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十夜ケ橋・四国遍路記 H20.3.16 UP 


十夜ケ橋

十夜ケ橋の逸話

 題名の橋をご存知でしょうか?
 はい、知らんでしょうねぇ・・・ワシも最初知りませんでした。
 税金を、ふんだんに注ぎ込んで作った橋なら、いくつか知っておりますが・・
十夜ケ橋より永徳寺を望む
 お遍路は、橋の上で杖を突いてはいけないという不文律が有ります。

 今まで杖を突きながらヨタヨタ道を歩いても、ボォッーとしながら杖を引きずりながら歩いていても、橋があれば杖を上げて突きません。

 はい、どんな小さい橋でも、小汚い橋でもです。

 これには涙無くしては聞けんほど、ふかぁぁ~い、わけがござってのぉ・・・・・・
 こり、そこのジイ・バア・・・鼻水拭いて・・よ~聞きしゃい・・・

 お遍路が橋で、杖を突きながら歩くと、月夜の晩に・・・
 ケータイを持ったヤマンバに出会う・・・・ち・・ちがう・・・・

 むかし、むかし・・・大師様が、この辺を散歩・・あっ、これもチト違う・・
 この辺を通られた時、一夜の宿を求めましたが宿が無く、この橋の下で野宿しました。
十夜ケ橋下
 その時、あまりの寒さに一夜が十夜にまさる思いであったため、橋の名が「十夜ケ橋」と呼ばれるようになりました。

 そして、橋の下で寝ている大師様の睡眠妨害にならないという気持ちから「橋の上では杖を突かない」となったそうです。

 それが、今じゃあ、ああぁた・・・(^^;

 橋はコンクリート・・・しかも、国道と高速道路の出入り口付近のため、 車はひっきりなしに走り回っており、そのオトロシイこと・・・これじゃぁ、いくらなんでも大師様は眠れんでしょうねぇ。

 車で走ったら、たぶんわからないような橋です・・看板は出てますけど・・、
 歩いてても、どこに橋が有るんじゃ? と思ったほどですから・・・

野宿修行道場 この橋のたもとに小さいお寺?が有り、その対岸の所で大師様が寝たらしく、川幅は20mほどで、寝たと思われる橋の下に、仏様が置いてあります。

そして壁には
「・・・四国霊場唯一の野宿修行道場といたします。
   
 野宿修行を希望される方は、
     ゴザを用意してありますので、
     納経所までお申し出ください。 」

と看板がかかっていました。

 皆の衆、我と思わんお方は、ぜひ修行してみて下さい。

 一族親戚・近所の人・職場、及び見知らぬ人からも誉められる事まちがいありません・・笑われるかもしれんけど・・。

 そして橋ですから、当然川が流れておりますが、正直言って、あんまりキレイでありません。
十夜ケ橋の鯉
 川には鯉のデカイのが泳いでおり、1カップ50円で鯉のエサも売っております。

 ええですねぇ・・鯉は・・・。
 吠えないし、噛みつかないし・・・(-_-)

 足音聞いただけで、何かくれるかと思って集団で集まって口開けるし・・犬も、ちょっとは見習えばいいのに・・・(=_=)

 しかし、釣りをしたら、一発で釣れるじゃろうなぁ・・・。(^^;
                                 00/09/30記載


 

編集後記(十夜ケ橋)

 この十夜ケ橋のお寺(永徳寺)には早朝着き、あんまり人が居ない時でした。

 本堂と大師堂で尺八を吹き参拝して、荷物を置いた所へ戻ると住職さんが話しかけてきました。

 住職も尺八をやっているそうで、この十夜ケ橋の寺とは別に寺を持っており、その寺で尺八をやっているようです。

 
「早い到着だけれど、どこで泊まったの?」
 
「近くの五郎駅で車中泊しました。」
 
「あらあぁぁ・・ここで泊まれば良かったのにぃ(^O^)」

 実は、この時まで、ここに通夜堂が有る事を知りまへんでしたし、もし知っていても泊まる気は有りまへんでした。

 でも二巡以後、ここの通夜堂だけは利用させて頂いてます。
 なんちゅうか・・この住職と話してからは、なあぁ~んか縁を感じるんですよねぇ。

 宿泊許可を求める時は、他の遍路達と同様の扱いをしてもらうため、尺八を吹いてる者だというような事は一切言いまへんが、翌朝出発する時には本堂と大師堂にお礼吹きをしています。

 


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