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遍路日 2011.12.4 掲載日 2012.9.22
ヒーヒー言いながら遍路道を上がり、やっと小豆島88箇所霊場の81番「恵門不動」駐車場へ着くと、そこから長ぁ~い階段が延々と・・・ガアァ~ン・・
よっぽどこの階段の所にリュックを置いて上がろうかと思ったが、現在時刻4時10分。
このままでは帰り道は、途中で暗くなる恐れがあり、寺の人に車で麓まで送ってくれるように頼まなかればアカンかもしれんと思い、ガマンして担いで行きました。
階段を上がって行くと、山門方向へ行くと思われる石階段に「立入禁止」のロープが張ってあり、なに、かまうもんか・・と、よっぽど無視して歩こうかと思ったが、ひょっとしたら落とし穴でも有るかもしれんので、安全策として車道へ行きました。
車道の所には「行場 ミサヲの滝」というのが有り、見てみましたが、言っちゃあぁ悪いが、最近作ったような感じの庭園にチッコイ滝が有る程度で、水量もションボリとしたものでした。
この札所寺は「恵門の滝」とネットなどで言われているが、この滝の事?
「ミサヲの滝」となっているが、この「ミサヲ」と言う意味も、よぉ~わからん、説明書きでも有れば良いんだが・・。
あんまり詮索していると時間が無くなるので車道を行くと、先程の「立入禁止」になっていた山門付近の階段に着き、そこにもロープが張ってあり「鐘楼門の瓦が落ちるから危険」というような事が書いてあった。
晩秋にマッチした赤い山門が有り、それを潜ると再び長い階段が・・ゲッ!!・・・オッチャン、もう疲れてるんやで、この81番「恵門の滝」は長い階段が、よぉ~けい有りますなぁ。
そのうち朱色の櫓造りのような建物が見え始めたので喜んでると、その正面には岩肌に鎖が垂れ下がっており、ここは鎖を伝って崖を上る趣向らしい・・・一応、手摺りも有ったが・・
しかし、この時点で、かなり体力を消耗しており、杖を持って鎖を掴むのは難しく、下手したら転げ落ちて、打ち所が悪かったらアホになっちまうかもしれん。
せめて今ほどのアホさ加減程度を最低限でも維持しておきたいので、これまた安全策として横の階段を上がって行きました。
体力と時間があれば、ゼヒ試してみるのだったが・・
崖岩に沿って「恵門不動」の朱色柱が立ち並び、どこから入るのかなぁ・・と、思いながら行ってみると、窓ガラスに「お参りの皆様へ お猿が入りますので出入りの際には必ず扉を閉めてください」と書いてあります。
おぉぉ・・そお言えば、ネットで下調べした時に「猿が入るから戸を閉めてくれ」と書いてある所があったが、この「恵門不動」の寺だったのか。
後でわかったのですが、「猿が入るから・・」の貼り紙は、この寺だけでなく、山に有る札所寺には、たいていその貼り紙がありました。
小豆島88箇所霊場の81番札所「恵門の滝」に入る前に、先程の鎖行場頂点へ行ってみると、ほぼ垂直でんなぁ。
下の取り付き口が見えまへんでぇ・・良かったなぁ上らなくて、途中で泣いてたかもしれん。
その付近から小道らしいのが岩肌に沿って続いていたので、行場へ続く道かもしれんと思い行ってみました。
ここは手摺りも無く狭い道で、バランスを崩して下へ落っこちるとアホになる程度では済まない箇所なので、慎重に岩に手をやりながら進みます。
岩肌を曲がると、やはり行場へ続く道のよおですが草が茂っており、前方には「通せんぼ」のように木が倒れてるので、その先へは行けない気がするので引き返しました。
この箇所は、ネットでも紹介されてるのを見た事が無いので、その存在さえも世に知らされていないのかもしれん。
四国の45番「岩屋寺」付近に有る、「古岩谷」の切り立った山の岩場も現在は眺めるだけですが、昔は行場だったらしく、今となっては世に知られず限られた人しか知らないからなぁ。
まぁ・・危ない箇所だから、お勧めの場所とは言えず、果たして、「恵門不動」の岩場行場を紹介したのは良かったのか、悪かったのか・・
81番札所「恵門不動」のガラス戸を開けて、貼り紙の通り猿が入らないよおに扉を閉め、赤い絨毯が敷いてある階段が有ります。
階段を上がると、若い坊さんが一人で机に座っており挨拶してから、「ここは4時半で閉めると聞いてます。 申し訳ありませんが、麓へ帰られる時に車で一緒に乗せてもらえないでしょうか」と頼んでみました。
「歩いて来たの?」と聞かれて、アッサリと了解してくれたのでホッとしたが、「アカン」と言われたら、暗くなり始めた山道を、泣きながら降りるところだった。
ついでに「ここは写真撮影OKですか?」と聞くと、アカンと言われるかと思ったが、これまた「カマワン」と言われ、穴ぼこに何が奉ってあるのか簡単に説明してくれました。
聞くまでは、そんなに穴ぼこが沢山有ると思わず、坊さんが座ってた正面の穴ぼこが本尊さんかと思っていましたが、左手の穴ぼこが本尊さんで、一周して戻って来れるようになっているらしい。
「恵門の滝」と聞いてたが、正式名は「恵門之不動」と言うのがホントのよおだが、寺の人は訂正させないのだろおか?
4時半まで時間があったので、護摩壇が有る場所が本尊さんと思い尺八を2曲吹きました。
洞窟内だから響くかと思ったが、構造上なのか、信心が足りんモンが吹くからなのか、思ったほど響かなかった。
参拝し終わると坊さんが「もう暗くなったから、だれも来ないと思うので4時半に出よう。閉める行が有るので、少し待ってくれ。」と言います。
へええぇぇ・・「閉める時の行」つうのが有るんだぁ・・やっぱし、印を結んで仏さんにサヨナラするのかな?、見たかったが失礼になると思い、後ろを付いて行かなかった。
車に乗せてもらうと、堂内ではほとんど必要以外は話さなかった坊さんが、いろいろと話をしてくれます。
「さきほど吹いてたのは尺八か? 自分も趣味で横笛を吹いており、ブラバンもやっていた。」というような話しから始まり、やっぱり尺八を吹いて参拝すると、それがキッカケで話題作りになるんですねぇ。
この「恵門不動」をはじめ「山の観音」「小豆島大観音」も、80番「観音寺」が管理しているのも初めて知った。
気になっていた、鎖行場から通じる岩場行場の事を聞くと「行った事がないので知らない」と言いましたが、危ないので存在を公表してないのかもしれない。
上る時はヒーコラ言いながら来た道を、車では10分ほどで麓に着きました。
「大部」付近ならば帰り道だから送ると言ってくれましたが、それよりも遠い「小豆島大観音」に車を置いてあるので断り、「小部」バス停で降ろしてもらいました。
81番「恵門不動」から遍路道を歩いて帰ってたら、鼻水を滴らせ、バス時刻を気にしながら歩きつつ、暗くなって心細さのあまり泣きながら来ただろなぁ。
暗くて寒い中をバス停で40分ほど待ち、やっと来たバスには乗客はだれもいません。
途中、運転手から「どこまで?」と聞かれて少し話しをし、やっと「馬越」から若いネーチャンが一人だけ乗ったが、バス会社は赤字だろなぁ。
恥ずかしながら「YouTube」に尺八独奏「奥州薩慈」を載せており、聞いて頂ければ泣いて喜びます。
当「遍照の響き」ホームページに掲載されている写真がで販売されています。
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