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遍路日 2011.12.11 掲載日 2013.1.18
朝8時頃、「池田」の某公共施設の駐車場に、黙って勝手に車を置いて小豆島88箇所霊場の38番札所「光明寺」へ出発。
38番「光明寺」が、あまりにも近過ぎて、うっかり通り過ぎる所だった。
朝早いためか「光明寺」本堂の扉が閉まってるので、越後屋が開くかな?と思って扉の片方を開けてみると、すんなり開き、中に障子戸が閉まっていてその白さが目立ちます。
その障子を少しだけ開けて、外から堂内に向かって尺八を吹いて参拝し、また障子戸だけを閉めておきました。
その後すぐに住職さんが、片方しか遠慮して開けてなかった扉を開けに来て、たぶん奥に居て尺八の音が聞こえたので、曲が終わるのを待って開けに来たように思う。
すんまへんねぇ、朝早くから来ちまって・・・
「光明寺」境内の看板に「天井絵 百花図」の事が書いてあったので「拝見させてもらえますか」と聞くと「どうぞ見て行ってください。内陣の天井です」と親切に場所まで教えてくれました。
聞かないと、どこに有るか、たぶん分からなかったじゃろなぁ。
拝見し終わって「光明寺」を出る時に戸を開けたままだと、ネコなどが入るとマズイだろおと思い、障子だけを閉めて出ましたが、それで良かったのかな。
ビシッと貼ってあるキレイな障子の白さが、朝日に映えて印象に残りました。
次の39番「松風庵」は、ズハリ墓地の中に有りました。
「松風庵」前には椅子が並べてあり、映画でも見るような客席風です。
堂内は狭い場所だったためか、尺八の響きは良かった。
次の35番「林庵」へ行く時、遍路標識が逆方向への道標になっていたので道に迷った。
まぁ、今日歩いてる遍路コースは、「39番→35番」と確かに逆の番号順にたどっている、いわゆる「逆打ち」のような感じだから難しいわなぁ。
住宅街の三叉路で、どちらへ行けばわからなかったので、すぐ近くの庭で焚き火をしている人に「林庵へ行くには、どの方向へ行けば良いのでしょうか?」
「さあぁ~・・・林庵なんて知らんなぁ。うちのバアさんならば、知ってるかもしれんから呼んで来い」と側に居る息子らしいのに言いつけます。
地図本を見て「井上誠耕園というのは、どの辺ですか?」 「そりゃぁぁ~、すぐそこだ」と、ビニールハウスの所を指します。
ちょうどビニールハウスから男の人が出て来たので「あの人に聞けばわかると思う。」と言うので聞きに行きましたが、せっかく息子が家のバアさんを呼びに行ったのに、そっちの方はどうなるのか・・・と、ちと心配した。
男の人に聞くと、「そこの道を真っ直ぐ行けば、看板が有る」と教えてくれました。
バアさんは出て来なかったけれど、焚き火している人に礼を言いましたが、この付近の人でも「林庵」と言っても、わからんのかなぁ。
道なりに行くと四つ辻に「林庵」への「指差し看板」が有り、よっしゃあぁ~・・とその指差してる方向の道を行くと見晴らしの良い病院が有る場所に出て、この先には、どうも「林庵」が有るような雰囲気とは思えん。
国土地理院の地図と見比べながら考えると、もう少し山側に「林庵」が有るような気がするんだが・・
今まで先頭を歩いてた越後屋が「実は・・指差し看板の所に地蔵さんが有り、ホントはその方向へ真っ直ぐ行こうかと思った。」と言い始めます。
あちゃあぁ~・・そりゃあぁ、そこの場所だなぁ・・と思い引き返しました。
旧道・遍路道では、たいてい分かれ道付近に地蔵さんが有るのも一つのポイントです。
戻ってみると「指差し看板」は折れており、石垣に立て掛けて有るだけで、こりゃあぁ・・・・車の人も間違うでぇ。
見えていた地蔵さんの所まで行くと、人家の細い道にも地蔵さんが有るのを見つけ、それをたどって行くと無事に35番「林庵」に着きました。
35番「林庵」の境内には、地元の人が4・5人居ます。
オババの中に混じってジジ一人、若い女性一人が掃除しており、祭りでも有るのかと思い 「何か有るのですか?」 「月に一度の掃除当番だ」
「林庵」境内からは「池田」の町が見え、先程の間違って近くまで行った病院も見えます。
どこの世界でもそうだが、オババの声がヤカマシイ・・・オババの一人が仕切っており、ジジと若い女の人に指示しています。
それでも「林庵」庵内に入って尺八参拝すると、オババが茶と煎餅を出してくれ、皆にも「茶にしよう」と言って集まって来ました。
若い女の人はトシヨリ連中の中で、ただ一人だから、もんのすごく気を遣うじゃろなぁ・・下手したらオババ共に、ヨメイビリのような事されるかもしれんしなぁ。
ジサマが話しかけて来て 「ここの賽銭箱、盗まれた事あるんじゃ。 (オババ達に向かって)そお言えば、ここに置いてある人形、前よりも増えてねえか?」 「ありゃあぁ~、そおじゃねぇ。」
見れば入口付近に、キュピーちゃん達と共に、まだキレイな人形が沢山奉納して有ります。
先程のバサマに遍路道を聞くと「この庵の横の道を行けば良い」と言ってたが、ホンマにそうかなぁ。
ボケて違う場所と勘違いしてないだろなぁと思って、念のためジサマに再確認すると「墓の道を通って、あの鉄塔の所から遍路道が有る」と言います。
おぉぉ、やっぱり言う事が違うでぇ。
「先程、オババは庵の横道を行けと言われたが・・」 「あぁ、それでも行けるよ、同じ所へ出る」
すまん、オババ疑って・・・「林庵」の細い横道を行きました。
恥ずかしながら「YouTube」に尺八独奏「奥州薩慈」を載せており、聞いて頂ければ泣いて喜びます。
当「遍照の響き」ホームページに掲載されている写真がで販売されています。
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