HOME > 紀行文「目次」 > 熊野古道・伊勢路「目次」 > 28 一瞬の迷い(大吹峠・獅子岩・神仙洞・花の窟)


 遍照の響き  大泊海岸、熊野古道・伊勢路を歩く H19.8.19 UP  

 「波田須・大吹峠・松本峠」地図のリンクは、「東紀州ITコミュニティ」様の了承を得ております。


大吹峠と「花の窟」での尺八失敗/熊野古道・伊勢路を歩く

大吹峠へ、熊野古道・伊勢路を歩く     大吹峠・頂上、熊野古道・伊勢路を歩く     大吹峠・竹林、熊野古道・伊勢路を歩く

 「波田須」から国道へ出る急坂を上り、熊野古道・伊勢路の大吹峠登口にある東屋で昼食にしました。大吹峠・竹林2、熊野古道・伊勢路を歩く

 食事していると「除福の宮」を出た時に、入れ違いで来た熟年夫婦が来たので、席を空けて一休みしたら?と勧めました。

 しかし、先を急いでいるのかトイレをして、すぐに大吹峠を登って行きましたが、その間短い会話をしました。

 京都から車で来た人で熊野市に車を置き、「JR」で先程の波田須駅から熊野市まで熊野古道・伊勢路を歩いて戻るつもりだと言います。

 別れ際に「途中で行き倒れになっていたら、助けてあげまっせぇ」と言うと笑っていた。大泊へ、熊野古道・伊勢路を歩く

 今までの熊野古道・伊勢路は、杉木立が多かったのですが、この大吹峠は竹が生えていると聞いており、峠から下りる箇所からはホンマに竹林になってました・・ちと距離が短いけれど・・・。

 その乾いた竹の葉が道一杯に積もっており、歩いてると竹の葉で滑りやすかった。

 大泊駅に着いて、今日の行程はオシマイ。

神仙洞、熊野古道・伊勢路を歩く   獅子岩、熊野古道・伊勢路を歩く   獅子岩(反対側より)、熊野古道・伊勢路を歩く

 時間が有ったので車で「花の窟」へ行く事にして、走っている途中に「獅子岩」がありました。

 獅子岩も見物したかったのじゃがなぁ・・と思いながら車を走らせていると、獅子岩付近の海岸路肩に、けっこう車が止めてあります。

 「あらっ?!・・そんなの「有り」なの?・・」と思い、ワシもマネして少し離れた広い路肩の場所に車を置き、獅子岩まで歩いて戻りました。

 最初の道端に有る大きな岩が「獅子岩」かと思ってましたが、どうしても獅子の形には見えなく、見る角度が違うのかと思って近づくと「神仙洞」と書いてあり柵がしてあり、岩内部は何かの宗教施設にでもなっているのか扉も閉まっています。獅子岩(海岸側より)、熊野古道・伊勢路を歩く

 「神仙洞」を通り過ぎると、写真などで見覚えのある「獅子岩」が見えました。

 「獅子岩」の反対側は、どんな風に見えるんじゃろと思い、下のジャリ浜を歩いて見に行くと、あんまり大したことが無く、人気の無い岩の下で若い男が昼寝しており、一瞬、行き倒れて死んでるんかと思った。

 そのまま海岸のジャリ浜を歩いて「神仙洞」の岩に戻り、海岸側から見た「神仙洞」はその名にふさわしく、岩の窪み具合等から、いかにも神様とか仙人とかが住みそうな雰囲気・形状です。

 しかし、付近の護岸壁に「神仙洞 所有権がどうの・・」と消えかかった白ペンキで書いてあり、更にその上に同じ白ペンキで字を消した跡が有り、何か俗世の欲望が絡んで、モメてたようですなぁ。

 せっかくの景観である「神仙洞」に住んでおられた仙人やら神さんも、こんなのじゃ嫌気をさして、どっかへ夜逃げされたかもしれん。

 後で調べると、この「神仙洞」は「獅子岩」と対になって「阿吽」を形成してるらしい。

 でも所有権絡みのためか、「獅子岩」だけの方が有名な気がして、実際には自分も獅子岩しか知らんかった。花の窟・鳥居、熊野古道・伊勢路を歩く

 車に戻って「花の窟」へ行き、鳥居を潜りましたが、正直に白状しますと熊野古道・伊勢路を歩いて熊野市付近へ来るまで「花の窟」の存在も知らず、また存在を知った後もどんな内容のモノなのか知りまへんでした。

 「花の窟」とは、えらい華やかな名前の場所じゃなぁ・・お花畑がある観光施設か、何かの怪しい新興宗教団体の施設でも有るのかと思ってました。

 名前から想像すると男子禁制の場所で、若いキレイなネーチャン達だけが、お花で飾られた洞穴の中で生活しとる大奥みたいな感じで、そんな所だったら自分は喜んで、後も見ずに真っ先に行きますがなぁ。(^O^)

 そしたら、この「花の窟」ちゅうのは、聞いて驚くでねぇ。

 皆の衆、頭が高ぁぁ~いぃぃ・・m(_ _)m ハハアァァァァァァァァ~・・・・畏れ多くもカシコクも、モッタイない・・・花の窟・境内、熊野古道・伊勢路を歩く

 書くだけでもバチが当たるんじゃねぇかと心配しちまう、日本神話の最初に出て来る「イザナミ」さんが葬られた場所らしく、その話はあくまでも神話の世界であり、実際に葬られたという場所が有るとは思わなかった。

 「花の窟」鳥居を潜った参道の前後を、4~5人連れの数グループが「キヤッ・キヤッ・・」と騒ぎながら歩いており、あちゃあぁ~・・こんなのが周りに居たら尺八吹けねぇなぁ。

 参拝しとるんか見物して騒いどるのか、わからんグループを、離れた場所より眺め「シッ・シッ・・早くどっかへ行け・・」と思いながら待ってると、やっとどっかへ行って周りが静かになりました。

 久々の霊場での尺八吹奏なので、どうかなぁ・・と思いましたが、一曲目は大きい失敗も無く終わりました。花の窟・境内2、熊野古道・伊勢路を歩く

 人が来ないようなので、そのまま二曲目を吹いていたら・・突然指使いがわからんようになり、次の音が出せなく曲が止まってしまいました。

 メロディはわかるんですが、今まで何百回と吹き続けていた曲なのに、途中で曲の出足の音に一瞬の迷いが出たんです。

 トシのせいで、偶然なる物忘れの自然現象なのか・・・(これが、一番自然な言い訳が立つなぁ)。
 あんまり練習する時間が無く、ここ最近吹いてなかったからなぁ・・(うん、これも当てはまる)

 それともアルツハイマー病の前触れか・・・(この種の保険に入る事を考えにゃアカンかも)
 シケモクの吸いすぎで脳内の記憶細胞の一部がプチッと切れたのか・・・(モクは止めれんからなぁ)

 曲が途中で止まるちゅう事は、演奏者にとっては、これ以上に無い最大の恥なので、ショックのあまり、その場でしばし呆然としちまった。花の窟・御神体、熊野古道・伊勢路を歩く

 つらつらと考えてみると、今まで心の片隅に隠れて気付かなかった、未だに自信を持って吹けない「迷い」を、イザナミちゃんが「ガアァツウゥ~ン」とショック療法で、その事を教えてくれたようにも思える。

 その夜は、「さぎりの里」で車野宿しました。

 寝る時間には早いので、側に有った椅子に座って夜空の星を見ながら尺八を吹きました。

 「花の窟」で失敗した曲も、今度はスムーズに吹奏でき、暗譜している曲を次々と吹いても、心のままにスムーズに吹けるんですねぇ。

 やっぱし、ある程度人前で吹き続けて、もう場慣れしたと思ってたのですが「花の窟」の時は、久々の人前での尺八吹奏だったので緊張してたんかなぁ・・・・いや、やっぱり練習不足じゃ・・・


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 恥ずかしながら「YouTube」に尺八独奏「手向」を載せており、聞いて頂ければ泣いて喜びます

 当「遍照の響き」ホームページに掲載されている写真がpixtaで販売されています。


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