滝沢不動滝と尺八の音/会津33観音霊場
不動川林道
先日訪れた「旧滝沢本陣」の前を通り過ぎ、やや坂道を上り、さらに進むともっと急坂になり、完全に自転車を押し歩きます。
「不動川林道」の標識のある山道を進むと、会津白虎隊が殿様より激励を受けて滝沢本陣を出発して滝沢峠へ向かった、小さな分かれ道も途中に有りました。
不動川林道はジャリ道で、車幅の広さが有り迷うような道ではありまへん。
18番「滝沢観音」
しばらく行くと道端に「南無不動明王」の赤い幟が数本立ち、そこより谷へ降りる細い階段道があり、側には新しい小さいに石碑に「第18番観世音菩薩 不動尊 白糸神社 北向稲荷神社 参道」と彫ってあります。
階段を下りてしばらく行くと「南無何とか・・」と書いた赤い幟が、谷川に沿った小道に立ち並んでおり、やがて滝と小屋が見え、小屋は滝行をするため着替えをする小屋なんでしょうなぁ。
滝沢不動滝は、そんなに大きい滝ではありませんでしたが、水量が有って小さいながらも見応えの有る良い滝です。
滝を背にして白糸神社が有り、付近には不動明王の石仏が有ります。
この滝の名前は「滝沢不動滝」と言うらしく、川向こうには「不動尊」と「滝沢観音堂」が奉ってあります。
18番「滝沢観音堂」で尺八参拝してから、滝壺近くで滝に向かって尺八を五曲吹きました。
小さい滝ながらも轟々と落ちる自然の底力の響きが有り、その音に負けて尺八の音が消されがちになり、尺八の音がもんのすごくチッポケで軽い音に聞こえます。
自然と一体になるとか・・・自然に溶け込む・・・そんな立派な事は、今のσ(*_*)には、とても恥ずかしくて言えない音です。
完全に自然の音に負けて、自然から尺八の音が浮いており、やっぱし自然には、かなわんなぁ・・・という事を、痛切に思い知らされました。
四国遍路で出会った「庵の坊さん」が教えてくれた、
「自然の中で尺八を吹いてみろ、何かがわかるかもしれん」という言葉は、自分のように独学修練する者にとっては実に的確な言葉で、自分の未熟さに気付かされる意味深い言葉だと思う。
雰囲気的にも良い場所だったので、1時間ほど尺八を吹きましたが、時間が有れば、もっとゆっくりしたい場所でした。
帰る時、信心の足りんσ(*_*)でさえも、滝沢不動滝に向かって感謝の意を込めて、素直に柏手を打ち頭を下げる事ができ、もし神霊が居るならば、こおいう場所に居ると思う。
白虎隊
この原稿を書いている時、「滝沢不動滝」関係をネットで調べてみると、白虎隊が官軍と戦闘となり若松城へ退却する際に、山越えをしてこの滝の上部付近まで落ち延びて来たらしいですなぁ。
白虎隊員達は、やっと見覚えの有る「滝沢不動滝」の地に着いてホッとしたらしいが、その時までには戦闘の混乱と、草木を掻き分けて山越えをしたので、かなり集団がバラバラになってたそうです。
そおじゃろねぇ・・σ(*_*)もキノコ採りやゼンマイ採りで山に入りますが、常に周囲を確認して自分の現在位置を確認しながら山へ入らないと、山の中では、たった10数m離れた場所でも全く別の位置に居る感じがします。
白虎隊員たちが迷子になるのも仕方がないでしょう。
しかし、ホッとしたのも束の間、白虎隊はここでも攻撃を受け、再び山に入り自刃で有名な飯盛山に続く洞門を通り抜けたそうです。
知らんかったなぁ・・・このような事を前もって知っていたならば、改めて別の感慨を持って尺八を吹いていたかもしれない。
白虎隊員、わずか16・7才・・・・余りにも若いだけに哀れさが感じます。
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恥ずかしながら「YouTube」に尺八独奏「手向」を載せており、聞いて頂ければ泣いて喜びます
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