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遍路日 2011.12.6 掲載日 2012.10.18
朝早く「草壁」からバスに乗って「橘」まで行き、バス停近くの小豆島88箇所霊場の88番札所「楠霊庵」へ行きました。
朝早いためか、だれもおらず、しかも非常に寒く、いかに瀬戸内海と言えども、さすが12月だもんねぇ。
88番「楠霊庵」は石垣を組んだ階段の上に有り、境内からは昨日、暗い中を鼻水垂らして、すすり上げながらトボトボ歩いてた来た道が見えます。
「楠霊庵」縁側に座布団を敷いたタクアン石のような物が置いてあり、その前に茶碗と栗が供えてあります。
説明書きも何も無かったので、わかりまへんが、わざわざ座布団を二枚重ねに敷いてあるもんだから、寺の存亡に関わるほどの重要な何かの云われが有るんでしょう。
これがもし何の云われも無く、そこらの海岸で拾って来た「単なる石」だったら「おおいぃぃ・・山田くうぅ~ん、そのザブトン全部、取っ払っちまえ!!」と司会者から言われると思う。
ネットで探しても、わからなかったので、だれかこの石の云われを知ってたら教えてね。
88番「楠霊庵」の濡れ縁には、板の節穴を利用したのか、穴が空いちまったので埋め戻したのかわかりまへんが、「タケノコ」の図柄が埋め込んであります。
なかなかの遊び心が有り、筍も上手に出来ており芸術品だと思い、普通の人では、ここまで思いつかないじゃろなぁ。
橘峠を通って草壁へ行くのに国土地理院の1/25000の地図を見ると、警察署近くの信号機付近から山越えできるような道が有ったので、それが橘峠越えの遍路道だと思っていました・・というより「絶対に間違いない」というガンコな固い信念を持ってました。
が・・・念のため「橘」町中を歩いてる時に、早朝児童登校のため交通安全用の黄色の旗やら帽子を被っている4・5人のトッツアンに聞きました。
「あのおぉ~・・草壁へ行く山道は、そこの信号機のある道を上がれば良いのてしょうか?」
「えっ?・・草壁ならば、この道を真っ直ぐに行けばトンネルがあるから・・」
「いえ・・県道ではなく、昔ながらの山道を歩きたいんですが・・・」と、失礼ながらも「遍路道」という専門用語を知らないかもしれんと思い、あえて「昔ながらの山道」という表現をしました。
「それならば、ここから200mほど行った所に看板みたい物が有ったから、そこから上るんだよ。」
ん?・・・どうも思ってる場所とは違う、別の道が有るようだ。
なんせガンコジジイなもんだから、教えてくれたトッツアンの方が勘違いしてるのでは・・と思いながら、100mほど歩いた所で再び交通安全のトッツアンに聞くと「あぁ・・遍路道か。もっと先に看板があるよ。」
さすがに自分ではそう思っていないが、家で下女をしている越後屋から「ガンコだ」といつも言われてイジメられているジジイでも、ここまで言われちゃったら、別の道が有ると認めないとアカンわなぁ。
しかもハッキリと「遍路道」とまで言われちゃったんだから・・・
昨日、知らずに人に聞かぬまま、ガンコに思ってた道を行ってたら、ドエライ事になる所で、昨夕歩かなくて良かった。
さらに50mほど歩いたらオバハンが居たので、再び聞くと「向こうのゴミ捨て場の所に看板があるから、そこの階段を上がって行くんだよ」と教えてくれ、ヒマだったのか話しながら一緒に歩いてくれました。
山側に墓が有る所で立ち止まり「ここに88番の奥の院が有り、無人で、何も無いけれど、どうする?」と聞かれ、そこで改めて付近を見れば道端に「奥の院」の石標が有り、オッチャン、言われるまでわからんかったでぇ。(^O^)ナハハハハ・・・
この「奥の院」の存在は知らなかったなぁ、距離を聞くと「100mほど・・・」
何も無い、無人の庵かぁ・・見ればかなりの坂道だしぃ・・これから、どれほどのキツサが有るのか、わからん橘峠を越えるしぃ・・・と、否定的な事が頭をよぎったので行くのを止めました。
ゴミが荒らされないように漁網が掛かってる所に、山へ上がる階段に橘峠越えの遍路標識が有り、オバハンに厚く礼を言って別れました。
やっぱし初めての土地では、積極的に土地の人と挨拶・会話してみるもんだと、つくづく思った。
階段には水色の手摺りが付いて、山の中腹付近まで続おり、その後は山道。
ちなみに昨日までは一人で歩いてましたが、今日からは下女の越後屋が、無理矢理どうしてもこおしても・・と言って同行しています。
同行しなくても良いのにぃ・・チェッ・・(言うと叱られるから、心の中で)。
橘峠越えの山道はキレイに整備されており、迷う事はありまへん。
橘峠付近にお堂があり、きれいに掃除してあり箒とチリトリも掛かっており、だれかここまで上がって、わざわざ掃除をしに来るのでしょうか。
道を歩いてると四国「鯖大師」さんの遍路札を見つけ、へえぇ~・・懐かしいなぁ、ここも歩かれたのかぁ。
恥ずかしながら「YouTube」に尺八独奏「奥州薩慈」を載せており、聞いて頂ければ泣いて喜びます。
当「遍照の響き」ホームページに掲載されている写真がで販売されています。
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