HOME > 遍路・巡礼 > 四国遍路第三章「目次」 
  歩き遍路一巡・23 奇跡逸話遍路異聞物語
    H20.3.1 UP


奇跡遍路逸話物語

 むかぁ〜し、むかし・・ある所に冗視部蚊という二人の男がおり、それはそれは仲良く仕事をしておりました。

 二人とも信仰心の無い人間でしたが、ある時に
部蚊がヒマなもんで、お遍路してみようと思い、これがやってみるとヒジョウに面白くて病みつきになりました。

 だからと言って、信仰心が芽生えたわけではありません。

 土日の休みを利用しては、お遍路に行き、その様子を仕事場で話するもんだから、
冗視も最初は冷ややかな目をしてましたが、だんだん興味を示してきました。

 しかし、まだまだお遍路に理解を示さず
冗視
「だいたい自分の三代前の死んだジサマ・バサマの顔さえ知らないのに、
  何百年も前に死んだ得体の知れない者を拝んでどうする。(^^カッカッカッ・・・

   ワシもたまにヒマな時に寺へ行くけど、お遍路がどんな顔して拝んでるか
  見に行くだけじゃ(^^;)ヘッヘッヘッ・・・」


部蚊
「・・・・・・(-_-;) サイデスカ・・・」

冗視
「それは、そうと・・・青瀧寺の境内に大きな観音様が建っておって、
   下の方は中をグルッと廻れるんだな。(@_@)ミテキタゾー」


部蚊
「いゃあ〜・・・・、そりは、知らなんだなぁ・・・(*_*)アララ・・」

冗視
「今度、行った時に見て来たらいいよ。
   真っ暗で、な〜も無く、面白くも可笑しくもなかった。(=_=)ツマラン」


部蚊
「それは・・たぶん胎内廻りちゅうやつじゃないでしょうか・・('_')」

冗視
「何じゃ?・・・その胎内廻りちゅぅのは・・・(?_?)」
部蚊
「ワシも、あんまり詳しく知らんのですが、たぶん反省努力する所だと思います・・・・(^_^)」

冗視
「フゥ〜ン・・・、真っ暗で先がな〜も見えんから電気くらい点けておけば良いのに・・
   ワシ、歩く時に危ないから、マッチの火を点けて歩いたぞ・・。  !(^^)!」


部蚊
「えぇぇ・・・(>_<)!!。
   マッチ擦って歩いたんですか?!!(*_*)ナンチュウコトヲ・・」


冗視
「当たり前じゃ、あんな暗い所で、けつまずいて転んでケガしたら、どおするんじゃぁ!! 
   電気代くらい、ケチるな!!。▼▼メ ワシマダ シニトオナイ 」


部蚊
「ですから・・・、それは、真っ暗闇の中を壁に手を当てながら、
   ゆっくりと反省努力しながら歩くもんでして・・・
   明るかったら、アリガタミも、な〜も無く・・(;_;) ナントイッテ ヨイカ・・、

   わけても・・・そんなマッチ擦って灯り点けて歩いたら、
   お寺さんに叱られるんじゃないかと・・・(/_;)ワシ シラナイ・・ット」


冗視
「だって、ケガしたら痛いもん。
   ワシ痛いのいややもん。(^o^)カマヘン カマヘン」


と不謹慎な事を言ってセセラ笑い、
部蚊をからかっておりました。

 もっとも、
部蚊も後日の歩き遍路で、その寺へ行った時に胎内廻りをしてみましたが、間違って出口の方から入ってしもぉたけど・・・(;_;)アトデ キガツイタ

 ところで、この
冗視の奥さんは信仰心は別にして、昔からお遍路をしたくてしょうがなく、何度も冗視に車で連れて行けと頼んでるのですが、鼻先で笑って取り合ってくりません。

 奥さんは
部蚊達がお遍路から帰るたびに、その時の様子を部蚊のカアチャンに尋ね聞き、自分の不運を嘆き悲しみ、部蚊夫婦が羨ましくてしょうがありませんでした。(TT ヨヨヨ・・・・

 ある時、
冗視夫婦が温泉へ遊びに行く途中、部蚊がお遍路してる所で擦れ違う可能性がある事がわかり、日時と場所をだいたい打ち合わせて、会えたら会おうと言いました。

 当日、
部蚊がお遍路をして、予定時刻と場所を歩いていても冗視の車がきませんので、都合で温泉行きを止めたのかもしれんと思って、そのまま歩き続けました。

 なんせ
冗視は、あんまり奥さんが「連れて行け」とウルサイもんだから、仕方なく一回だけ車で行こうとしてたんです。

 しかし、奥さんは喜びのあまり興奮しちまい、準備に手間取って出発が遅れたもんだから、
冗視がハラを立てて「行くの止めた。!!」と言って、せっかくの日程を中止した経験のある人ですから・・。

 それから1時間ほど歩いてると
冗視の車と出会い、簡単に手を振って別れるつもりでしたが、冗視は、そこらでサーフィン遊びの若者がたむろしてる狭い場所へ、無理矢理に車を突っ込んで、アンチャン達のメイワクそうな顔を無視して車を降りてきました。

 奥さんは車を降りるなり
部蚊のカァチャンに、転ばんごとき駆け寄り「エライわねぇ、エライわねぇ・・」と連発しながらカアチャンの袖にすがりつきピッタリと側を離れず、冗視は最近買った自慢のデジカメで部蚊のお遍路姿の写真を撮り始めました。

 5分ほど立ち話をして別れましたが、奥さんは盛んに
「エライわねぇ」を連発します。
 いえ・・・・たかが歩いてるだけです・・・そんな・・・。

 次の日、
冗視はデジカメの写真を印刷してくれました。
 それからです・・・、
冗視の言う事が手のひらを返すようにコロッと変わったのは・・・・

 
部蚊のお遍路の話を聞いた後、冗視「今度から、スーパーで安売りしとるコーヒー缶でも買って、冷蔵庫で冷やしておき、歩いてるお遍路さんが居たら接待しようと思う。」と、この暑さで熱でも有るんじゃねえかというような事を言い始めました。

 そして
部蚊が、他のお遍路さんに会った時に食べ物等をやったり、町を歩いて托鉢してる尼さんに、この暑い中を歩いてるのは、とても他人ごとと思えんから・・・と、お布施した話をすると「あ〜ぁ、それは良い事した。エライエライ」と手を叩いて誉めてくれます。

 後日、
冗視の奥さんがカアチャンに話した所によると、写真で撮したお遍路姿の部蚊の笑顔がお地蔵様が笑ってるような笑顔で・・・なんとも言えんほど気に入ったらしい。

 その写真を見ながら冗視
「ワシらも、あんなカッコウして、車でお遍路してみようか」と、杖で岩をぶっ叩いて清水を沸き出させる奇跡に匹敵するような信じられない事を言ったそうです。

 それからの
冗視は、歩きお遍路さんに対する見方が特段に優しくなり、自分も車遍路をやるようになったとさ・・・ メデタシメデタシ

             老夫婦純愛文学全集「心の足袋路」より
                     奇跡逸話遍路異聞物語 完

                                 00/09/01記載



 

編集後記(宗教)

 まぁ、信心が無かった人が、考え直し始めるというのは、現代の奇跡ですわなぁ。(^O^)

 世の中には「来るな!!」ちゅうても、しつこく勧誘に来て自分の宗教団体に入らせようとする「オカルト宗教団体」が居るのにぃ(最近、来なくなったが・・)。

 当然、そおいう宗教団体が来たら、遠慮せんと徹底的にやっつけてやります。
 それで今まで負けた事がありまへん。(^O^)エヘン

 やつらは仏教の表面的な事だけ言い、そいじゃあぁ・・と深く突っ込んで聞くと、お経の中身や仏教の教義を全く知らんようですなぁ。
              (^_^)vワッハッハッハッハッハハハハハハ。

 


  HOME > 遍路・巡礼 > 四国遍路第三章「目次」   前ページ    次ページ



以下、広告です。