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 尺八を携え歩いた秩父34箇所観音霊場巡礼記 H18.11.20 UP


尺八と「聖浄の滝」魚影の極意/秩父34観音霊場記(31番「観音院」)

聖浄の滝(31番「観音院」)での尺八

 秩父34観音霊場の31番札所「観音院・東奥の院」から境内へ戻る途中、観音院・境内に居るオバハン達の話し声が良く聞こえました。聖浄の滝・滝壺、観音院、尺八を携え歩いた秩父34箇所観音霊場巡礼記

 きっと「聖浄の滝」付近で話しており、滝の岩面で声が反射して遠くまで聞こえるんじゃろなぁと思いながら行ってみると、やっぱし滝の所でオバハン二人が話してます。

 ここで尺八吹くと音が反射してホールのように聞こえるかもしれんと思い、早くオハハン達が、どっかへ行かないかと待ち続け、やっとどっかへ行った時に滝壺付近で尺八を吹いてみました。

 いつものように目を閉じ吹いてみましたが、今一つ思ったような感じではなかったので、場所が悪いのかもしれんと思い、もう一歩だけ滝に近寄り二曲目を吹き、今度は何気なく滝壺で泳いでいる三匹の魚群を見ながら吹きました。

 三匹の魚はグルグルと大きな円を描きながら泳いでおります。
 後になり・・先になり・・ヒラリと体を交わしたり・・・観音院・境内、尺八を携え歩いた秩父34箇所観音霊場巡礼記

 尺八を吹きながら魚影を見ていると、その魚達と一緒に水の中を泳ぎながら尺八を吹いてるような気持ちになり、そのうち魚がヒラリと動いた瞬間、自分も一緒に同時にヒラリと動いた気持ちになりました。

 吹き終わった時、一曲目よりも「リキミ」が無く、自然に吹けたような気がしたので、この後で越後屋に聞いてみると、やはり二曲目の方が、だんぜん良かったと言います。

 ううむうぅぅ・・今までは目を閉じて世間の「色」を絶って吹いてたが、今のように目を開けて吹いた方が、魚の気持ちというか「魚と同じに成りきった」状態になり、自然と一体になれるのかもしれない。

 歩き四国遍路をして教わった「自然と一体になった時」という極意は、こおいう実感の事を言ってたのかもしれず、あれから5年近くの年月が過ぎ去り、やっと今ここで、そのヒントを得たような気がします。

 越後屋の所へ行くと、一人のバサマと話しており、σ(*_*)の顔を見るなりバサマが尺八を誉めてくれました。尺八を携え歩いた秩父34箇所観音霊場巡礼記2

 「ワタシの夫や、その父も尺八を吹いて作っておるが、唄口の箇所が難しいと言ってた。」

 おぉぉ・・二代続けての尺八製管師か・・聞いて見ると地元の人で、すぐ近くに住んでると言います。

 「昨年だか一昨年に、テレビや新聞に尺八を吹いて札所を巡っていた人が出ていたけれど、あれはアンタだったかいのおぅ? 自分も4番札所で、その人を見たんだが・・・」

 ほほおぉぉ・・σ(*_*)と同じ物好き・・あっ違う・・σ(*_*)と違って、立派な人が居るんやなぁ。

 「いえ、札所を巡って吹いてますが、報道関係には会った事が無いので、σ(*_*)ではありまへん。その人は、どんなカッコウしてましたか?」

 「あんたさんのように、深い笠を被ってましたがなぁ。」
 まさか遍路笠じゃねえと思うが、天蓋の事かな?

 「着てる物は、どんなのでしたか?(着物の色を聞いたつもり)」
 「あんたと同じ、こんなの着てはったでえ。(と、作務衣を指差す)」黒海土橋、尺八を携え歩いた秩父34箇所観音霊場巡礼記

 えっ!?・・まさか天蓋を被って作務衣は着ないと思い、たぶん正式な虚無僧姿だと思うが・・襟袖があるからバサマの勘違いでは?・・と思ったけれど突っ込んで聞かなかった。

 なんせ耳が遠いらしく、話がよぉ~通じない事があったもんで・・・

 「私、俳句やってましてねぇ・・(と、しばらく俳句自慢)」

 あっ・・悪いけど、σ(*_*)あんまり俳句には興味が無いんやけどなぁ・・と思いながら、その自慢話を「はいはい・・・」と黙って聞いていました。 σ(*_*)トシヨリに優しいから・・

 「今、吹いておられたのは観音様の曲ですかいのおぅ?」

 今までもよぉ~「その曲は、般若心経か?」とか「お経か?」と聞かれた事があるが、場所柄そんなに風に聞こえるんやろねぇ。尺八を携え歩いた秩父34箇所観音霊場巡礼記3

 「いえ、違います、尺八の曲です。」

 曲名を教えてくれというので、曲名の漢字と読みを教えると、今度はその字を書いてくれとノートを差し出します。

 弱ったなぁ・・自慢する程の事でもないんだけど・・σ(*_*)は小学校の時から字が汚く、クラス全員の習字を後ろの壁に貼られた時、どう贔屓目に見ても自分はクラスで一番下手クソで、恥ずかしいから早く外してくれんかなぁと心底思った事が有ります。

 しかし、そんな事を言ってもアカンので、精一杯キレイな字で書いたつもりだが、やっぱりどう見ても汚い字だった。

 「良い曲名ですねぇ、俳句に使わせてもらいます」

 まぁ、確かに言われてみれば、俳句の語句にサラリと入れると良い感じですわなぁ、ちなみに曲名は「心月」でした。

 ついでにσ(*_*)の遍路笠に書いてある字を見て、これも良い字だと、すんごく誉めてくれましたが、笠は買った時から字が書いてあったので、σ(*_*)が書いた字じゃないんだけど・・、でも、耳が遠いらしいので、説明がややこしくなるから黙っていた。(^O^)

 31番札所「観音院」を出て小鹿野町方向へ歩いてると、バサマが車の中から手を振ったのがわかったのでσ(*_*)も手を振り、一期一会ですなぁ。

童謡(観音茶屋)

 歩いてる途中の「観音茶屋」で昼食にしました。

 朝方、店の前を通ったらネーチャンが愛想良く「お帰りの時には、ぜひお立ち寄りを・・(ハァ~ト)」と言ってたので、その愛想の良い声と色香に迷い・・ついつい釣られて・・・(^O^)尺八を携え歩いた秩父34箇所観音霊場巡礼記4

 「ずいぶん遅かったですねえ(ハァ~ト)」と言うので、「奥の院」を巡ってゆっくりしていた事を話しました。

 店は閑古鳥が鳴いており、そいでもって、せっかく朝方にハァ~ト入りの声を掛けてエサを撒き、カモが来るのが遅いもんだから、店員さんは内心スッポかされたんじゃねぇかと心配してたと思う。

 店内には童謡のメロディが流れており、題名は忘れましたが「・・いつも学校へ、みよちゃんと、ランドセルしょって元気良く・・・・」という曲が、なぜか店を出てからも盛んに思い出され、自然に口ずさみながら歩きましたが、もう、あの時代には戻れまへんなぁ。


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 恥ずかしながら「YouTube」に尺八独奏「五木の子守唄」を載せており、聞いて頂ければ泣いて喜びます

 当「遍照の響き」ホームページに掲載されている写真がpixtaで販売されています。


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