HOME > 紀行文「目次」 > 熊野古道「目次」・伊勢路 >22 蒙古放浪の唄 (八鬼山峠)
熊野古道・伊勢路の八鬼山峠の「十五郎茶屋跡」には東屋の休息所があり、そこで大休息。
キツかったなぁ・・さすが熊野古道、西国一の難所と言われるだけ有ります。
遅れながら、やっと上がって来た越後屋が「やっぱし、明治道の方が良かったあぁぁぁ・・・(T_T)」
「オッカサン・・・それは言わない約束でしょ。(シャボン玉ホリディ風に・・知ってるかな?)」
兵隊さんも八鬼山峠を越えたと麓のバアサンが言ってたが、たぶんその時は「明治道」を通ったんじゃねぇかなぁ、いくら兵隊さんでも、人間心理として楽な道の方へ行きたいやろおしぃ。
「十五郎茶屋跡」から木立の合間に「三木里」方面の海が見えます。
説明看板の「西国三十三所名所図絵」には、ここの茶屋の昔の風景が描いてあり、その絵の中に猿が繋がれて旅人からエサを貰っているのが描かれてます。
まさか、そんな場所が今も残ってねぇじゃろなぁ・・と思いながら付近を見渡すと・・・
おぉぉ~っ!!・・地形から見ると何となく、あの付近に猿が繋がれていたんじゃねぇかと思われる、よぉ~似た場所が有るじゃねぇか・・・この絵図はわりと正確じゃなぁ。
(^O^)
再び出発し、木立から青空が見え頂上近くになったのがわかります。
そのうち芝生がバアアァァッッ~~と広がり、障害物も何も見当たらない広場のテッペンに東屋が見えたので、そこで昼飯にし、「さくらの森エリア」ちゅうらしいです。
スーパーで「鬼まんじゅう」が売っていたので、九鬼という地名も有るし、この付近の名物かと思い買いました。
食べ終わった後でパッケージの製造元を見ると・・あぁぁぁ・・・岐阜県じゃねえかぁぁぁ!!・・ゴォラアァァ~!!、紛らわしいモンを売るんじゃねぇ!!、せっかく期待して三重県の名物だと思って買ったのにぃ・・・
土産店じゃなく地元のスーパーで買ったんだから、モンク言うんじゃねぇ、確認しなかったオメエラが悪いんじゃと言われれば、それまでだが・・・
東屋から見える風景は展望が良いですなぁ、まさに「絶景」という言葉がピッタシ!!
尾鷲湾口・九鬼方面の岬が見えますが、残念ながら三木里方向は木が茂っているため見えませんでした。
だれも居ない広場のベンチで、ゴロ~ンと横になり・・昼食も食ったし・・このまま、ずうっ~と日向ボッコしとりたいなぁ・・・そおも言っとれんので、ほどほどで切り上げて出発。
少し歩くと三木峠茶屋跡に出て、味の有る石仏が三体たたずんでおり、しばらく山道を降り、人家の屋根が見えたと思ったら、茶屋跡と「荒神堂」でした。
先に下りていた越後屋がだれかと話しており、後で聞くと「尾鷲から登って来たが、三木里での汽車時刻がうまく合わないので、ここで引き返す」と言って戻ったそうです。
バアサマが言ってたように荒神堂の扉が開くかなぁ・・と思ったら、越後屋が既に扉を開けてようとしてガンバッテおり、あっ・・σ(*_*)が開けてみたかったのにぃ・・・。
しかし、扉は20cmほどしか開かなく、ワシも開いてみようと試してみましたが、それ以上やると扉が壊れそうなので止めときました。
そんなワケで、荒神堂内に名前を書くノートのようなモンが有ったかどうかわかりまへん。
説明板を見ると、この「荒神堂」は西国一番札所の「前札所」に当たり、昔から有る由緒正しい堂らしいでんなぁ。
ふうむぅ・・そいじゃ、せっかくだから・・と、尺八を吹いて参拝し、吹き終わって堂の階段に座って待っていた越後屋に「どうでしたか?(感想は?)」
「正直に言っていい?(^O^) ニヤリ・・・ヘタァッくそおおぉぉぉ~~!!・・(^O^)キャハハハ・・・家で吹いてるのと全然違ってた。
最初の一曲目はそれほどでも無かったけれど、二曲目のは始めて吹く曲?・・もう、聞くに耐えんかった。」
そおやろねぇ・・吹いてた自分でもわかったもん。
なんせ寒い中を歩いて来たので、指が思うように動かず、吹き始めた瞬間に、「あっ!・・しまった!」と思ったけれどもう遅かった。
二曲目のは暗譜したての「奥州薩慈」で、半音も十分にメリきれんかった事は素直に認める。
「これで金を取るんだったら、金返せと言いたいほどだった。(^O^)ケケケ・・・」
そか・・そこまで言うか(T_T)・・、でも、アンタは世の中で一番正直モンです・・はい・・。
話しは変わりますが、尺八を暗譜で吹いてると、知らず知らずのうちに曲が少しずつ間違った方へ変化してきます。
これは完全に覚えたと思って何度も繰り返して吹いていた曲でも、長期間のうちに何かの拍子で「忘れ」「アヤフヤ」という一瞬の迷いがチラッと出てくるんですなぁ。
そして、そこら辺から間違った「冥府魔道」のオトロシイ道へ転がり込み、家で練習してる時ならば、その都度に楽譜を確認して正せば良いのですが、遍路して歩いてる時にそういう事があると、楽譜を持ち歩いてないのですぐに確認できまへん。
家に帰った時に確認すりゃ、ええんですけど、なんせコンジョナシなので、「まあ、ええや、チョビットぐらい・・」とそのまま、ついつい楽な方へと・・・(^O^)ヘッヘッヘッ・・・
その積み重ねが、現在の間違った曲の結果でごぜえます、笑ってやっておくんなせぇ。(^O^)ワッハッハッハッハッハッ・・・・
どうでもええ恨み辛みは、いつまでもグズグズと忘れずに何度も思い出して決して忘れまへんが、こおいう曲の暗譜は・・・なぜかフッ・・と忘れる事があるんですなぁ。
ワシのHPに載せている尺八曲を聞かれて、「あれっ?、チイッと違うんでねえかなぁ?」と思われた、あぁたぁ・・そう思われたアァタァの方が正しいのです。
ワシも以前から気付いており、直さなければアカンなぁ・・と思いながら、今まで来ました。
正月に楽譜を出して各曲を確認したら、出るわ出るわ・・・ゾロゾロと・・あぁぁ・・ここも間違ってる・・あそこも間違ってた・・・それにしても、よぉ~ここまで変曲してたなぁ・・・・(^O^)ダハハハハ・・・
話しは変わりますが、以前に「居合」を習っていた時、転勤で師と遠く離れて独り練習をしてた時に、昇段試験を受けた事が有りましたがアカンかったです。
何でアカンかったかというと、自分では、これで良いと思っていても、知らず知らずのうちに楽な方へ型が崩れて来ており、だれもそれを指摘してくれる人が居ないんです。
師に相談すると、このまま独りで練習をしてると悪いクセが付くので練習を止めるか、他流派が近くに有るならば、そこに入門して改めて師に付いた方が良いと言われました。
しかし転勤した所は、チョ~田舎なもんで、「居合」なんちゅうハイカラな事をやってる人は付近にはいなく、それを機会に「居合」を止めました。
それでも「抜き付け」なんかを、年月が過ぎた時にやってみると、こおいうのは忘れんもんですなぁ。
武道・芸道など「道」が付くもんの独り練習では、この「崩れ」と言うもんが「宿命」みたいに付いてくると思い、よっぽど自分を厳しく見つめていないと、ワシのように独りよがりの「崩れ」が出てきまっせぇ。
場面は再び変わって・・、昨夜、尾鷲側の登り口に有る公園で車野宿し、ヒマなもんで真っ暗闇の中をベンチに座って尺八を吹いてました。
夜空を見上げると久々に星が見え・・でも、尾鷲市内の灯りや石油タンク照明のため、星空は半分程度しか見えません。
それでも久々に、ジックリ星空を見たなぁ・・昔、覚えていた星座も、もう忘れっちまい確信がもてません。
旅の夜空の下で「蒙古放浪の唄」のメロディを吹くと、遍路しとる時の心情が、シミジミとよぉ~出ます。
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