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H16/7/5  UP          熊野古道・町石道


「矢立」の野良犬と会話/熊野古道・町石道を歩く

 ゴルフ場付近、熊野古道・町石道    地蔵堂、熊野古道・町石道     親指地蔵、熊野古道・町石道

 「二つ鳥居」からは下り坂で、トットと歩いてると、「ハラッ!?・・もうゴルフ場へ着いちゃったのね」という感じです。

 「ゴルフ球が飛んで来るので注意」を促す看板付近には、ゴルフ球が数個落ちており、よっぽど下手クソが打ったんやろおなぁ・・・。山道、熊野古道・町石道

 ワシはゴルフをやらない人間なので、よぉ~わかりまへんが、ゴルフ球は高いらしいでんなぁ。

 金に困ったら拾いに来て、どっかで売りさばこうかなぁ~「アンサン・・ええゴルフ球が有りまっせぇ」と、暗がりで声掛けて・・(^O^)

 少し行くと、これまたアッという間に「地蔵堂」へ着き、小さいお堂かと思ってましたが、思ったよりしっかりしたお堂です。

 またまた、小さいお地蔵さんを杉の古株に挟まっているのを発見・・テクテク・・

山道2、熊野古道・町石道  のどかな道、熊野古道・町石道  町石と山道、熊野古道・町石道  峠付近、熊野古道・町石道

 ゴルフ場はけっこう大きいようで、もう見えないと思ったのですが、時々チラチラと広大な敷地が見えます。

 やがて汽車が通る音が聞こえてくる頃、車の騒音も聞こえ、遠くに寺の建物と幟が立っているのが見えました。

 ハレッ?・・あんな所に寺なんか有ったかなぁ?、地図や案内書きには紹介してなかったでぇ・・高野山の下寺なんじゃろか?。まもなく矢立、熊野古道・町石道

 そのうちスピーカーから歌が聞こえ始めたので、高野山も俗化されて観光化されちまったのか・・・と思ってたら右翼の宣伝カーが下の車道を通り過ぎて行きました。

 ほほおぉぉ、右翼も高野山参りするんか、じゃけどそのウルセェ歌声をスピーカから流すの止めんかなぁ・・きっと、鶴田浩二も草場の陰で迷惑して泣いとるでぇ。

 一説によりますと、右翼の騒がしいスピーカ等は、隣国のウットオシイ人達が日本人のフリしてやっているらしく、それによって日章旗=右翼の悪い印象を日本人に植え付けさせているらしい。

 右翼の車が通り過ぎたら、また元の静けさに戻りました。
矢立、熊野古道・町石道
 山道が車道と交わり「矢立」に着いた所に看板が有り、先程見えた寺の由緒書きかと思ったら、すぐ近くの階段を上ると「地蔵堂」があり霊験あらたかだと書いてあります。

 腹が減ってたのと、半年ぶりに歩いたので足が痛かったので行かなかったが、代わりに「矢立茶屋」へ行きました。

 名物の「やきもち」と言うのが有り、話の種に一つ買って食べてみると、うん・・旨いでんなぁ、焼き焦げのような味もして・・・。

 ワシは、あんまりお菓子を食べない人間ですが、ほのかな焦げ味がして美味しいと思った。

 「矢立」店先に大きな木の根っこで作ったテーブルと椅子があったので、用意してきた昼飯を食べていると、どこからか白い野良犬が近寄って来ます。

 わしはあんまり犬が好きでないので、吠えられたり、何か欲しそうな顔して見られると困るので、こっちへ来なけりゃいいんじゃがなぁ。

 そんな心も知らずに野良犬は遠慮がちに近寄り、やっぱり何か欲しそうな二重瞼の目で黙って見ています。

 ううむぅ・・しかたがねぇ・・高野山伝説では白犬と黒犬が案内したというから、少し分けてやるか・・

 食べていたソーセージを少し歯で囓り取り、犬に放り投げてやったら、コロコロと転がって幅の狭い側溝の中に落ちちゃったぁ。「矢立」野良犬、熊野古道・町石道

 犬は、どうしょうかなぁ・・という風に、ワシの顔と側溝の中を見比べた後、口を側溝に入れるのですが、溝が深いためか取れないようで、またワシの顔を見ます。

 しょうがねぇなぁ、せっかくやったんじゃから、ちゃんと食べるんやでぇ・・好き嫌いを言って贅沢にも残しちまったら承知せえへんでぇ・・と思いながら側溝に落ちたソーセージを拾ってやりました。

 犬は、その場で食べずに少し離れた所まで持って行き食べて、また欲しそうな顔しながら来ます。

 「おまぇなぁ・・・あれ1回限りのつもりやったんやでぇ・・世の中、そんなに甘いモンやおまへんでぇ・・ケチなワシが、またくれると思っとるんかいなぁ。」

と野良犬に話し掛けましたが、つぶらな目でジィ~と見るので、仕方なく、またソーセージを囓って近くへ投げてやりました。

 この野良犬は、よっぽど人間から辛い思いをさせられたのか、その場で食べずに必ず少し離れた場所まで持って行って食べます。

 「お前も慈尊院付近で捨てられ、「ゴン」と名付けられ熊野古道・町石道を往復してたら、もう少し幸せな一生を送れたかもしれんのになぁ」「矢立」野良犬2、熊野古道・町石道

 野良犬は、こいつ何を言っとるんじゃ・・という風にジィ~とワシの顔を見てます。

 「相棒の黒犬は、どうした? 居ないんか?」
 と言うと、犬は「ん?」・・という風に顔を傾けます。

 そうしているうちに、車道の反対側からオバハンと首輪付けた太った茶犬が来ました。

 「あっ!!・・あの犬に見つかると吠えられて、イジメられるかもしれんから、早よぉ逃げろ。
 ケンカしたら、どおしても、オマエの方が弱そおで負けるじゃろうからなぁ。
 ほれぇ~・・ボケェ~ッと相手の犬を見てるんでねぇ・・早くどっかへ隠れるんじゃ。」


 茶犬はこちら側へ来ましたが、野良犬には目もくれず、ガソリンスタンドの方へ行き、野良犬も何事もなく見送ります。

 野良犬は、もうエサをくれないと思ったのか、ワシの顔を見てから茶犬の後をトコトコ追いかけました。

 茶犬に近づいても、茶犬は吠えたりケンカしたりせず、あらあぁ・・顔馴染みの犬だったのね。


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 恥ずかしながら「YouTube」に尺八独奏「手向」を載せており、聞いて頂ければ泣いて喜びます

 当「遍照の響き」ホームページに掲載されている写真がpixtaで販売されています。



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