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   H20.2.10 UP


四万十川

逆打ち遍路

 ワシらのように各寺を順番に巡ってるのを「順打ち」と言い、反対方向、早く言えば反時計周りに巡るのを「逆打ち」と言って、そのご利益は順巡りを3回巡ったのと同じ効果が有ると言われてます。

 何人か逆打ちの人とも、すれちがいました。

 しかし逆打ちは、遍路道の印がわかりにくく、巡り慣れた人でないと迷子になるかもしれません。

 四万十川のほとりで、二人の逆打ちをしている人と会いました。

 聞いてみると、それぞれ別々に出発して全く見知ぬ人同士でしたが、巡ってるうちに何度か一緒になったりして顔見知りになり、足摺から一緒に歩いて来たそうです。

 一人は東北、もう一人は神奈川から来た30才ぐらいの人でした。

 東北の人は今まで何度か歩いたそうで、「法海上人堂」を再建したお遍路さん(高見さん)と会ったそうです。

 そのお遍路さん(高見さん)は年輩で半身がマヒしており、一日に歩く距離も平道で10km、山道で5kmほどしか歩けないそおです。

 無人の庵の修理等しながら歩いてたので、その手伝いをするつもりでしたが、休みの関係で10日ほど一緒に歩いて別れたそうです。

 今までの経験話を聞くと、駅で野宿してた時、真夜中に暴走族が来て走り廻り、やっと帰ったと思ってたら、そのうち1台がまた戻って来て、またかと うんざりしてたら「はい、これ。」と言って差し入れをくれたそうです。

 茶髪の暴走族でも、外見で決めつけたらアカンのですねぇ。

 もう一人の神奈川の人は、自由業で2ヶ月の契約を止めて、初めて遍路に来たそうです。

「よ〜まぁ・・最初から逆打ちしましたね(*_*)」
神奈川
「順打ちよりも、逆打ちの方が、多くのお遍路さんと行きあえますから(^^」

 そうかもしれません。

 ワシらのように順打ちしていると、お遍路さんに追いつく(まず無かった)か、追い抜かれん限り(これは、たまに有った)、あまり会う機会がありません。

                                 00/08/16記載


 編集後記(遍路 高見さん)

 「法海上人堂」を再建した高見さんは今どうしているか、わかりまへん。
 変わらず遍路されているのか、どうなのか・・

 最近は話題に出ませんが、あの頃に遍路した人は「法海上人堂」再建話しを聞いて、その考えや行為に共鳴し手伝いたいと思った人が沢山居て、遍路同士の話題でも、その話しが出ていたように思います。

 σ(*_*)も世の中には凄い人が居るんだなあ・・と思い、可能であるならば作業を手伝いたいものだと思いました。

 こおいうのは宗教心だとか、ややこしい何とかじゃ無いんですなぁ。

 無心で自ら身を呈して、無理かもしれん・・という事に、あえて挑戦してる姿に共鳴するちゅぅか・・・何というか・・

 今でこそ「NPO」なんて、ハイカラな言葉が流行ってますが、当時は、そんな単語なんか無く、あるとしたら「ボランティア」という単語で、ホンマに自主的なボランティアの原典だったと思う。

 あれが、寺で座ってしている瓦寄進のような寄付集めとか、既存の宗教や組織力で再建する話しだったら胡散臭くて、σ(*_*)は手伝いたいとは思わず、また興味も示さなかったと思う。



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