HOME > 遍路・巡礼 > 四国遍路第三章「目次」 > 歩き遍路一巡・26 ノート
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内子町から国道を「突合」へ歩いてると、道を隔てた所に梨の直売所が有りました。
おぉぉ・・季節感が有るなぁ・・一つ買おうかなぁ(^^;)
と思ってると越後屋が「あそこでトイレ借りる」と言うが早いか、杖をワシに預けて小走りに直売所へ向かいます。
直売所からも、これまたオカミサンが小走り出て来て、越後屋と鉢合わせになり、大きな梨2個を接待してくれました。
ソフトボールの球をさらに一周りほど大きくしたような、後でスーパーで見ると1個400円もしとる代物でした。
しばらく行くと、今度は梨の選別所が有り、座って作業しとったオジサンと目が合い挨拶すると、
オジサン「お遍路さん、梨あげようか(^^;」
で 「(ウッ・・今貰った所で、リュックに入っとるし、これ以上貰うと重くなるなぁ・・ヨワッタナァ
しかし、せっかく言ってくれとるのに断るのも悪いから)
そりじゃ、一つ頂きます。」
↑
注
そして、やっぱり二つくれました。(^^;)
↑
注
少し離れた道端の木陰に座り、貰った梨の一つを、越後屋と二人で交互に囓りました。
お互いに深く、フカァァ~ク・・愛しあっとるから、これで間接キッスして、お互いの愛情を確かめあっとる訳です。
また、あんまりピッタシと、くっつき合って手をつないで歩いてるため、そこらのガキから、「やぁ~ぃ、アベック仲いいぞ(^O^)」とハヤシたてられ石投げられとります・・はい、ウソです。
しかし、うんまかったなぁ~。(^^;
家で食べるのと違って、果汁がポタポタ落ちるほどで採りたての梨が、こんなに美味しい物だと思わんかった。
長岡山トンネルを出たすぐの道端に「お遍路無料接待所」が有ります。
付近に住む人の納屋を改造したようで、畳も敷いてありました。
側の机の上にファイルノートが有り、今まで泊まった人の感謝の言葉を書き「納め札」も入っており、最近では3日前に、だれかが利用したようです。
さらに6kmほど先を行くと、「千人宿記念大師堂」があります。
この大師堂の持ち主(初代)が、お遍路さんを接待として宿泊させ、「千人」宿泊したのを記念してお堂を造ったらしいです。
前の店(持ち主で二代目)に断って、お堂で休ませてもらいました。
そして、やっぱりノートが有り、けっこう宿泊してます・・・若いのや・・トシヨリやら・・・。
持ち主のダンナさんと、少し話しました。
ダンナ「最近の若いモンは、信仰心が無いのか、泊まっていっても、お経一つ読んでいかない。」
正面には、立派な大師様が奉ってあります。
ワシは信仰心薄き人間なれど、たとえ無人の庵・神社でも休んだら必ず私なり独自の参拝をしています。
これは、お遍路としてというよりも・・・、休ませてもらった者としての最低しなければアカン礼儀だと思っとります。
どっちかというと、お遍路で巡るお寺よりも、知られてない庵・お堂等の方に、心を込めてるかもしれん。
な~も祈ってないけど・・・・・
そぉいえば、あるお堂で、今まで来た人の「納め札」の一覧表をまとめたノートがありました。
氏名・住所・年月日・願意となっており、不明な所は空白になってます。
「願意」はかなり空白で、1~2割ほどしか書いてなく・・・「絵が上手になりますように」・・「懺悔」・・・・
00/10/06記載
お堂とか接待所には、利用した人が自由に書き込めるノートが置いてある所があります。
時間が許す限り読んでおり、見知らぬ数多くの遍路している人達のつぶやきが聞こえて来るようです。
文中に書いてある「懺悔」と只一言書いてあったのを見た時は、書いても書ききれん何かが有るような気がして、なぜかグサッと来た。
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