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歩き遍路三巡目(逆打ち) 10 裏凡絵強物語
むかあぁぁ~~しぃぃ・・むかし・・そのまた、むかし・・
ある所に、それはそれは親孝行な若者が居りました。
どりくらい親孝行だったかというと、親の言う事を良く聞いて、髪はチャパツとか、ムラサキ色にせず、流行の鼻輪も耳輪もヘソ輪もせず、ゴミのポイ捨てもせず、「かったるい」とか「むかつく」とかいう言葉も言いません。
今時、こんな子供居るんやろか?(^O^)σ
それはそれとして、ある時に母親が、その若者を残して遠い国へ行ってしまいました。
若者は、嘆き悲しみ「オッカアァァ~~・・」と泣いて暮らしておりました。
カワイソーでんなぁ・・・(T_T)
しばらくして風の便りで母親が遠い異国で、物も食べる事ができない生活をしていると聞きました。
そこで「ささいな心配事でも、近くの代官所へお気軽にご相談下さい」という看板を信用し、村のおでぇかん様に相談に行きました。
若 者 「おでえかんさま・・実は・・・その・・」
でぇかん「何じゃ?今年は天候も良いし、豊作じゃからネングは負けられんぞ。」
若 者 「ち・・ちがいますだ・・・それよりも・・。」
でぇかん「じゃから、オラとこの役所も苦しいんじゃ・・わかってくりぃ。
ネングは決めらりた通り、きちんと納めてもらわんと、
こっちの立場つーか・・メンツちゅうもんが有ってのぉ・・」
若 者 「そおじゃなくって・・・オラとこの家の・・・」
でぇかん「おまえの家・・と言っても、おまえはまだ独身じゃろおがあぁ。
「家に帰れば、腹を空かしたカカァと子供が3人口開けて待っとる」と言う泣き落としはアカンぞ。」
若 者「ちがう!!・・っちゅうておろおがぁ・・・」
でぇかん「そんじゃ、何じゃ?・・はよ言え・・
金の相談なら、最初から言ってもアカンぞ」
若 者 「実は・・・」
でぇかん「あっ!!・・わかった!!
お前、嫁さんが欲しいんじゃろ。
先日、越後屋が来て娘のムコに、だれか良い男がおらんかと言うて来とったんじゃ。(^_-)σ
いよぉ~、ニクイねっ!!・・このイロオトコ・・スケコマシ・・
ツネッちゃうから。(^O^)」
若者「ナハハ・・すんまへんねぇ・・
その折には、仲人の方をよろしく・・(^_^;)ポリポリ
ええぃぃ!!・・そおじゃなくって・・・・(-_-;)」
でぇかん「そいじゃ・・何じゃ?・・ワシ忙しいんじゃ・・(-_-)」
若 者「オラとこのオッカアァが、遠い国に住んでるが、
物を食べる事ができない生活しとるらしいですだ。
そこで何とかオッカアァに、腹一杯飯を食わせてやりたく、おでぇかん様のお知恵を拝借してぇと思いまして・・・」
でぇかん「ううむぅぅ・・そちの親孝行のウワサは、それがしの耳にも入っており、
城の出先機関である奉行所に陳情書を提出して、近々表彰してやろおうと思っておったんじゃ。
しかし調べてみると、オッカアの方が・・どおものおぅ・・・
言っちゃあ悪いが、欲深いバサマだったらしくて・・・
それが因果応報ちゅうか・・遠い国で物が食えない生活しとるんじゃ」
若者「そ・・そんなあぁぁ・・・
お・・おでぇかんさまあぁぁ~~~・・・
なにとぞ、お慈悲を~~~・・・(T_T)」
(やっとここまで持ってこれたあぁ~
今までマンネリ化してたもんネ !(^^)!)
でぇかん「ええいぃ・・うるせぇ・・泣くなぁ・・やかましい・・
コラッ!!・・泣きながら鼻水垂らすな・・そこの雑巾で拭け・・
アッ!!・・そんなとこに捨てるな!!・・ひらうな!!・・・食べるんじゃねぇ!!・・
あぁぁ~・・コホン・・・
それではのおぅ・・どおしたら良いか教えてやっから・・・
まず、かの遠い国にツテを持っている、ワシを初めとして、代官所で一生懸命に仕事している人達に対して、宴会を開いてドンチャン騒ぎしなせぇ。
むろんコンパニオンも、多ければ多いほど良い。
その功徳によって、お前のオッカアは、ここで宴会開いたと同じように料理等を食べる事ができる。」
若者「ははあぁぁ~・・ありがとうごぜえますだ。
さっそく、仰せのとおりにいたしますだ。」
でぇかん「そりからのぅ・・・これは、ちと言いにくい事じゃが・・
それ、一回こっきりで終わりにしない方が良い。(^_^;)」
若 者 「はっ?・・・」
でぇかん「ええっと・・オッカアが遠い国へ行って、居なくなった日を元にして
3年・7年・13・17・23・27・・・33年・・50年・100年・・ごとにやんなさい。
もちろん代官所の人を呼ぶのを絶対に忘れずにな。
これを忘れると、せっかくの功徳が無くなるんでな」
若者「しかし・・・そんなに何回も、やると・・ゼニコが・・・(-_-;)」
でぇかん「世間からは、親孝行な子供じゃと誉められるぞ。
オッカアが遠い国で腹をすかしていても、ええんか? (*_*)σ」
素直な若者は、おでぇかんの言う事を信じて何回も宴会をやり、世間からは、なんちゅう親孝行な子供じゃと誉められました。
はっ?・・オッカアは、その功徳により、ほんとに物が食えるようになったか?
そんな事、だれも確かめる事なんか出来ねぇじゃでしょうが・・。(^O^) ナハハハ・・・
おしまい 02/10/01 記載
ご存知と思いますが、この話はお経の「盂蘭盆経」を元にしとります。
中国で作られた偽教と言われながらも、なぜかどの宗派でも、法事等の際には、よぉ~引っ張り出して、皆の衆を前に「おでぇかん様」が恥ずかし気もなくエラソーに話す営業用の教典です。
この盂蘭盆経の話を聞く時は、「おでぇかん様」がどんな顔をしながら話すか、よぉ~く顔を見てやってくんなせぇ、σ(*_*)はそうしました。(^O^) カッカッカッカッカッ・・・・
おでぇかん様に、ダマされんようにね。(^_-)
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