HOME > 紀行文「目次」  > イザベラ・バードの道「地図と目次」(関東・東北編)  39 車 峠


 車峠。イザベラ・バードの道 旅行日 2015.8.24   掲載日 2016.2.16


「車峠」の倒木で「チョイノリ」どうする/イザベラ・バードの道

野尻

「下野尻」イザベラ・バードの道   「下野尻」イザベラ・バードの道    「下野尻」イザベラ・バードの道

 日暮れ時に野尻という美しい村に到着した。 この村は、水田の谷間のはずれにあった。
 夕方ではあったが、私は穴のような宿で日曜日を過ごしたくはなかった。「下野尻」の神社。イザベラ・バードの道

 1500フィートほど高い山の端に一軒家が見えたので、聞いてみると茶屋であることがわかったから、そこまで行くことにした。

    高梨健吉「イザベラ・バード 日本奥地紀行」より


 「野尻」を通ったが特別に「美しい」という印象も無く、普通の集落だったが、イザベラ・バードは、何に感激して「美しい村」と思ったのだろうか?

 イザベラ・バードのように「下野尻」から「車峠」を見上げたが、どれが車峠かわからんほど低い山が連なっており、良く峠の茶屋を見つけたと思う。車峠へ向かって。イザベラ・バードの道

 ネットに車峠へ上がる古い旧道を歩いた記録が出ており、村外れの神社付近から登るらしい事はわかっていたが、やっぱり登り口がわからん。

 ネットで見た旧道は、細い道で草が茂り整備されてないようなので、あきらめて林道を行きました。

 草が道の両端から出ていますが、草藪になっているわけでもないので、それほど苦労しなくても林道を通れました。

車峠

 うねうねと続く山路をのぼるのに45分もかかった。 この道によって難所の峠を越えるのである。

 暗闇となり、さらに雷鳴が稲妻を伴ってやってきた。 ちょうど私たちが着いたとき、青い巨大な稲妻が宿屋の内部まで明るく照らした。

 この宿屋は、車峠の刀のような鋭い山の端にほとんど突き出るばかりという、すばらしい場所に立っている。車峠の茶屋跡付近。イザベラ・バードの道

 会津の山々の雪景色はすばらしいし、ここには他に二件しかないから、群衆にわずらわされることなく自由に散歩できるからである。

 旅人や馬子たちがごろごろしている。車峠をこちらからも向こうからも上がって来る人々は、ここで一休みして一杯のお茶と食事をするからである。

 私はこの宿屋が見晴らしの良いことを賛美する文章を書いた。 私がそれを英語で読み、伊藤が翻訳すると、まわりの人々は皆、たいそう満足気であった。
 それから私は四本の扇にも書くように頼まれた。

   高梨健吉「イザベラ・バード 日本奥地紀行」より


 やがて小さい観測所の小屋が見えたと思ったら、そこが車峠の頂上で付近には「水準点」も有りました。(一番上の写真)車峠の茶屋跡付近、イザベラ・バードの道

 車峠・茶屋跡が有ったと思われる付近は、広くなっていますが木が茂っており、どの辺に茶屋が在ったのか、今となってはわかりまへん。

 イザベラ・バードは、ノミさえいなければ景色の良い、ここに留まりたいような事を書いてましたが、見渡しても麓の「野尻」集落が見えるほどの景色ではなかった。

 もっとも草が茂っていたので、わざわざ探し回らなかっただけですが・・・・

倒木により「チョイノリ」危うし・通行不可か?

 車峠から西へ向かう道路は、とてもひどいもので、駅場間はただの1マイルしか離れていないことがある。車峠より。イザベラ・バードの道

 この道路はあらゆる合理的な近代思想を無視したもので、山をまっすぐ登り、まっすぐ下る。

 その傾斜角度ときたら、当てずっぽうを言うのもこわいくらいである。
 こんなにひどい道路を馬に乗って通るのははじめてであった。

    高梨健吉「イザベラ・バード 日本奥地紀行」より


 道はこの車峠までは幅広でしたが、その先は今まで以上に草がガバアァ~・・と両端から伸びて茂っています。

 行けるんかなぁ・・・ 草は刈ったようで、目印にしたらしいピンクテープが、時々草に縛ってあり、たぶん側を通る電線路の保守用道路として刈ったのだと思う。

車峠のヌカルミ。イザベラ・バードの道    車峠より下りる道。イザベラ・バードの道    車峠からの道を遮る倒木。イザベラバードの道

 「チョイノリ」で通った道はイザベラ・バードが書いてるような、近代思想を無視した傾斜のある旧道ではなく、たぶん後から出来た新しい林道のように思う。車峠から下りる二度目の倒木。イザベラ・バードの道

 しかし道は、イザベラ・バードが書いたようにヒドイもんで、「チョイノリ」の馬力不足を補うために、地面を蹴っていると、履いてたツッカケは脱げるし・・

 ヌカルミの所で、タイヤが空回りしそうだから、泥の中に足を突っ込んで支えたため、靴下は濡れるしぃ・・車峠。倒木の下を倒して通す「チョイノリ」。イザベラ・バードの道

 そいでもって、ついに恐れていた倒木が、道に横たわっており・・あちゃあぁぁ・・・!!。

 今さら、あのヌカルミの道を引き返すのは、イヤだなぁ・・と思いながら、「チョイノリ」を斜めにして、なんとか木の下を通しました。

 少し行くと、再び倒木が・・・ガアァ~ン!!・・・・通れるかなぁ・・と、木の側に近寄って調査していると、車峠より下りる。イザベラ・バードの道

 このクソ忙しいのに、モクがポケットから落ちるわ・・ツッカケが脱げるわ・・靴下も泥に濡れちまうわ・・・

 そんなこんなをしながら「チョイノリ」を真横に倒して、向こう側から引きずり寄せて、無理矢理に通しました。車峠からの下り口。イザベラ・バードの道

 この先にも倒木が有って通れなかったら、引き返さなければならんので、そしたら泣くでぇ・・ホンマに・・幸いにも倒木が無く、無地に国道へ合流しました。

 イザべラ・バードではないが、車峠からの下りはホンマにヒドイ道だった。

 「イザベラ・バードの道」をたどった行程で、倒木のため「チョイノリ」を横倒しにして通したのは、この車峠だけで、今、想い出してもここが一番の難所でした。


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 恥ずかしながら「YouTube」に尺八二重奏「アブェ・マリア」を載せており、聞いて頂ければ泣いて喜びます。

 当「遍照の響き」ホームページに掲載されている写真がpixtaで販売されています。



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