HOME > 紀行文「目次」 > 「国境の島、対馬」紀行文の「目次・地図」 > 6 浅茅湾
2019/5/16 旅行
対馬は上と下の島に分かれており、その中間に「浅茅湾」という静かな湾があり、ちなみに「浅茅湾」と書いて「あそわん」と読みます。
明治時代、この対馬・浅茅湾に東郷元帥率いる日本艦隊が停泊し、ロシアのバルチック艦隊が対馬沖通過するのを待っていた所で、艦船が停泊するには最適な静かで大きな湾です。
せっかく対馬に来たのだから、何とか浅茅湾を周遊できないかとネットで探していると、対馬市営の定期渡海船が有る事がわかりました。
個別に周遊するコースも有りますが、以前、対馬で勤務していた時、浅茅湾をチッコイ船で灯台を見回った事が有るのでだいたいの観光地はわかるので、日常的な定期船にしました。
運賃は対馬の人は生活のため必要なので半額ほどで安いのですが、自分のような島外者は片道970円です。
で・・「長板浦」から「仁位」まで片道乗ったとしても、終点「仁位」からまた車を置いた「長板浦」まで戻って来なければアカンのです。
バスの便も調べましたが、値段的にも時間的にもムダなような気がするので、そのまま船に乗り往復して「長板」に戻る事にしました。
だれも居ない渡海船待合室で、定期船が出るのを待っていると、バイクに乗った若いアンチャンが来て、船のエンジン等をかけたりしたので、単なる乗組員だと思ってたら船長で、もう一人の年輩の人が乗組員で雑用係だった。
だれも乗らず、乗客は自分達だけかと思ったら、オババ二人が乗って来て「水崎」で下りました。
自分達以外の乗客は往復する間、最後までこのオババ二人だけだったので、こりゃあぁ・・赤字になるわなぁ。
でも「長板浦」から「水崎」までは陸路で行くとかなり時間がかかるので、オババ達にとっては必要な定期船でしょう。
年配の乗組員のトッツアンは話好きで、いろいろ教えてくれました。
「竹敷」付近を通った時に自衛隊基地の場所を聞くと、手前に見えた白い建物が基地かと思っていたら違っており、高い鉄塔の所だった。
遠くに赤茶けた岩肌が見え(写真は拡大してあります)、「芋崎」だと思って船に有ったパンフレットの地図で確認すると当たっており、何十年の昔でも地形等は覚えているものですねぇ。
この「芋崎」には幕末にロシア船が掘った井戸というのが有り、灯台を見回った時ついでに井戸を見に行くと岩場に四角の穴が掘ってあり、それが井戸らしかった。
へえぇ・・・こんな岩場で井戸を掘って良く水が出たなぁ・・塩分も含んでるだろうに・・と思ってました。
これを書いてる時に、ホンマにあれがロシアの井戸だったのかと確認するためネットで調べてみると、自分が思っていた岩場の穴は違っており、もっと内陸部に井戸が有ったよおです。
そいじゃ、岩場の四角い穴は何だったのじゃろ。
パンフレットの「水崎」付近に「加藤の海底遺跡」と書いてあったのでトッツアンに聞くと「今は埋められて見れなくなり、惜しい事をした。」と言う。
わたしゃまた「加藤」という名と地理的位置から、「加藤清正」が朝鮮出兵した時に立寄った遺跡かと思っていたので、これを書いてる時に調べると、どうも縄文時代の土器とか石器が出た場所らしい。
それにしても、よく文化庁が埋め立てを許可したなぁ。
定期船は「貝鮒」「嵯峨」「佐志賀」と寄って行きますが、船着場に乗客が居ないのを確認すると接岸せず、そのままUターンして次の港へ向かいます。
パンフレット地図に「1億円で売りに出された島」と書かれていたので、トッツアンに売れたのかと聞くと、笑いながら「売れなかった」と言ってその島を教えてくれました。
島に電線が通ってるよおですが、一億円で買ってもこの島まで来るのがタイヘンだろなぁ。
願わくば、韓国人だけには売って欲しくない・・・こんな事を書くと、そのスジの人達から「ヘイトだ」と抗議を受けるかな・・・思ってる事もスンナリ言えない世の中になりましたなぁ。
「仁位」へ向かってる途中、トッツアンと話していると「おっ・・、和多都美神社へ寄ってくれるのかな」と言って船橋へ確認しに行きました。
戻って来ると「他にだれも乗客が居なく、遠い所から来られたので和多都美神社へ寄ってくれるそうだ。
今は車で神社まで行っちゃうので、地元の人でも、なかなか海から四つの鳥居を拝む事は無い。」と言います。
引き潮だったので、鳥居の根本まで見えましたが、普通ならば見れない位置から拝見する事が出来、わざわざ寄っていただき、ありがとうございます。
ホンマは善意の内緒事だったので、これに記載しない方が良かったのかもしれませんが、関係者の方どうぞ船長さんを叱らないでください。
帰り船は、後甲板でアワビ採りや、真珠の話をしてくれました。
ツシマヤマネコの話になり、「同じ「ネコ」と名づいていても、家で飼ってるネコとか野良猫と違って、「ツシマヤマネコ」の動作は素早く、そこらのネコのようなノンビリした動作はしない。」
その話から、島に猪が居るのかと聞くと、これには深いカワイソーな話が有るそうで
「昔は対馬にも猪が居たが、何とかという人(忘れた)が島中の人に呼び掛けて猪を一頭残らず駆除した。
しかし、その後、ある人が猪を持って来て飼い始め、それが逃げちゃって、今ではその猪の子孫が島中に広がってしまった。」
と話してくれましたが、その話は知らなかったなぁ。
対馬観光に来た時、市営定期船で浅茅湾周遊するのもお勧めで、ひょっとすると自分のように対馬の知らざる逸話を聞く事が出来るかもしれません。
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