HOME > 遍路・巡礼 > 四国遍路第三章「目次」 > 歩き遍路一巡・19 暗譜
H20.2.23 UP
カンカン照りの真っ昼間に、歩くのは、きついですねぇ・・・。
そのため夏は、なるべく早寝早起きする良い子ちゃんになります。
朝5時に起き、準備とか簡単な朝食を食べ、6時頃には歩きはじめます。
そいでもって10時頃まで、なるべく歩く距離を伸ばし、昼はどこかの木陰で昼寝でもして、3時頃から、また歩き始めるのが理想ですが、歩く速度が遅いため、どおしても予定箇所まで行かなければアカンので、あんまり休めません。
服装は、以前は子供のお下がりのワイシャツとズボンを着ていたのですが、スーパーの安売りで1980円の青い作務衣を買ってからは、それを着てます。
ワイシャツよりも、作務衣の胸の合わせ目から風が入り涼しく感じますが・・やっぱし、暑いもんは・・暑く、背中がアセでビッショリになります。
その作務衣を着てる姿を知らん人が見れば、眼光は優しく瞑想しているように遠くを見つめ、その顔立ちは質素な生活をしてるため痩せこけており・・
また無精ヒゲは、その苦行の跡をしのばせ、色があせ、くたびれた作務衣は、永い年月の修行を想像させ、以前に書いた「庵の坊さん」は、ワシのその姿を見て、どっかの行者さんかと思ったそうです。
ホントは、疲れて果ててボォッーと死んだ目をしとるのであり、また体が痩せてるのは若いころから病んでる胃下垂のためです。
無精ヒゲは、単に毎朝ヒゲを剃るのがメンドウ・・・色あせた作務衣は、安物のため色落ちが早いためです。
笠をかぶる時は、和式手拭いをハチマキにして、その上から笠をかぶってます。
越後屋は、同じく和式手拭いを顔全体を包み込むようにしてから笠をかぶってます。
本人の弁によりば、日焼け防止のためだそうで・・・・
そして日焼けになると、お肌がシミになると言って、なんか知らん化粧もしてます・・・たいして変わらんのに・・・。
三原村から高知県最後の寺、39番延光寺に行く途中の道筋に牧場があり、牛さんの家族が5・6頭固まって座っていました。
子牛と目が合ったので、手を振ってやりました。
アホですねぇ・・牛には、そんな風に見えたのでしょう。
子牛が座ったまま、歩いてる方向に顔を動かしジッーと見続けてるので、もう一回手を振ってやりました。
牛が、なんか芸でもしてくりるかと思って・・・。
そりを見た越後屋が「アホな事を・・」と言いました・・・・そうですか・・・やっぱし、そう見えますか・・・・・。
でも牛は良いですねぇ・・・吠えないから・・・。
犬は吠えるし・・・・あの鳴き声を「ワンワン」「キャンコラ、キャンコラ」じゃなくて、もーちっと色気のある鳴き声ならまだ可愛気があるのに・・・
例えば、犬が若い女性の声で
「あらぁ〜ん・・・こっちへ来ちゃダメ・ダメ!!」
「そんなに見つめちゃ、いや!!・・・恥ずかしいでしょ。」
とでも吠えるんだったら・・毎回吠えさせてやるのに(^^;タマランデスナァ
延光寺は昼頃のためか人影も少なく、境内のベンチでコンビニで買ってきたオニギリを食べてると、どこからともなく一匹のネコが前に来て座り、欲しそうな顔して見ています。
で「シッシッ・・・・」
まだ見てる・・・・仕方ないので、オニギリの端をちぎってやりました。
あっ・・誉めなくても良いです・・・イヤイヤしたのですから・・・。
で「もう無いの(本当は、もう一つ有るんだけど)・・・・・
越後屋の所へ行け・・・・」
越後屋も少し分けてやり、ネコは、ワシらが食べてる手の動きに合わせて顔を動かしてます。
ワシは情にもろい性格なので、また千切ってやりました。
こいつは、犬のように吠えず、黙ってるから・・・。
食べ終わって越後屋がゴミ籠に捨てに行くのを、ネコは走って追いかけて行きます・・まだ何かくれるかと思って・・。
でも、ゴミを捨てただけ・・とわかったら、もうこちらには来なく、後ろの石垣で寝てしまいました。
そうか、お前は食うだけ喰ったら、それでおしまいか・・・。
別に、お礼の挨拶を言えとか、踊りやれというわけじゃないけど・・・・。
00/08/19記載
尺八曲は最初「三谷」を暗譜し、本堂・大師堂で同じ曲を吹いてましたが、この曲は長いんですよねぇ。
同じ曲ばかり吹いていてもツマランと思い、そのうち「手向」を暗譜して本堂で吹き、「三谷」を大師堂でと吹き分けていました。
しかし歩き続けて寺に着き、尺八を吹いて参拝すると、立ってばかりいるので休む時間が十分採れなく、もんのすごく疲れるんですよねぇ・・これが・・。
おまけに最初の頃は、尺八を吹く前に般若心経まで唱えてたもんだから、参拝するだけで20〜30分ほどの時間がかかり、その間ずう〜っと立ちっぱなしです。
般若心経を唱えるのをパスしてからは、少しは短くなりましたが、それでも参拝時間が長く、越後屋はサッサッと自分の参拝を済ませると、適当な所に座り込んで「ハヨ〜終われ〜」という顔して休んでいます。
オマエは、愛する夫と一緒に苦楽を共にしようという気持ちが無いんか・・・
「病める時も、健やかなる時も、死が二人を分かつまで・・」という、結婚式の恥ずかしい「愛の誓い」の言葉なんかアホらしくて、やらなかったが・・
これじゃアカン・・何とか休憩時間を少しでも余計取るには、どうしたら良いか・・「愛の誓い」どころじゃねぇ・・と、真剣に深ぁ〜く考えましてなぁ・・
おぉぉ・・そおじゃ・・ポン♪(膝を叩く音)・・・もう少し短い曲を暗譜すればええでねぇか・・
σ(*_*)って、何てカシコイんじゃろ、今まで気が付かんかった・・・
(^_^)vナハハハ・・・
と、信心のカケラも無い、楽な方向へ持って行こうとする軟弱な考えだけは、すぐに思い浮かんできます。
そいで、この牛さんの居る牧場付近から延光寺へ行く途中、歩きながら一番短いと思われる曲の「本調」を暗譜しようとしました。
この頃に遍路していた時は、吹きたい楽譜を可能な限り小さくコピーして(だいたい手帳サイズの大きさ)、ズタ袋の中でグチャグチャにならんようにボール紙で裏打ちして、いつも持ち歩いていました。
どこかで時間が有った時にでも、その楽譜を見て練習するつもりだったんですが、遍路中はあんまり余裕が無く、それを使用して練習したのは5・6回程度だったと思い、またそれで練習する毎に暗譜の必要性を痛烈に感じたので、今は持って歩いてまへん。
で、「本調」のボール紙を片手に持ち、歩きながらチラッチラッと見て暗譜しようとしましたが、結論から言えばサッパリ覚えれんかった。(^O^)ダハハハ・・・
やっぱし、歩く時はしっかり歩き、暗譜は家などの落ち着いた所で集中的にやるもんですなぁ。
遍路中での尺八参拝は、参拝時に楽譜を立てて見ながら吹奏するという状況は難しいので、必然的にどうしても暗譜しなければなりません。
そおいう状況・目標が有ったからこそ、コンジョ入れて、幾つかの曲を暗譜できましたが、そのような追い込まれる状況や目標が無かったら果たしてこれだけの曲を暗譜できたかどうか・・
長い間吹き続けていると、自己流に曲が崩れて来ます。
しかし他人に聞いてもらうため吹いてるのではなく、また、もうトシなので今更それを直そうというコンジョも有りまへん。
残る人生は遍路しながら、人に迷惑かけんように崩れた曲でもええから、自由気儘に楽しんで吹き続け、どこかで朽ち果てるのが夢です。(^O^)ナハハハハ・・・
HOME > 遍路・巡礼 > 四国遍路第三章「目次」 前ページ 次ページ
以下、広告です。