HOME > 遍路・巡礼 > 四国遍路第三章「目次」 > 歩き遍路一巡・39 献笛
H20.5.27 UP
四国は、日本海側とちがって、ずうっー~と秋のまんまですねぇ。(^^;
日本海は、今ごろ時化とるやろおなぁ・・・。
山のへんろ道は、黄色の落ち葉が降り積もり、まさに絵にかいたような見事な秋の山道です。
ガサッ・・ガサッ・・ガサッ・・(落ち葉の上を歩く音)
ズズッー・・・(坂道で滑る音)・・ガサッ・・ガサッ・・
白峰寺へ行く途中の山道には、小さい赤や黄色のモミジの葉が、星のように道に散らばっていました。
白峰寺も、ええ所ですねぇ・・・寺の犬に吠えられたけど・・(^^;
ここで、同年輩くらいのオバハンの一人歩きのお遍路さんと会いました。
ワシ達とちがうルートから登って来て、途中道を間違ってミカン畑に入りエライ目に会ったと言ってました。
キチッと白装束に輪袈裟かけて、リュックかつぎ・・・
女一人で歩いてるのでワケ有りかもしれませんが、聞きませんでした。
ワケ有りといえば・・・・国分寺では、地元のバァサマに、
バァサマ「歩いて来られたのか・・・・エライのぉ・・・
まだ、若いのに・・・信仰深いこって・・・・」
で「はっ・・はぁぁ・・・
(いえ、その・・・信仰心は、未だに今一つなんだけど・・・)」
バァサマ「なんか、ワケあったんですかいのぉ?」
で「あっ・・いえ・・別に・・その・・
(まさか、面白いから、ホッツキ歩いてると言えんわなぁ)」
と言う話をした事も有ります。
やっぱし、遍路しとる人は、何かを抱えて歩いてると思われるんでしょう。
40才ぐらいの男の一人歩きの遍路の人とも、何回か行く先々の寺で会いました。
この人を見た時、思わず「ぼんさんが いく」というドラマの主人公の竹中直人を思い浮かべるほど似てました。
最初は郷照寺で、簡単に挨拶しただけでしたが、次の日に国分寺で5時近くに会って、近くの駅で寝ると言ってました。
これも縁と思い、接待で貰ったカステラをあげました。
次ぎの日、八栗寺でまた会いました。
普通、歩きの人は先を急ぐため、ゆっくり話をしませんでしたが、ここでは少し話をしました。
昨年1年間沖縄に居たこと、昨晩の駅で寝た話・・・近所の人がオニギリ持って来てくれたそうです。
ちなみに、ワシらも前日その駅で寝ようかと思ったのですが、若いアベック(高校生ぐらい)が一組抱き合っており、ワシらが駅舎に入っても、けしからんことに離れもせずイチャイチャしとりました。
最近の若いモンは、人目もはばからんと・・・
目の前に立ってジィーと眺めてやり、どっちが先に逃げるか、最後までイジワルク見てりゃ良かったかなぁ・・・
で「この巡礼が終わった後、どうするんですか?」
ぼんさん風「南の方へ行くつもりです。
放浪してますから・・・(^^;」
で「食事は、どおしてるんですか?」
ぼんさん風「スーパーでラーメン買ってます。
スーパーへ行くの好きだから(^^;」
で「いつから巡り始めたんですか?」
ぼんさん風「先月の中旬ころだったかなぁ・・
最初は、高野山へ行くつもり無かったんですけど、
1番へ行った後、お礼参りに行くつもりです。」
そぉなんですよねぇ・・・最初は信仰心が無くても、そんな気持ちが出て来るんですよねぇ・・・・歩いてると・・・
ワシは・・まだ信仰心も修行も足りんから高野山へ行くまでの気持ちは、全然ないけど・・・
次ぎの志度寺でも会い、ワシらは、ここで最後なので持っていたソーセージとバナナと、偶然この寺で貰ったお供えの「落雁」のお菓子をあげました。
この「ぼんさん」の参拝は、いつもスミッコの方で静かな声で人の邪魔にならないようにマジメに経を読んでました。
今頃は1番が終わって、高野山かもしれません。
そりとも、足が速かったから、もう終わったかな?
00/12/14 記載
夕暮れ時の志度寺で尺八を吹こうとした時、納経所のオババから「献笛(けんてき)か?」と声を掛けられました。
それまで「献笛」という単語を知らず、「はん?」という感じで聞き返しましたが、二度問われてやっと意味がわかりました。
なんせ、学の無い人物なモンでして・・。
以後、今日に至るまで、勝手に黙って尺八吹いたら叱られるかもしれんと思われる、格式の高そうな寺とか神社で了解を得る時には、相手からこの「献笛」という単語が、よぉ~出てきました。
参拝が終わった時に納経所のオババが供え物の落雁をくれ、この記事のぼんさん風の遍路にあげた落雁は、この時に貰った物です。
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