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遍路日 2011.12.4 掲載日 2012.9.11
車をどこへ置こうかと、出発予定地の「馬越」付近をだいぶウロつき探しました。
何で、そんな中途半端な場所を最初の出発地にするんじゃ、「土庄」付近から巡れば良いのに・・と思われるでしょう、普通のマトモな人ならば・・たぶん・・
これには深いカワイソーな事情がありましてなぁ。
小豆島88箇所霊場の全体行程を眺めて計画すると、島の北側海沿い箇所のバス交通の便があんまり良くありまへん。
その北側箇所を歩いて巡るのに2日間かかると思い、最初の1日で歩ける距離等を目安にすると、この「馬越」付近が良さそうなので出発地に白羽の矢を立てたのです・・矢が黒ずんで、折れかかってるけれど・・・
ちなみに、この日は81番札所が有る「小部」まで行き、翌日はそこから88番「橘」まで行く予定にしています。
他の箇所は、ループ状にして巡ったり、バスがけっこう出ているので何とかなりますが、まずはこの交通の一番不便そうな箇所から、やっつけようと思いましてなぁ。
ん?・・・あんまりカワイソーな事情でも無かったかな。
そんなこんなで、けっきょく「小豆島大観音入口」と書いてある道端付近が駐車場のよおなので、こっそり勝手に置きました。すんまへん。
小豆島88箇所霊場の75番札所「大聖寺」へ向かって歩いてると「小豆島大観音」が、よぉ~見えます。
そお言えば、フェリーで土庄港に入る時に、この観音が白く見えたなぁ。
でも、車を勝手に置かせてもらいながらも、この小豆島大観音には寄りまへんでした。
なんつうか・・・どうも大きいだけが取り得であり、観光目的で作ったのか、何か他の目的が有るのかわからんが、このタグイのモンは、あんまり好きではありまへん。
たぶん設立主旨は、それなりに人を「なるほどなぁ~」とウナラせるような立派な事だと思います。
「馬越岡」集落の中へ入るのが遍路道だろおと思い、せっかく太い車道を歩いてたのに、わざわざ細い集落内の道へ入ったら、わからなくなっちまった。
それでも75番「大聖寺」の屋根が見えるので、無理矢理に狭い道を、その方向へ歩くと、やっと「大聖寺」に着き、素直に広い道を歩いて行けば良かったなぁ。
荷物をベンチに降ろして参拝しようと本堂へ行くと、堂内からオババが鐘を鳴らして経を唱えている声が聞こえたので入らず、境内の写真撮影をして終わるまで時間調整をしました。
「大聖寺」境内には銀杏の黄色い葉が散らばっており、なかなか晩秋の風情があります。
堂内の玄関で参拝しましたが、狭い閉じこもった空間なので尺八の響きは良く、大師堂もあったので、ここでも参拝した。
75番「大聖寺」を出て76番「奥の院・三暁庵」へ向かって少し行くと、道端に遍路石を発見、へえぇぇ・・やっぱり島四国と言われるだけあって、四国と同じでんなぁ。
そこからすぐに「奥の院」と書いてある標識が有り、近くにブロック小屋が有り、物置小屋かな?と思いながら通り過ぎようと思いましたが、中に何かを奉ってあります。
どうせ中には地蔵さんのタグイだろおと思いましたが、入口にはわざわざ説明看板まで設置してあるので、さぞかしカワイソーな伝説が有るんだろおと思い読んでみました。
「お遍路さんへのお知らせ この奥へお参りください
・・・という神様をお祀りしてあります。 特に足の病にごりやくの深い神様です。
どんな難病でも信念を持ってお願いすれば不思議なごりやくを戴けます。・・うんぬん・・」
ふぅ~ん・・わざわざ「お遍路さんへのお知らせ」とまで書いてあるんだから。そのチッコイ祠に入って御神体?を拝見しました。
中はキレイにしてあり、中央の奥には畏れ多い御神体?が・・・うむうぅぅ・・これがそんなに、御利益が有る御神体とは思えんが・・しかし、まぁこれでお陰を頂いた信者の方々も居るよおだしぃ・・と思い、お賽銭だけはあげました。
76番「奥の院・三暁庵」へ行くとジサマが一人で境内を掃き掃除しており、挨拶すると接待所で茶とミカン・イモを出してくれましたが、食べると尺八を吹く時に、ツバが出てくるので先に参拝しました。
参拝が終わり接待所に座って尺八の手入れしようとすると、ジサマが掃除を止めて寄ってきて「それ何?」と聞いて来ます。
うん、これ普通の尺八よりも長いので、いつも何だ?と聞かれるんだよね。
こおやったら音が出るんだよ・・と即席に音の出し方を教え、ジサマに尺八を持たせて吹かせましたが、やっぱり音は出ません。
まぁ・・そんなもんだわねぇ。そんなに簡単に説明を聞いただけで直ぐに音は出ないわなぁ。
休んでいると目の前に「笠松大師お恵みの水」と書いた祠があります。
この庵の縁起を書いた看板には「弘法大師お恵みの水」と書いてあったので、これがそうだと思って、どんな水かな?と見に行ったが、祠の中には水とか井戸らしい雰囲気がありません。
「このお恵みの水って、どこに有るのでっか?」 「そこにあるよ」
「へっ?・・でも、水なんか出てないですけど・・」 「あぁたが居る、下の階段の所に井戸が在るんじゃよ」
言われて行ってみると、階段の下が空洞になっており井戸が隠してあるじゃありまへんか。こいつめぇ・・・こんな所に隠れおってぇ・・(^O^)ワッハハハ・・。 こりゃあぁ聞かないと初めての人は、わかりまへんでぇ。
しばらくジサマと話してから出発しようとすると、接待のために出してあるミカンを「持って行け」と盛んに勧めてくれましたが、荷物が重くなるので礼を言って断りました。
しかし、接待ちゅうもんは絶対に断ったらアカンのだった。
あのジサマに悪い事しちまったなぁ・・と道をトボトボ歩きながら、もんのすごく自責の念にかられた。
恥ずかしながら「YouTube」に尺八独奏「奥州薩慈」を載せており、聞いて頂ければ泣いて喜びます。
当「遍照の響き」ホームページに掲載されている写真がで販売されています。
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