた安物だったんでしょうか・・・・
 100円ショップで買ったんかな?・・・・
 でも、すごいですねぇ・・・なんちゅうても鉄製品を壊すんですから・・・

 鉄鉢は8個の破片となって飛び散り、破片は消えてしまうと同時に、でぇかん様の姿も消えてしまいました。

 次の日・・・越後屋が大事に持っていた株が大暴落しました。

 その次の日・・犬に吠えられました。 側の道を通っただけなのに・・・・。

 また、その次の日・・大事にしていた、パソコンが壊れました。

 そして、次の日・・
 麻雀していて、すぐに「天衣無縫」を振り込んでしまい、次のゲームで「大三元」を振込み、その次のゲームで「リーチ一発 昆一 ドラドラ 裏ドラ」と続けて3回も振り込んでしまいました。

 次の日・・ネズミ取りに捕まりました。   速度超過、12k・・・・・。。
 もう、揉み消しは世間の目がウルサイのでできません。
 そのうち、また、コッソリ復活するでしょうが・・・・

 その次の日・・セールスの電話や、訪問がしつこく有りました。

 セールス
「ヒッヒッヒッ・・・・越後屋さん。今、プラチナが、お買い得ですぜ・・・」
 越後屋
「うるせぇ。そんなら、自分で買え。」

 セールス
「なんか、悩みは有りませんか?
       あなたの腹のヘソを見れば、あなたの人生がわかります。」

 越後屋
「悩みなんか無いわい。人生有りのままじゃ。」

 セールス
「凸凹新聞ですが・・・・」
 越後屋
「ただで、3年間入れてくりるのなら、一週間だけとってやる。」

 次の日・・朝見ると、車がパンクしてしまい、まだ、ローンが残ってるのに・・・・

 その、次の日・・
 自動販売機で、冷たい缶ジュース買ったつもりが生ぬるく、ジュースは交換したばっかりだったのです。

 このように8日間も続けて異変が起こると、さすがの越後屋もハタッと気づきました。

 これは、おでぇかん様は大師様でねぇべぇか・・・・なんと言うことを、オラはしたんだ・・・(TT

 ネングは、やっぱす きちんと払わないといかん・・・
 もうちょっと、負けてくれれば良いんだけどなぁ・・・ホントは・・・。

 そーして、でぇかん様が歩いてると思われる四国を巡礼して、でぇかん様に一目会ってお詫びを言いたかったのですが、20回巡っても会えませんでした。

 21回目を逆巡りをしている時、とある場所で、ついに疲れ果てて倒れてしまいました。

 その時、越後屋の枕元に、おでぇかん様が現れたのでお詫びを言い、越後屋はついに亡くなってしまいました。

 おでぇかん様は、越後屋の持っていた杖を墓標として立てました。
 その杖は、やがて大きな杉の木になり、「杖杉庵」と言われるようになりました・・とさ・・・。

              (^^)/~~~ サイナラ サイナラ サイナラ・・・

                       00/06/01記載


編集後記(杖杉庵)

 ううむぅぅ・・・信心深い人から苦情が来なければ、ええんだが・・

 これを読み返してみると、書いた頃の社会現象が、何となくわかります。
    選挙が有って世襲議員が問題になったり、
    警察が身内のスピード違反をもみ消した事がバレっちまって叩かれたり、
    足の裏を見ると、何かややこしい事がわかるというインチキ宗教団体
が世間を賑わせていたような気がする。


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