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 紅葉ケ滝薬師堂・彫刻、歩き遍路「篠栗88ケ所」紀行文  遍路日 2012.10.31(第3日目) HP掲載日 2013.9.6
行程(札所番号) 81→75(紅葉ケ滝)→34→5→50→85→12→88→58→2→56→22→55→53


ニセ札所「紅葉ケ滝」と尺八暗譜/歩き遍路・篠栗88箇所霊場記

81番「二瀬川観音堂」

南蔵院・駐車場、歩き遍路「篠栗88ケ所」紀行文    二瀬川観音堂へ、歩き遍路「篠栗88ケ所」紀行文    二瀬川観音堂を望む、歩き遍路「篠栗88ケ所」紀行文

 8時頃、南蔵院の無料駐車場に車を置いて出発し、国道の車は交通が激しいですねぇ。

 テクテク歩いてると交差点付近に篠栗88箇所霊場の81番札所「二瀬川観音堂」が有り、中年夫婦が車遍路して参拝に来たので、聞いてみると長崎から来たという。

二瀬川観音堂、歩き遍路「篠栗88ケ所」紀行文       二瀬川観音堂・堂内、歩き遍路「篠栗88ケ所」紀行文       国道の遍路道、歩き遍路「篠栗88ケ所」紀行文

 堂内の壁に、チッコイ「鯉のぼり」が貼ってあり、思わず笑った・・カワイイでんなぁ。

 81番札所「二瀬川観音堂」を出て国道を歩き、急カーブの所から脇道に入ります。

遍路道、歩き遍路「篠栗88ケ所」紀行文    遍路道、歩き遍路「篠栗88ケ所」紀行文      遍路道、歩き遍路「篠栗88ケ所」紀行文
遍路道、歩き遍路「篠栗88ケ所」紀行文    遍路道・間違いやすい、歩き遍路「篠栗88ケ所」紀行文     遍路道、歩き遍路「篠栗88ケ所」紀行文

 少し行くと車道をショートカットする短い遍路道があり、再び車道に出てから、セメント道を少し行くと、遍路標識が有って横方向へ行くようになってます。

 越後屋は知ってか知らずか・・そのまま石セメントの道を、トットと行っちまい見えなくなっちゃった。

 この遍路標識が無かったら、そのままセメント道を歩いて行く感じですが、遍路標識が二つ設置されており、どちらも「横へ行け」と指しており、見落としやすく迷い易い箇所なんだろなぁ。遍路道・国道へ、歩き遍路「篠栗88ケ所」紀行文

 大声で越後屋を呼び戻してやると、モンク垂れながら、やっと戻ってきた。

 だいぶ先へ行ったらしく、「この先を行くと地道になり車道へ出たので、同じ所へ出るのでは?」と言います。

 しかし、わざわざ2つの遍路標識が指しているので、標識を信じて行くと、やがて階段を上がるようになっており、やっぱりこの道を来て正解だったじゃねぇか・・・ほれみろ・・。

 国道が見え、そこへ上がる道は有るが遍路標識が見あたらず、念のため車道へ上がると、大仏さんのような物が見えたので、この道を上がるのが正解だと思うが標識が欲しい所である。

 この国道が、また車の通行が激しくオトロシイこと・・・やっとこ・さっとこ横断しました。

「にっこり大仏」とニセ札所75番「紅葉ケ滝薬師堂」

にっこり大仏、歩き遍路「篠栗88ケ所」紀行文      チョンマゲの像、歩き遍路「篠栗88ケ所」紀行文      紅葉ケ滝薬師堂・入口、歩き遍路「篠栗88ケ所」紀行文

 大仏さんは笑ってるような表情なので、「にっこり石の大仏さま」と言うらしく、この施設?は失礼ながら、いかにも最近作った現代的シロウト作的風のような気がする。

 セメントで作った門を入ると、大仏さんの周りには、チッコイ石仏が集まってる中に、チョンマゲを結って正座している人の像が有ったが、この人は何だったのだろか?

 この「にっこり大仏」が札所かと思ったら違っており、そこより奥の方が75番札所でした。

紅葉ケ滝薬師堂、歩き遍路「篠栗88ケ所」紀行文  紅葉ケ滝薬師堂・魚魂供養、歩き遍路「篠栗88ケ所」紀行文   紅葉ケ滝薬師堂・境内、歩き遍路「篠栗88ケ所」紀行文

 75番「紅葉ケ滝薬師堂」には滝修行場が有り、境内にある龍の口から水が出て、タイヤキのような魚を置いた「魚魂供養」も有ります。

 この時は知らなかったのですが、後でわかったのですがこの75番「紅葉ケ滝薬師堂」は「篠栗88箇所霊場」発足当初に定められた75番札所では無かったのです。紅葉ケ滝薬師堂・滝、歩き遍路「篠栗88ケ所」紀行文

 スッタモンダのあげく最高裁判所でも、この「紅葉ケ滝薬師堂」は本来札所で無いと判決が下ったにもかかわらず、篠栗88箇所霊場会がゴリ押しして、勝手に独自に作った75番札所だったのでした。

 そんな事も知らなかったので、すっかりコロッとダマされちまったぜ・・おい・・。

 いかに霊場会と言えども、こおいう「ニセ札所(と、あえて言いたい)」を勝手に作って、何も知らない遍路を惑わすのは、いかがなものか・・・

 で・・本来の75番札所は若杉山に有る「善通寺」だと思う。

34番「宝山寺」

 「にっこり大仏」まで戻り、横の階段を上がると「賽の河原」の石柱が有ります。宝山寺・賽の河原、歩き遍路「篠栗88ケ所」紀行文

 そこでは別に鬼達が子供をイジメて喜んでるのを再現してるのではなく、ただ単に地蔵さんを真ん中に、両脇に鬼さんが立ってるだけです。

 しかし、鬼さんの前で子供が泣いてる像があり、笑ってはアカンのだけれど、その姿を見て、あらカワイイ・・と思わず笑っちまった。

 34番「宝山寺」境内には「黄金まき岩」の伝説が有り、山伏が山賊に襲われた時、この岩から英彦山へ向かって黄金をまいたら、木の葉のように英彦山へ飛んで行ったらしい。宝山寺・参道、歩き遍路「篠栗88ケ所」紀行文

 参拝後、この34番「宝山寺」まで来るのに休み無しだったので、日当たりの良い場所に越後屋と仲良く並び座って一休みしました。

 「越後屋さん、一番最初の日と比べて、今日の尺八の出来具合を比較すると、どうだった? ゴロニャ~ン・・・」
 「上手くなったと言って欲しい?  アッチイケ・・シッシッ・・・」

 「いや、白々しいからホントの事を言って。 クゥ~ン・クゥ~ン・・・スリスリ・・」
 「まだまだ、アカンですなぁ。 昨日の洞窟(不動霊水窟)で吹いたのは良かったが、まだまだですなぁ。    (^O^)ワッハッハッハッ・・・・ヘ・タ・ク・ソ・・」宝山寺・黄金まき岩、歩き遍路「篠栗88ケ所」紀行文

 おっ・・いつもは厳しい事を言ってケチつける越後屋も、あの洞窟で吹いたのは良いと認めたか。

 「そおじゃなぁ・・あの洞窟で吹いた「手向」曲は、もう何千回以上も吹いてるので、心のままに吹けるから良いんだけど・・今回吹いてる「産安」は暗譜したてのヤツで、やっと間違えず吹ける所まで来たが、まだ「手向」のようには吹けてない。」

 「覚えたてなの?」宝山寺、歩き遍路「篠栗88ケ所」紀行文
 「うん、今回の「篠栗霊場」遍路で「産安」曲だけを札所で吹き続けると、どのように変化するか試してるんだ。
 楽譜を見ながら吹くと、そちらに気が行き、いつまでたっても心からは吹けないと思う」


 「おでぇかんさまは、他人が尺八を吹いてるのを聞けば、吹いてる人の心がわかるの?」
 「心までは、わからんが・・少なくとも楽譜を見ながら吹いてるのか、暗譜して心のままに吹いてるのか程度はわかると思う。」

 寺の住職やバサマ達は尺八をあまり聞いた事が無いので誉めてくれましたが、いつも尺八を聞いてる越後屋の耳はゴマかせません。


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 恥ずかしながら「YouTube」に尺八独奏「産安」を載せており、聞いて頂ければ泣いて喜びます。

 当「遍照の響き」ホームページに掲載されている写真がpixtaで販売されています。



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