HOME > 「全国の遍路・巡礼」目次 > 「田名部海辺33観音(下北半島)」地図と目次 > 20 尻 労
尻屋崎へ行く途中に「ゆとりの駐車帯」というのがあり、その日はそこで車中泊しました。
この下北半島には地図に載ってない「ゆとりの駐車帯」というのが、あちこち有るんですねぇ。
この付近には店も人家も無く、夕食は携帯ガスコンロでお湯を沸かし、カップ麺をすすって食べました。
σ(*_*)の車中泊の基本方針は食材を調理しなく、全て現地の食堂またはスーパーで食べ物を買って食事する事にしてます。
が・・たまに時間が無かったり、今回のように近くに店が無い場合も有るので、一応非常用に携帯コンロとラーメンのタグイは積んでいました。
車中泊と言えば、地元の名物を買って何か料理するというのは理想的なんですが、次の2点で基本的には無しにしとります。
1 日中、遍路・巡礼していると、夕食のために調理する時間的余裕が無い。
汗をかくので日帰り湯にも、入らないとアカンしぃ・・
なので店に入り地元名物料理を、少し高くても食べるようにしており、それらしいのが無い場合は、スーパーで買い物と言うことにしてます。
2 調理した後のゴミ始末や食器洗い等が難しい。
トイレ・洗面所の水を使用するのは、もう慣れちまって違和感は全然有りませんが、環境汚染のために食器洗いで洗剤を使用するのは、もんのすごく心が痛みます。
なもんで、今回の場合も残飯を出さず、汁気の物も無理して飲み込み、鍋は新聞紙・テッシュで拭きました。
どうしても出てくるゴミは、給油スタンドで捨ててもらうか、買い物したスーパーで捨てます・・すんまへん。
食事後、上の展望台へ上がってみると津軽海峡で漁をしている「漁り火」が見え、翌朝、再び展望台へ行くと、待望の北海道が薄く見えました。
「ゆとりの駐車帯」は、それほど車の出入りも無く、車中泊には良い場所でしたが、ここら付近の施設の特徴なのかトイレの換気が悪いですねぇ。
換気扇や窓が無く、空気の流動は出入り口の箇所だけで、おかげで、だれかが吸ったタバコの臭いが、ずう~~っ・・・とトイレに籠もってました。
冬に雪や冷気が入るのを防ぐために換気扇等を設置しないのかもしれませんが、下北半島でこのタグイのトイレや施設は、ほとんど換気が悪かった。
すんまへん、タダで使っていながらモンク垂れて・・・でも、出来れば善処してね。
自転車を組み立て「尻労」へ向かって出発。
「袰部」集落付近から風力発電の風車が見え始め、最初は数基かと思ってましたが、そのうち風車群が見え、その規模にスゲエェェ~・・・!!、これだけ有ると、どの程度の電力を発するのかなぁ。
原子力発電所が有る付近に、風力発電というのも何か皮肉に思える。(^O^)
なだらかな坂を自転車を押して歩き、分かれ道付近から今度は下り坂。
ブレーキをかけながら行くと道端に、鳥居とチッコイ祠が有り、その前にやっぱしチッコイ小川が流れています。
それだけだったら通り過ぎたのですが、小川に柄杓が置いてあるのが見えました。
これはヒョットすると、世に知られていない名水・霊水のタグイではないかと思って自転車を降り、さっそく柄杓で小川の水を汲もうとしたら、川にはチッコイ虫が泳いでます。
うむうぅぅ・・・虫が泳いでるという事は、飲んでも良いのがわかるが、今一つ気がすすまんなぁ。
でも、せっかくだから虫が入らないように柄杓をそっと動かして飲んでみると、普通の水と変わらんなぁ。
説明看板も何も無かったので、祠の名前はわかりまへんが、だれかこの祠について知ってる事が有ったら教えてね。
鳥居まで作ってあり、付近の手入れもされているようなので、さぞかし云われの一つも有ると思いましたが、ネットで調べても、この祠の記事は全く見つける事が出来ませんでした。
「NONAME」さんから、コメントを頂きました。(2015.7.11)
あそこは水神林といいます。
結構、指折りの湧水でして汲みに来ている方もおりました。
最近は祠が新しくなりまして水神様も喜んでおられるでしょう。
「尻労」集落に入る手前に広大な砂浜が見えます。
ネットで調べた時、「尻労の砂浜はお勧め」と書いてたのが有り、まさにその通りで、この人工物がほとんど見えない広大なる砂浜を、今の時代まで良く残しておいてくれたと思う。
一カ所だけ、砂浜の中に建物が有り「私有地につき、立入禁止」と看板があったが、こんな所に私有地が有るんかなぁ。
普通、砂浜とか岩場などは、国有地だと思ったが・・・
「尻労」集落の急坂を上り、狭い道に入り込んで郵便局が有り、地図を頼りに田名部海辺33観音の7番札所「池徳院」を探して何とか見つかり、境内では近所の人がコンブを干しています。
「池徳院」堂の前にある錆びた机には、だれが供えたのかヤクルトが2本置いてあり、あんまり長く外に供えておくと悪くなりまっせぇ。
よっぽど、もったいないから飲んじゃおうかなぁ・・と思ったが止めて、尺八を1曲吹いて参拝しました。
せっかく来たのだから「尻労漁港」付近へ行くと、大きな橋がカーブを描いて架かってます。
この橋を再び自転車を押し上げながら歩いて戻って来るのはキツイと思い、漁港まで降りるのはヤンピして橋の入口付近で引き返しました。
「尻屋」と「尻労」はすぐ隣で、その距離はわずか3kmほどしか離れておらず、昔は道が有ったらしく国土地理院の地図にも載っています。
しかしネットで調べた限りでは既に廃道となっており、今も道を探している人がいるようですが、現時点では全くわからないらしい。
σ(*_*)も道が有るならば、歩いてでも通りたかったのだが・・・そのため今来た道を遠回りして「尻屋」まで戻らなければなりません。
言っちゃあぁ失礼だが、下北半島の最果てのような地には、もう来る事もないだろおと思い、この際だからしっかり見ようと海岸へ降りてみると、いかにも日本漁村の原風景的な海岸が有ります。
ウロチョロして写真を撮り、気になっていた岩の上に有る建物を住民の人に聞くと「密漁監視の小屋だったが、今はサーチライトが有る」と言い、ちなみに何が取れるのかと聞くとアワビでした。
行き止まりの村だから、チッコイ村だと失礼な事を想像していたが、予想してたよりも多くの人家が有り大きい村で、洋服屋まで有りました。
今来た道を引き返し、先程の尻労海岸をじっくり散策しました。
尻労砂浜を歩きながら、どこかで見たような風景だなぁ・・と思ってたら、そのうち思い出した。
今はどおなったかわからんが、40数年前に訪れた石川県・内灘海岸もこんな感じでした。
広々とした砂丘と海・・商業的な物が一切無く、松林から砂浜を通って海まで遠かったなぁ。
この時は知りませんでしたが、後でネットで調べると、この砂丘は日本一大きい砂丘だそおで、鳥取砂丘よりも大きいらしい。
この海岸・砂丘が原風景のまま残されていたのは、次の2点だと思います。
1 「地の果て」と言っては失礼だが下北半島の「行き止まり」の箇所で、「尻屋」のように灯台のような有名な物が無かった。
2 この砂丘の向こうの奥、海岸沿いに防衛省の射撃場があるので開発されていない。
ここも隠れた穴場だと思い、「尻屋」へ行く機会が有れば、ぜひ立ち寄ってください。
きっと「おおぉぉぉぉ・・・・!!」と感嘆の声を発せられると思います。
もっとも、あんまり行かれて有名になり過ぎちまい、商業的になっちまうと困るが・・
ちなみに「尻労」と書いて「しりろう」と読むのかと思ってましたが、「しっかり」と読むそうです。
「田名部海辺33観音」霊場を巡っていなかったら、たぶんこんな素晴らしい広大な砂丘へ来る機会は無かったと思う。
「NONAME」さんからのコメント続き(2015.7.11)
尻労の砂丘の砂は鳴き砂と言われてまして、私が幼少の頃は歩くたびにキュッキュッって鳴いていました。
でも、最近は汚れのために鳴かなくなってしまったのです。さみしいです。
地元の人間はあの砂丘を大事にしています。 永く砂丘が残るよう願っています。
なので、あの砂浜に感動して下さったようでとても嬉しかったです。 ありがとうございます。
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