「安房国札34観音霊場」巡礼の帰り道で、埼玉県に「吉見百穴」というのが名勝らしく地図に載ってました。
どんな所か、わかりまへんでしたが行ってみると、おぉぉ・・さすが「吉見百穴」の名前通り、山にボコボコと穴が一杯開いてます。
ちなみにこの穴は、以前は古代の住居跡と考えられた事も有ったらしいが、今は古墳時代後期頃の横穴墓群となってるらしい。
まずは階段を上がって穴の一つ中を拝見すると、説明看板の通り穴内部には少し高くなってる所が有り、そこに遺体を置いた石のベッドが見えて「棺座」と言うらしい。
しかし・・よおぉ~・・まぁ・・・山一面に掘ったもんだわ、百個の穴が有るかどうかはわからんが・・。。
階段を降りて売店で土産物でも買おうかな・・と入ると、店のアンチャンが話しかけて来ます。
「吉見百穴」の土産物を押し付け宣伝でもするのかと警戒したが、そんなヤボな事はせずに、店内に飾ってある写真や「吉見百穴」からの出土品の説明してくれ、これがまた、なかなか話がうまく面白かった。
「昔は穴の一つ一つに、全部を蓋が有って塞いであったんです。」 「その塞いだ物はどこかに置いて有るのですか?」と聞くと「店に展示してあります。」と言い奥のガラスケースを指します。
おぉぉ・・石は割れているようだが、そりゃあぁ・・こんな石で穴を塞いでいたら住居じゃなく、墓だわぁ。
アンチャンが、壁に飾ってある色あせた写真の所で、おいで・・おいで・・と手招きして
「明治時代の写真で、まだ軍事工場の穴が掘られる前の写真です。(ピンクがかった上の写真)。
この(右)写真の中に、チョンマゲを結っている人も写ってるんですよ。 ホンモノのチョンマゲ結ってる人の写真なんて、そお無いでしょう。」
と言うので見ると、おぉぉ・・なるほど棟梁みたい人が、チョンマゲを結っており、これは教えられないと気が付かないだろなぁ。
最初店へ入った時は、ワケわからん写真だなぁ・・と思ってチラッと見ただけでしたが、こおやって説明されると、すんごくわかりやすく興味深い。
アンチャンの先祖が、この「吉見百穴」の地主で、発掘調査の時に何とか博士に協力したらしく、どおりで発掘品とか、石蓋が置いてあるわけだ。
ちなみに、この「吉見百穴」展示写真の撮影とHP掲載はアンチャンの許可を得ております。
今度は畳の敷いてある所へ連れて行かれ、畳の隙間に手をかざしながら、「そこの窓から見える軍需工場の穴から冷風が吹き出ている。」
そお言えば窓際の壁に「天然冷房 風穴から冷たい風」と書いてありますが、説明を受けないと何の事かわからんかもしれん。
手をかざしてみると、隙間風のようなのが出ている気がし、知らない人がこの姿を見ると、畳に手かざす新興宗教かと思うかもしれん。
「軍需工場の穴は、途中で柵がして有りますが、もっと深く続いており昔は柵が無かったんです。
しかし、閉める時間になっても観光客が奥まで入ってたら、終了の声が届かなかったり、何だ・かんだかが有り、柵を作って見学範囲を少なくした。」
そおだわなぁ・・・観光客なんて自分勝手だから、聞こえていても、聞こえないフリするからなぁ。
まだ軍需工場の穴へ行って無かったので入ってみると、特に変わった物は無く、単なる広い穴だけで、これならば見学範囲を少なくしても構わなかったと思う。
先見の目が有れば、軍需工場内部の一部でも再現しておけば、もっと見る物が多いと思うのだが・・
雰囲気的には「信濃33観音霊場」巡礼中に見た、終戦間際に作られた長野県「象山地下壕」と似ています。
「光りごけ」の穴は小さく金網が張ってあり、それを知らずにうっかり側の大きい軍需工場の入口穴が、それだと思った。
「光ごけ」は、奥の方に2個ほど少し光って見えたのが、それだと思う。
帰ろうとしたら、店からアンチャンがパンフレットを持って来て「近くに有る岩窟寺へも、ぜひ行け」と熱心に勧めました。
そんなに熱心に勧めてくれるのだしい・・せっかくだからと思い、近くなので巌窟寺(岩室観音)へ寄ってみると、道端に山門が見え、山門へ入るとそれ自体が寺というか・・・お堂で階段を昇ってみると清水舞台風の造りになってます。
アンチャンが「巌窟寺(岩室観音)・山門の二階に観音さんが有る」とか言っており、何の事かわかりませんでしたが奉納額が飾ってあります。
最初は小学生の寄せ書きでも描いて有るのかと思ったが、良く見ると馬の前半分が一杯描いてあるんですねぇ。
そおいえば、やはり信濃33観音霊場「仲仙寺」にも、これでもか・・・という程、たくさんの馬を描いた絵馬が奉納してありました。
人が来ないだろなぁ・・と思いながら、一曲吹いて参拝してると、夫婦連れが上がってきたが、すぐに降りて行きました。
参拝後、その夫婦連れのダンナが裏山の鎖を伝って上って行くのが見え、どこからか降りて来ました。
「岩室観音」の階段脇に「胎内潜り」の看板が有り、どこにそんなのが有るのか?と思ってましたが、先ほどのダンナが上った所がそれらしい。
階段の所に「胎内潜り」の看板が有ったもんだから、てっきりその階段を上がったどこかに有るのかと思って、「岩室観音」の裏まで探しましたでぇ。
ダンナが上ったのならば・・と、マネして上がると簡単に上がれました。
鎖場を上った所に直径1mほどの短い穴があいており、気のせいか「ハート形」に見えます。
きっと恋人同士が、手を取り、助け合いながら一緒に穴を潜った所で、人目もはばからず、大胆にチュゥしあって、その夜は固くチギリを結びあうと、シアワセになれる・・・と勝手に歪曲・捏造した伝説を想像しますが、信用しないでね。
上る時よりも、穴を潜って降りる時の方が、水に濡れた枯草等で滑りやすく「胎内潜り」の時に気を付けてね。
「岩室観音」山門脇にも穴が有り、石仏が置いてあって四国88カ所を模してるらしい。
それにしても、「吉見百穴」のアンチャンに勧められなかったら、知らずに通り過ぎた所で、この巌窟寺(岩室観音)は見所が多く隠れた穴場スポットだと思います。
少し離れた所に「巌窟ホテル」跡が有り、岩を掘ってホテルにするつもりだったが、うまくいかなかったらしい。
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