HOME > 尺八関係 > 虚無僧寺「目次」 > 5 伊豆 瀧源寺
H20.11.14 UP
尺八の古典本曲に「滝落」という曲があり、虚無僧関係に興味の有る人ならば、「おぉぉ・・あれか・・」というほど有名な曲で、たぶん知らない人はいないでしょう。
そいで、尺八と関係無い人で、そんな曲なんか知らねえよという人でも、「滝落」という題名から「滝より水が流れ落ちる風情を表しとるんじゃろなぁ」と勝手に想像してくれると思います・・たぶん。
この秋に、その「滝落」曲の発祥地と言われてる伊豆「瀧源寺」へ行ってきました。
滝源寺の場所は、伊豆半島の中心付近(修善寺町大平:現在は伊豆市になってます)の山の中・・・
さぞかし昼なお暗い深い森の山道を歩いて、崩れかけた寺でも有るんじゃねぇかと思いながら、国道414号線を下田方面に向かって車を走らせていたと思いなせぇ。
修善寺町を過ぎた付近から、確か道端に「旭滝」の案内看板が出ていると聞いたが・・・と思いながら走ると、「あっ、何か看板が有った」と助手席の越後屋が言ってる間に通り過ぎちまった。
引き返すと「旭滝入口」と書いた押しボタン式信号機の下に、カーブミラーと仲良く「名勝 旭滝 入り口」と書いた看板が立っています。
よかったなぁ・・見つかって・・看板が有る事を知らなかったら探し回って下田まで走っちまったかもしれん。
ネットで調べるとこの入口の場所は、わかりにくい場所で行き過ぎる人が多いらしく、確かにわかりにくい場所ですが一度行けばわかると思う。
行く目印とするならば、信号機に注意して、道路に面して広い駐車場が有る「大平公民館」と「消防ポンプ小屋」が並んでいる箇所を目印にしてくんなせぇ。
その付近に「名勝 旭滝 入口」という看板があれば、バッチリです。
消防ポンプ小屋の脇道を少し行くと、大平神社の鳥居に突き当たります。
だいじょうぶ一本道なので迷いまへんがなぁ。
「大平神社」鳥居付近で車を降りて、「旭滝へは神社の脇を行く」と聞いていたが・・神社の階段を上った境内の脇なんじゃろか?・・キツイなぁ・・と思って、付近を探すと境界標のような小さい四角の石に「旭滝 →」と彫ってあり、神社の階段を上がらなくても良かった。
小さい橋を渡ると公園に整備されており、フラフラ歩いてると東屋付近から旭滝が見えます。
小さい滝だと聞いてましたが、想像以上に大きい滝だったので、思わず「おおぉぉぉ・・!!」と感嘆の声を発しちゃった。
けっこう落差の有る大きい滝ですが、残念ながら水量が足りないため、轟々と流れ落ちる滝とは、精一杯無理したお世辞でも、ちと言いにくい。
チョロチョロと流れている滝というのが素直な感想ですが、ここ最近は、どこの滝も水量が少なくなってきているようですねぇ。
四国の慈願寺「灌頂の滝」、建治寺の滝、星の岩屋「裏見の滝」etc・・いずれも水量が少なかった。
昔は、もっと水量が多く堂々とした滝だったと思います。
以前、この旭滝全体は木々に遮られて見れなかったらしいですが、最近は旭滝付近の木が崩れたのか倒れたらしく、今は滝の全体が見られるようになったそうです。
右手の石橋を渡った階段の高台が、虚無僧が住んでいた「瀧源寺」の跡地らしいです。
案内板には観音堂が有ったとも書いてあったので、観音堂が「瀧源寺」という名前だったのか、観音堂が別に同じ敷地内に有ったのかは、わかりまへん。
何人の虚無僧が居住していたのか、わかりまへんが、敷地規模からみても、多くても数人で他に居住区が有ったのならば別ですが10人以上は無理じゃないかなぁ。
感じとしては、この敷地の広さでは一人または二人のような気がする。
ええですなぁ・・こんな環境の中で堂守として、一人で尺八吹いて暮らせるのは・・・・
ちなみに一説によりますと、狩野川で鮎の習性を見て「鮎の友釣り」の仕掛けを考えた人が、この「滝落」の曲を作った人だそうで、そりゃあぁ~・・ヒマだから滝を見ながら一曲作っちゃおうかなぁ・・という感じにもなるでしょう。
今は単なる草地だけが広がり堂跡と思われる物は何も無く、昔の面影を残しているのは、崩れ掛かった小さな石垣のみです。
高台に上がった左側に、滝へ向かっての散策路が整備されており、その入り口付近に数基の古い墓があり、看板には「虚無僧の墓碑」と書いてありました。
歴代堂主の墓なんでしょうねぇ・・・その一つの墓名を何とか無理して読むと「富寺 八世○山志定和尚(○字は読めない)」と書いてあるようです。
家に帰ってから「鮎の友釣り」で検索すると「法山志定」という名前がヒットしましたので、あるいは、この名前が正しいのかもしれまへん。
知らず偶然にも「滝落」作曲者の墓前を見つけたとは、これも何かの御縁でしょうか・・・
もし、あれだったら、お力をお借し頂き、尺八が上達しますように・・・
もうすでに遅いけれど・・ナモナモ・・・
散策路を旭滝まで歩くと、不動明王を彫った石仏が三体有り、たいてい大きい滝の側には不動明王が有り、ここも修験道の人たちの行場だったのでしょう。
散策路を歩きながら滝を眺め、この旭滝も昔は水量がもっと多かったのだろうと思い、それをイメージしながら「滝落」の曲を口笛で吹いてみました・・・尺八を持ってこなかったもんで・・
滝の上流から下流まで・・・・あるいは水際まで降りて各所の流れをゆっくり眺め・・また、滝を見上げ・・・
曲のこのフレーズは、この箇所を表現しとるんかもしれんなぁ・・と思いながら口笛を吹いてると、やっぱり「滝落」の曲は、この旭滝の流れを表現しているようにも思います。
全国各地に大小多数の滝が有りますが、今まで見てきた他の滝を思い出しても、この「滝落」曲の表現にはならず、別の表現の曲になっちまうような気がする。
曲の題名は、決していいかげんに、カッコええから適当に付けちゃえ・・というものでは無く、そこには何らかの曲に対する意図・思いがあったように思う。
もっとも、これはσ(*_*)だけの個人的な思いであり、他の人は、そんな事ねぇよ・・と言うかもしれまへん。
「滝落」の曲もホントは他の滝で、伝説とは違う別のだれかが作曲したのかもしれません。
しかし、まぁ一度行って「滝落」曲のイメージに合うかどうか試してみてくんなせぇ。
σ(*_*)は、曲のイメージに合ってるように思います。
大平神社の案内板と旭滝付近にある石碑内容を読んで考察すると、明治の廃仏毀釈で瀧源寺が無くなった後、大正2年頃に大平神社再建と同時に、ここは公園化されちまったようです。
公園の東屋付近や「瀧落之曲 発祥地」の石碑が建ってた敷地付近には、場所的に何らかの施設が有ったような気がします。
公園化されちまって整然としていますが、何かいかにも「作りました」という感じになっちまい、σ(*_*)としては、もおちっと荒れ果てても良いから、昔のままの風情を残して「寂び」の部分が有っても良い気がする。
だれも来ないかと思ってましたが、σ(*_*)が居る間に老夫婦連れとタクシーに乗った3人のオバチャンが来ました。
大平神社入り口付近から寺の屋根らしいのが見えたので、ひょっとしたら瀧源寺の本尊さんが置いてある「金龍院」かと思って行ってみましたら、やはりそうでした。
「金龍院」本堂入り口には、なぜか杖が置いてありましてなぁ・・・
その杖に「行雲流水」と書いて有り、蔓の植物が絡ませてあり、なかなか良い感じです。
拝見したところ禅宗の寺のようでありますが、信心が足りんモンなので、あえて本尊さんを見せてくれとは言いまへんでした。
恥ずかしながら「YouTube」に尺八曲「手向」を載せており、聞いて頂ければ泣いて喜びます。
当「遍照の響き」ホームページに掲載されている写真がで販売されています。
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