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 歩き遍路三巡目(逆打ち) 14 遠吠え


尺八を携え歩いた四国遍路  H20.12.13 UP


捨て犬の遠吠え

行き倒れ

 本山寺近くの河原に公園があり、そこで車野宿しました。
三坂峠
 前日は、この付近も祭りだったのか、夜遅くまで鉦・太鼓の音や、遠くの家々から大声で話したり、ドナッタリ・叫んだりするのが聞こえましてなぁ・・そいでも寝たけど・・(^_^;)

 この野宿場所へ来る途中の道端に行き倒れがおりましてのぉ。
 あっ・・遍路じゃないんです。

 普通のトッツアンで、ガードレール付近で地面に横になって寝ておられました。
 はい・・フトンも掛けずに・・寒いやろおに・・・。三坂峠

 車はたまに通るけど、知らん顔して行っちゃうし・・・

 σ(*_*)らも、よっぽど、ほっといて行こうかなぁ・・と思ったんですが、現に今、道の隅っことはいえ、車に轢かれるかもしれんような状態の人を見捨てて、後で死んでた・・・となったらイヤだしなぁ。

 エラソーに遍路しとるんじゃ・・と言いふらしてる人間が、こおいうのを見捨てたとなったら、最後まで心に残って後ろめたいやろおなぁ・・と心の中で、真剣に5分ほど考えホンマに悩みました。

 遠くに写真屋の明かりが点いてたので、そこへ行き店のオバハンに

σ(*_*)
「あそこの道端で人が倒れてるので、警察に届けてもらえないでしょうか。
   遍路中の行きづりの者なので、地理がわかりまへんので・・」三坂峠


オバハン
「酒に酔っぱらって、寝てるんじゃないの?」
σ(*_*)
「そんなような気がします。(なんせ祭りやからのぉ)」

オバハン
「きっと○○さんでないかなぁ。
     後で見に行きますから、ええですよ」

σ(*_*)
「そんじゃ、よろしくお願いします。
  (ハラアァァ~・・その○○さんは、近所でも有名な酒飲みで、どこででも寝る人だったのね)」


 その後、食事した後に再びそこを通ったら、行き倒れの人は居ませんでした。
 きっとオバハンが、なんとかしてくれたんでしょう。

犬の遠吠え

 本山寺から観音寺までは、川沿いの土手を歩きます。
 これがまた、田が広々と広がってノドカな良い風景でしてなぁ・・・!(^^)!

三坂峠 ハラッ?・・・川の向こう岸を遍路が歩いてる・・・
 たぶん、この先の橋で道を間違ったんやろおなぁ。
 まぁ・・どっちにしろ本山寺の近くへ行くと思うけど・・・

 観音寺の山門をくぐり階段を上がりきった所にデカイ犬が寝ていました。

 イヤヤのぉ・・・吠えにゃいいけど・・あっ・・遠吠えしおった・・・
 でも、人に向かって吠えないし、噛みつかんようやなぁ。

 休んでる間に越後屋が情報収集して言うには、あの犬は昨晩そこに捨てられたらしく、どおりで昨夜この寺へバイク置きに来た時、犬の遠吠えが聞こえたのでヤヤなぁ~と思ってたんです。
三坂峠
 犬は時々思い出したように「ワオォ~~オォ~~ン」と遠吠えし、寺の人から水を撒かれて追い払われますが、また元の位置に戻って来ます。

 首輪を付けて、大人しい犬のようでしたが老犬でした。

 きっと飼主から捨てられたのも知らず、「ここで待て」という命令を受け、忠実にその場所で、昨夜から動かず飼主が来るのを待っているのでしょう。

 ひたすら飼主を信じて待ち続け、言葉を話す事もできず、涙を流して泣く事もできない犬は、たまに遍路客の中に飼い主が居ないかウロつき探し回り、飼い主を呼ぶ遠吠えの声は、心に染みて憐れみを感じました。

                         02/11/12記載


 

編集後記(捨て犬)

 えっとおぉぉ・・記事内容と写真が一致しておりまへんが、この頃の写真整理がうまく出来ておらず、しょうがなく三坂峠のをアップしました。スンマヘン。

 σ(*_*)は基本的に犬は嫌いなんですが、この記事に書いた飼い主の不人情さや、捨てられた事も知らずに律儀に待ち続ける、この犬の気持ちを考えると、ホンマにこの犬がカワイソーでならんかった。

 人だけでなく、犬からも教えられますなぁ・・・・。

 


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