HOME > 遍路・巡礼 > 小豆島88箇所霊場「地図・目次」 > 7 うどん
遍路日 2011.12.4 掲載日 2012.9.19
「大部」近くから銀色に輝く大きな像の頭部が見え、あそこが小豆島88箇所霊場の80番札所「観音寺」だろなぁと想像していたら、やっぱりそうだった。
城壁のような石垣が有り、境内には先程チラッと見えた銀色の像がデェ~ンと座ってます。
山門の所に「うどんの由来」という看板があり、要約すれば
「過去3度寺が火災に遭い、その都度、信者檀家に多大なる負担をしてもらったが、3度目の火災時には再建不能の状態に陥った。
しかし、この窮状に手を差し伸べてくれたのが「遍路」さん達で、おかげで再建する事が出来て、その事を当山が続く永劫末代まで忘れないように、遍路にはウドンを接待する事にした」と書いてあります。
そおかあぁ・・事前にネットで調べた時、ウドンを接待する札所寺が有ると知ってたが、ここがウワサに聞く「うどん接待の寺」だったのかぁ。
そりゃあぁ~近年に何度も火災に遭ったのだから、新築のように新しい寺だわなぁ・・σ(*_*)は、あくどく儲けて新築にしたのかと失礼な事を思っちまったが、すんまへん。
80番「観音寺」境内には、堂前から紐が張って紙がぶら下がっており(一番上の写真)、納札代わりに願意でも書いてあるのかと思ったら「ありがとう」と書いた紙で、後で調べると「ありがとう報恩感謝」という行事があったらしい。
80番「観音寺」境内のベンチに荷物を置いてると、本堂内から住職が「お参りされるならば、一緒に致しますよ。」と声を掛けられた。
えっ?・・σ(*_*)は独自の尺八参拝があるから、どおでもええんだがなぁ・・と思いながら尺八を取り出してると、本堂内からリズミカルな太鼓と般若心経を唱えるのが聞こえ始めました。
山門を上がる時に、目の前を歩いてたオバハンが特別に祈願をお願いしたのじゃろおか?。
本堂へ行くとオバハンが神妙に座っていたので、σ(*_*)もゾウリを脱いで中に入り、オバハンに遠慮して斜め後ろの正面を外して座りました。
久々に本職の坊さんが唱える般若心経は、懐かしいでんなぁ、それに伴い、やっぱりさすが本職・・・太鼓を力強く叩くリズム・強弱が経とうまく一致しており、ホレボレと聞きながら、これは一種の芸術かもしれん。
読経が終わると「別棟でウドンの接待が有るので、食べて行ってください。」と言われたが「すんまへん、ちょっと参拝させてもらいます。」と断って、その場で尺八曲「奥州薩慈」を吹いて参拝しました。
尺八参拝が終わって気がつくと、少し離れた横の方に若いキレイな女性が座っており、寺の若奥さんらしく尺八を誉めてくれ、ウドンの接待を用意してあると言います。
その時に「はい、ありがとさんです」と言い、勧められるまま直ぐにその場へ行けば良かったのですが、いつもの習慣で一度外に出てベンチで尺八の手入れを優先しちまったのですねぇ。
手入れが終わって、それでは御馳走になろうかと別棟へ行く途中で、オバハンがウドンを持って来るのに出会いました。
あちゃあぁぁ~・・・あんまりσ(*_*)が遅いので、わざわざ持ってきてくれたのです、すんまへん。
別棟へ行き、そこでウドンを頂ました。 ごちそうさまでした。
ウドン接待を見ていると、参拝客が来た時点でウドンの準備をして、寺へ来た参拝者全員のために祈祷をし、それが終わった頃、別棟で待たずに食べれるように時間調整していたようです。
それを知らなかったとはいえ、接待する人達にホンマに手間を取らせて悪い事しちまった。
日に何人の参拝客が来るかしらないが、全ての参拝者に対し毎日分け隔て無く、ウドンを接待するというのはタイヘンな事だと思う。
そいでもって、来た参拝客全員のために祈祷する・・しかもタダで・・今時の寺で、このような事をする寺が他にあるだろおか?。
たぶん全国どこを探しても、ここまでしてくれる寺は無く、小豆島の80番札所「観音寺」だけだと思う。
単に「接待」と言うのはたやすいが、実行するとなると、もんのすごく難しい事と思い、あえてそれをやってのけているこの寺はエライ!!、 また期間を決めてだけ実施するのでは無く、毎日続けている事もまたスゴイと思う。
帰り際、本堂に居た住職へ「ごちそうさまでした」と声を掛けました。
ついでに「ここへ来る途中で「山の観音」の看板を見ましたが、この寺の奥の院なのですか?」と聞くと「そうだ」と頷きます。
「看板が有った所は車道で3kmだったが、そこへ行くのには別に遍路道は有るのですか?」
「この寺の裏から遍路道が有り、片道45分はかかるなぁ。うん、今も通れるがキツイぞぉ。 垂直に近い所を行く箇所もある。」と言って掌を垂直に立てます。
「「山の観音」の存在を知らなかったのでコースに入れてなかったが、知ってたら行ってみたかったなぁ。」
「次の「恵門の滝」へ行くのか? 行くならば4時半で寺を閉めるから、今から行けばまだ間に合うんだけど・・」
というのを聞いて、できれば「恵門の滝」を、やっつけておけば翌日のコースは楽になるので礼を言って行く事にしました。
恥ずかしながら「YouTube」に尺八独奏「奥州薩慈」を載せており、聞いて頂ければ泣いて喜びます。
当「遍照の響き」ホームページに掲載されている写真がで販売されています。
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