HOME > 遍路・巡礼 > 四国遍路第三章「目次」 > 歩き遍路一巡・7 鯖大師
   H19.12.27 UP


鯖大師

 鯖を3年間だか食べないと誓って祈願して、何かなった所らしいです。

 ワシ、シメ鯖とか焼いた鯖なんか好きなんだけどなぁ(^^;バチアタリ
 もっとも昔、煮た鯖に当たって、一度エライ目にあった事あったけど・・・・

 境内には、だれも居なく閑散としており、ちょうど昼飯時だったもんで、納経所の若いボンサンも昼飯食いに行き、カラッポになりました。

 ・・・・のどかですねぇ・・・・・。

 5・6人の団体が来て納経所に、だれも居ないのでウロウロしはじめ、歩き遍路も一人来たので、挨拶して座っていたベンチのワシらの荷物をどけて席を勧めました。

「昨日は、どこにお泊まりでしたか?(^^;」
お遍路
「いゃあ・・まったく・・・えらい目にあって・・・・ブツブツ・・」

「はっ?・・・(?_?)」
お遍路
「このワシが17才に見えますか?(*_*)」

「はっ?・・いえ・・その・・そんなふうには・・・('_')
       (45才ぐらいかなぁ・・・・)」


お遍路
「でしょう。
    それなのに身分証明の物を出せとか、オウムでないのかと言われ・・・
    だいたいオウムが、こんなカッコウしてますか?(=_=メ)」


「は・・はぁ・・・・
    (そんな事言われても、まだオウムの人と会った事ないんで、よ〜わからんけど・・・(@_@))」


お遍路
「オウムとお遍路の見分けがつかんのか!! ▼▼メ 」

「はぁ・・・。
    (何で、ワシが怒られんとアカンの?
     でも、遍路のカッコウしとる隠れオウムが居るかもしれんしぃ・・
    「浅原ソンシ」の顔写真を踏みつけさせて、確かめると見分けがつくかもしれんなあ)」


お遍路
「だいたい、遍路を何じゃと思っとるんじゃ。(^O^メ)」

 ー−−怒りのあまり、持ってたコウモリ傘で地面を叩きながら−−−−

「はぁ・・・・・・
     (ヒマな人間が、コギタネェカッコウして、ほっつき歩いとるのが遍路と思う・・
      あっ・・これ・・・ワシの場合じゃけど・・・

      そりよりも、デカイ声で話してくれん方が、うれしいんだけどなぁ・・・・・
      もっとチッコイ声で・・


   
   さっきの団体も、何事かと、こっち見てるし・・・
      ワシが、悪い事して叱られてるように見られてるような気がするんだよねぇ・・
       気のせいなら良いけど・・・・・)  」
 

お遍路
「いきなり、部屋に入って来て、宿といえども借りた部屋なら、
    借り主に断らずに入ると不法侵入ですぞぉ!!(-_-;メ)」


 −−−−再び傘で地面を叩きながら・・・・
    あらぁらぁ〜・・・・傘・・・壊れなきゃ、いいんだけど・・−−−

「はぁ・・・・・
       (何か、脈絡のない話が続くなぁ・・・・)」


お遍路
「ワシ、去年から家出して四国お遍路してるけど、仕方なく家に電話してやったが・・・

    (電話)したくなかったんだよね・・・
    放っておいて欲しかったのに・・・・・(-_-メ)」

「はぁ・・はぁ・・」と答えながら、聞いた話を総合すると

 昨晩泊まった宿で、警察による「宿あらため」の手入れ?が有り、犯罪を犯して逃げている17才の少年が四国でお遍路しているのではないか・・という情報の元に、お遍路の人達を詮索してるらしいです。
 (この報道は、家に帰った時に初めて新聞で知りました)

 そん時の警察の態度に腹が立って、不満をワシにぶちまけたらしいですなぁ・・・・
 ボッーとした顔しとるから、言いやすかったんかもしりんけど・・・(^^;

 で、だいたい話が一段落した頃を見計らい

「でもまぁ・・これもお大師様から試されてるのだと思いながら対応すれば、いいんでは・・
 いろいろと、お腹立ちの事も、お有りでしょうが・・・」

お遍路
「あっ・・そおですね・・・
    お大師様からのテストだと思えば、いいんですよね。(@_@)
          (憑き物が落ちたような声で・・・アッサリと・・・)」


「そぉそぉ、テストですよ。
  そのテストに、どのような態度で答えるかですよ。(^^;

       (おぉぉ・・こんなワシでもエラソーな事言ったけど、
        聞いてくれた人がいた(^^;)ヨカッタァ・・」


 そこで別れましたが、相手のお遍路さんは丁寧に礼をしてくれ、来た時とは違い表情が明るくなっていました。

 ほんとは、もう一つ言いたかった事が有るんですけど、言いませんでした。
 それは、「お遍路を何だと思ってるのだ」と言った時です。

 だれからも遍路やってくれと頼まれたわけでもなく、だれかのために遍路をやってるのでもなく、自分で勝手に遍路をやってるんですから・・・。

 お遍路は、多くの人の情けにすがりつつ、助けてもらいながら、やっと、こうして旅ができるのであって、決して特権意識を持っては、いけない・・・と、本にも書いてありました。

 四国の人達は、良い人達だから、お接待してくれたり、礼をされたり、親切にしてくれるので、つい考え違いの意識を持つ人も出てくるでしょう。

 あの興奮状態では、言ってもアカンだろうし・・・エラソーに説教できる身分でもないので、それは言わなかっただけです。

                          00/07/05記載


 

編集後記(鯖大師)

 もう大部忘れましたが、この頃「オウム」が問題になっていたようです。

 オウムも白装束のような物を着てましたから、知らない人が見れば白装束を着た遍路も、そのタグイと思い疑われたかもしれまへんなぁ。

 この遍路が泊まっていた旅館に警察のガサ入れが有ったのは、当時17才の少年が親を殺害して逃げており、四国で遍路として逃げているのではないか・・というウワサがあり、実際は別の所(本州)を自転車で逃げていて数日後に捕まったような気がします。

 遍路中は新聞やテレビなど見る機会が無く、世間で何が起きているのか、さっぱりわかりまへんでした。

 話しの内容では、警察のガサ入れ態度が悪かったらしく、それが不満で、よっぽど親戚に警察のエライのが居るから言いつけてやろうと思った・・とか・・

 願掛けをしてるため逆打ちしているのだ・・とか・・

 怪しいヤツで無い事を証明するために、無理矢理に家へ電話させられた・・とか・・そのような事をブツブツ言ってたように思う。

 荷物はそんなに持ってなく、笠も杖も持たず普通の旅行者のカッコウしてました。


  HOME > 遍路・巡礼 > 四国遍路第三章「目次」   前ページ    次ページ



以下、広告です。