HOME > 遍路・巡礼 > 「安房34観音霊場」地図と目次 > 4 迷故三界城
2012.5.14 巡礼 2013.2.16 掲載
道の駅「きょなん」を出発し、「勝山」付近で「安房国札34観音霊場」の7番札所「天寧寺」へ行く近道と思われる細い地図の道がわからなかったので県道を行き、川の橋付近で人に聞きました。
7番札所「天寧寺」境内の木を囲ってある柵に「天寧寺御庭番犬 周(しゅう) すみれ」と達筆で書いてあり、犬の墓なのかと思った。
「天寧寺」は新しい寺で、本堂らしくない建物だったが、赤いだるまさんと賽銭箱が置いてあったので、そこが本堂だとわかります。
庭に土方の頭領のような人が見えたので軽く挨拶して尺八参拝したら、途中から戸を開けて本堂の電気を点けてくれました。
すんまへんねぇ・・土方のオヤブンだと間違って・・・なんせ服装が、そんなモンだったもんだから・・。
尺八参拝が終わって礼を言ったら「茶を飲んでいかんか」と言うので、お言葉に甘え付いて行くと、玄関の所には、見るからに強そうで大きなシュパードが3匹、囲いの中をウロついており、先程は犬の墓だと思ったが、ちゃんと生きてたのね。
「天寧寺」玄関前は庭を造ってる最中で、住職さん自ら重機を動かして一人で作ってるらしく、どうりで土方のオヤブンみたいカッコウしてると思った。
なかなか話好きな住職さんで、仏教について話す内容は四国で出会った「庵の坊さん」と同じで、タテマエではなく本音を言います。
「墓を東京へ持って行きたいが、ネットで調べると50万とか100万ほど寺に納めるお金が必要だと書いてあった・・と相談に来たので、ネットで調べたのならば、ネットで聞きなさい。」と答えたそうな。
ちなみに住職さんの言わんとするホントの意味は、金とか金額じゃないよ・・と言う事ですが、さすが禅宗らしい答えをしますねぇ。(^O^)
「修行していた時、禅の問答で「公案」というのが有り、「これは実体のあるものか?」と師に問われ、答えがわからないので、師の前で平伏して、すぐに走って逃げた。だってぇ・・そのまま居たら、殴られるから・・(^O^)」
σ(*_*)が遍路しながら尺八を吹き始めたキッカケを話たり、虚無僧寺の事を話すと、虚無僧寺が存在していたのは知っていたようですが、京都・明暗寺や高岡・国泰寺の事を話すと知らなかったようで、それでも同じ禅宗なので寺名は知ってました。
坊さんがチラシの裏に、ある言葉(忘れた)を書いて、その内容を説明してくれました。
その時、あっ・・これはσ(*_*)が知ってる偈と同じ意味だ・・と思い「四国遍路の笠にも「迷うが故に三界に城有り、悟るが故に十方空、本来東西無し、何処に南北有りや」という偈が書いてあります。
だれかが勝手に決めた、くだらん世間体や物事に、こだわるな・・・という意味だと解釈しています。」と、偈をサラサラと言っちゃったもんだから、住職はえらく感心してくれました。
ついでに「四国遍路していた時に、「既に悟ってしまっている本尊さんに向かって、なぜ悟るための経を唱えるのか、考えてください」と寺に書いてありました。」と言うと「ううむ・・・、それは禅宗だろう?」と言うので、そおかぁ・・禅宗は、このような事を考えさせるのかと、やっとわかった。
「いや、真言宗です」と言って、それに対する自分なりの解釈を言うと、これまたすんごく感心してくれました。
「霊場巡りをして、寺の対応はどうだった?」
「今まで数々の霊場を巡っても、寺の人から声を掛けられることは、あんまり無かったです。
このような尺八をやっているから、珍しがって声を掛けてくれる寺も、たまには有りましたが、しかし、他の人のように単に経を唱えるだけの参拝だったら、おそらく声を掛けられなかったと思います。」
「この寺に参拝者が来たら、「茶でもどうか」と声を掛けるようにしている。 もし他へ行った時にでも、この寺では坊さんが話をしてくれると言い伝えて欲しい。」
おぉぉぉ・・・四国の「庵の坊さん」と同じ考えですなぁ・・もっとも、あの坊さんはネットで知らせると人が一杯来るので、寺を通った縁が有る人だけに話すのが主義だったが・・
でも、このような坊さんが近所に居たら、ヒマだったら毎日でも話しに行くと思い、住職さんと話したいなぁ・・と思われた方は天寧寺を、ぜひ訪ねてください。
決して抹香臭い形式ばった説教ではなく、今を生きるための仏教の本質を語ってくれる、数少ない坊さんの一人だと思います。
たぶん居ないだろなぁ・・と思いながらも、念のために「この付近で、尺八をやっている人は居ますか?」と聞きました。
「館山に慈恩院という禅宗の寺があり、そこには琴の弟子も居て、大したもんらしい。
同じ禅宗で知り合いなので、自分の父の法要の時に尺八を吹いてもらった。はん?・・場所?・・・○○の側だから、そこら付近で聞けば、すぐわかる。
ぜひ、訪ねて行ってみなさい。」
へえぇぇ・・やっぱり、だれか居たんだ・・天寧寺で1時間ほど話をしました。
後日、慈恩院へ訪ねて行きましたが、その話は後ほど・・・。
「安房国札34観音霊場」の10番札所「往生寺」は、いかにも田舎でノドカ・・・という感じがする無人の寺でした。
「往生寺」観音堂の濡れ縁に座って、そこから農村風景を眺めてると、こおいう所でヒマな時に尺八吹いてたら、ええじゃろなぁ。(一番上の写真)
地図に乗ってない新しい道が出来ていたため、「安房国札34観音霊場」の11番札所「金銅寺」が有るく「森」集落を、あやうく通り過ぎそうだったが、かろうじて、もしや・・・と思って地図を確認すると札所「金銅寺」がありました。
やはり、常に自分が今どの位置に居るのか、確かめながら行かないと間違いますねぇ。
階段を上がると小さい堂ながらも、彫刻は立派な物です。
札所「金銅寺」内の柵の中に「幸運の大黒天」と書いた木彫りの像が奉納されており、わざわざ「幸運の・・」と付け足してあるもんだから、宝籤でも当たるとか・・何か云われが有るのでしょうか?・・見た目には、それほど古い像には見えなかったが・・・
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