HOME > 遍路・巡礼 > 四国遍路第三章「目次」 > 歩き遍路一巡・43 五円玉


尺八を携え歩いた四国遍路  H20.6.8 UP 


錦札と五円玉

最御崎寺

 え~~、皆の衆。
 あけまして おめでとうごぜえます。
 良い、お年を迎えられましたか?

 はい、ワタシは、ヒマな正月を迎えました。
 テレビ見ても・・・ツマらんのしか、やっとらんし・・・(ーー;

 「ひ・ま・や・の・ぉ・・ぉ・・ぉ・・ぉ・・・」
越 
「ヒマやから、近くの寺へでも行ってみる?」

と、ヒマを持て余してるので、行く事にしました。
 あっ・・・歩きでなく、錆び始めた車で、ですけど・・・・。

 お遍路してなかったら・・・いくらヒマでも、まず寺へなんか行く気にならんかっただろなぁ。

 近くの24番 最御崎寺へ行ってみました。
 思ってたより人が少なく、地元の人らしいのが家族連れで数組お参りしてます。

 いつものクセで、線香やローソクを立て、越後屋と一緒に般若心経を詠みましたが、フト気がつくと、経を読んでるのは、ワシらだけ・・・

 家族連れの衆は、線香等は省略して、賽銭だけ入れて拝んで行きます・・・経は無しで・・・。

 ウムムゥゥゥ・・・・慣れちゅうもんは、オトロシイもんじゃ。
 知らん人が見ると、ワシら信心深い人間に見えるやろなぁ・・・。

神峯寺の錦札

 午後からも、ヒマだったんで、27番 神峯寺へも行きました。
 正月でも、けっこう お遍路さんが歩いてました。

 ここも家族連れが何組か、お参りしてます。

 本堂で、やっぱしローソク等を立て参拝し終わると、同じころ参拝し終わった お遍路さんが、「あそこに、錦札が置いてありますよ。」と教えてくれます。

 このお遍路さんは、ワシらと同じ頃に来て、向こう側の箱に納め札を入れ、その時にチラッと赤い札入れたなぁ・・・と、いうのが見えましたが、その時は大して気に留めなかったのです。

 でも・・まぁ・・・せっかく教えてくれたんだし・・・、
 納札箱を掻き回して取るのでないから貰っておいて、遍路してる途中で、だれかにあげよう・・・・と、見に行くと、納札箱の上に錦札が置いてあり、その上に五円玉が重し代わりに置いてあります。

 地元の家族連れの人達が、数組参拝して行ったのですが、だれも、この錦札を持って行きませんでした。

 ウムムゥゥ・・・・お遍路の人なら、目の色変えるんじゃけど・・・
 地元の人には、あんまり、この風習は浸透しとらんのやろか・・・と、錦札を前に、しばし考えました。

 箱の中に入れてなく、いかにも、持って行って下さい・・・という風に置いてあったので貰ってきました。

 あのお遍路さんは、自分の札を置き、わざわざワシらに教えてくれたんでしょう。

 錦札の裏には、「四国霊場会公認大先達」167回 68才と書いてあります。

 ジャランという輪を付けた赤い杖を持ち、紺色の作務衣のようなのを着て、動作も落ち着いており、ふつうの、お遍路さんと、チトちがうなぁ・・とは思ってました・・・やっぱし、風格がちがうなぁ。

 大師堂へ行くと、越後屋が納札箱の中の、たくさん入ってる札の上に、金札がフワリと置いてあったと言ってましたが、それは貰ってきませんでした・・・だれか、縁の有る人が貰うでしょう。

 あんまり、錦札や金札に執着しないワシらに対して、札の方から、よ~寄って来ます。

 ちなみに、ワシが持っていた錦札・金札は、12月に歩いた時点で、全て縁有る人に渡り、手元にはひとつも残ってません。

 これも、縁でありましょう・・・・ナム・・ナム・・ナム・・・。

                           01/01/01記載


 

編集後記(錦札と五円玉)

 なんか季節外れの挨拶で始まっておりますが、当時の正月に掲載したので、そこん所はお含みください。

 錦札の上に重し代わりに置いてある五円玉は、そのまま貰っておいても良いらしいです。
 きっと御縁(五円)有りますように・・という意味なんでしょう。

 その時は、それを知らなかったので、この五円玉をどうしたモンかと、しばし悩みましたが、そのまま納札箱に入れました。

 そいで、この時の状況は、ホントはちと違っておりまして・・

 ローソク・線香を立てたのは、先達さんと同じ頃でしたが、先達さんの参拝が終わるのを側のベンチで待ってたんです。

 なんせこっちは尺八を吹くので、他の人が参拝してたら、なるべく待つ事にしてましたからなぁ。

 で、先達さんの参拝が終わってワシが本堂へ向かう時に、先達さんがわざわざ教えてくれたんです。

 ワシが尺八を吹いて参拝している間でも、他の参拝客は、その錦札を取らずにそのままになっており、ワシの参拝が終わった時に、せっかく教えてくれたんだから・・と、以後は記事の通りです。


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