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尺八を携え歩いた四国遍路  H20.4.26 UP 


雲辺寺

日本一周

 65番▲寺・・あっ・・ちがう・・・三角寺で、日本一周している青年と会いました。

 10月1日に四国入りしたとの事で、なるべく金を使わないように、全て自炊・野宿でガンバッテおり、風呂も四国に来てから3回ほどしか入ってなく、川で体を洗ったりしとるそうです。

 アンチャンは、今晩の野宿場所をどこにするかと悩んでたので、「ひとり歩き」の本を見せてあげました。三角寺

 念のために聞いてみると、この本を持っていないそうで、普通の地図だけを頼りに、ここまで来たそうです。

 26kの大きな荷物を背負い、半ズボンから日焼けした足をのぞかせ、いつも笑顔を絶やさない、いい青年でした。

偶然の出会い

 次の66雲辺寺から「涅槃の道場」(香川県)へ入り、小雨が振るかもしれないという日で、ドシャブリの雨だったら中止して、どっかで遊んでたかもしれません。

 朝7時ころ、雲辺寺登り口へ向かって歩いてると、向こう側の国道を二人の歩き遍路が登り口を探しているようなので、杖を振って道を教えてあげたら、こちらへ向かって来ました。

 高速道路の下からググッーと急な登り坂を、ヒーコラ言いながら登り、15分ほど上った所で一休み。

 先ほど登り口を教えてあげた遍路さんも追い付いて来て、ワシらと一緒に休みました。
 一緒に話ながら話題が「そえみみず峠」の話になった時、日本一周のアンチャン

「あれっ? でぇかん。!!
  あの時に会った人じゃないの?」

「えっ?・・すると雨具の具合を聞いた人?」
お遍路
「ぼくも、その時期とか峠の話をしていた時に、
  ヒョットしたら・・と思ったんです。」


 そうなんです・・・「そえみみず峠」を雨の中を泣きながら越え、国道に出てから「道の駅」で休んでいた時に出会った人でした。三角寺

 その時は、わずか5分ほど話しただけだったんですけど・・。


 あれから、数ヶ月・・・遠く離れた人(福岡県)と、何の連絡もせず、お互いに時期も区間も別々なのに、偶然にも、ここで再び再会しました。

 通しで歩いてるとか、区切ってる期間中だけならば、追い付き追い越されで何度も会うでしょうが・・・・確率的にも、滅多に無い奇遇ですなぁ。

     休息小屋 椿堂

雲辺寺・護摩堂

 雲辺寺には2時間ほどで着き、天候が悪く、名前のとおり雲の中?で霧がかかっていました。

 護摩堂に
「靴を脱いで上がってください。休息等はご遠慮願います。」と書いてあったので、半分ほど開いていた障子戸の中に入りました。雲辺寺

 なんせ、タダだし・・、時間の余裕も十分に有って・・・、
 どんなもんかと話の種の一つにでも・・と・・(^^;

 マジメに参拝していると、一人の老遍路さんが静かに入って来て、どんな人かとチラッと横目で見ると、姿勢を正して合掌してます。

 さすがキャリアを積んだお遍路さんは、参拝の姿勢を見ただけでも、なんか近寄りがたい、高貴な感じがして、思わず堂内の仏像よりも、その人の方を拝みたくなります。

 護摩堂の外では、一般や団体参拝客の賽銭を入れる音が、ガチャガチャしたり、話し声がしますが、堂内にまで入って来ません。

 たぶんクツを脱ぐのが、メンドウだからでしょう。
 はい、その気持ち、よ~くわかります。(^^;イソガシイ デショウカラ・・・
雲辺寺
 しばらくは護摩堂で、話もせず静かに越後屋と老遍路の3人で参拝してました。

 本当ならば、こういう風にするのが参拝じゃろおなぁ・・・・。

 全部とは言わないけど、たいていの寺へ行っても、本堂や大師堂の扉を閉め、堂内に入れないようになっとります。

 賽銭だけは、しっかりと扉の外から内側の賽銭箱入れるようになってるが・・・

 不心得者がおって、堂内へ入って何か盗んだり、壊したりするかもしりんけど、やっぱし参拝する時は堂内に入って、心を落ち着けて静かに参拝したいなぁ。

 ワシ、だいぶマジメに参拝するようになって来たから・・・信仰心は前と同じで、今もあんまり無いけど・・

某寺大師堂にて

 そぉそぉ・・・これで思い出したけど・・・・

雲辺寺
 名だたる有名な四国某寺の広い大師堂にて、珍しく参拝客が他にいなく、越後屋と二人きりでした。

 そこで、やっぱし静かにマジメに参拝しておったのですが、その大師堂の中で、お札かお守りか、わけわからん物を売ってる3人ほどの人が、声高に話をしています。

 それも保険がどうのこうの・・・と・・・

 こっちは珍しく、マジメに参拝しとるのに、デカイ声や笑い声が聞こえると、気が散って・・気が散って・・・・

 確かに参拝客は、観光半分の気持ちで来ている人も居るかもしれませんが、たまにはマジメな気持ちで参拝しようかと思う人間も居るんです。
雲辺寺よりの遍路道
 一般客が騒々しいのは、しかたがないと思ってますが、寺の関係者までが、そんな事では・・・・。(-_-;)

 高野山の地下で大師様も、チョ~悲しみ、チョ~ムカついて、
「シンジラレナァィ~~」「マァジィィ?・・マジィ・マジィ・・?」と嘆いておられるんじゃないでしょうか・・。

 そおじゃ、ありませんか?・・・(?_?)
 大師様が誕生された寺の戒壇巡りが有る、有名なお寺さん。(-_-)

 寺の悪口は、なるべく書かないようにしとったんですが、
 今回ばかりは・・・チィッとばかし・・・ね・・・・。(=_=)

                                00/11/18記載



 編集後記

 えっとおぉぉ・・この記事中で「マジメに参拝」という箇所は、尺八を吹いて参拝している状態の事です。

 老遍路との最初の出会いは、この雲辺寺で、以後大いなる「縁」や教えを受けました。
 その出会い状況等は「第一章 香川 1老遍路」に記載してあります。

 


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