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 阿賀野川。イザベラ・バードの道 旅行日 2015.8.24   掲載日 2016.3.1


阿賀野川沿いと「花咲駅」野宿/イザベラ・バードの道

阿賀野川の通行止め柵

 新潟行きの船は8時に出ることになっていたが、5時に伊藤が私を起こして、船が満員になったから、すぐ出かけようと言う。そこで私達は急いで出発した。

 宿屋の主人は私の大きな籠を背負って川まで走ってくれ・・別れをつげた。

     高梨健吉「イザベラ・バード 日本奥地紀行」より
津川「大船戸」。イザベラ・バードの道

 「津川」の阿賀野川にある「大船戸」船着場は昔からあり、「新河戸」船着場はその後に作られたものだそうです。

 そいで、イザベラ・バード達が大慌てで船に乗り、宿の亭主が荷物を抱えて見送ってくれたのは「大船戸」の方です。

 どんな立派な船着場かと思って阿賀野川まで来てみると、看板が無ければ見過ごしてしまいそうな川端で、草が生えてるだけで何も残ってません。

 ええっっ・・??、こんな所に船が着いてたの?

津川「大船戸」。イザベラ・バードの道      昔の「大船戸」絵図。イザベラ・バードの道  津川「大船戸」。イザベラ・バードの道

 看板に昔の絵図が載っており、当時は、もう少し阿賀野川方向に土地が有ったようです。

 ちなみに後から出来た「新河戸」の方は、いっちょまえに船を係留する係船柱が1個だけ残っており、こちらの方が、階段も有るのでまだ船着き場らしく思える。津川「新河戸」。イザベラ・バードの道

 ここは二つの川が合流している。 景色がとても美しいので、もっとゆっくりしていたいと思うほどであった。

 出発したときには、日本人が22名入っていたが、川に沿った村落で彼らを下ろしたので、新潟に着いたときには3人だけとなった。

    高梨健吉「イザベラ・バード 日本奥地紀行」より


津川「麒麟橋」より。イザベラ・バードの道    津川「麒麟橋」より。イザベラ・バードの道    旧国道の通行止め柵。イザベラ・バードの道

 「津川」から麒麟橋を渡り、阿賀野川沿いの車も少ない国道を、ルンルン気分で「チョイノリ」を走らせていると、「大牧」を越した所で柵が有り「通行止め」・・ゲッ!!??、あらあぁ~・・そんなの聞いてねぇぞぉ・・・

 確かに国土地理院の地図にも、コツゼンと途中から道が記載されていませんでしたが、多分これは印刷漏れだろ、地理院もシッカリしてよ・・・・と思っていたのです。津川駅。イザベラ・バードの道

 が・・こおいう「通行止め」の事情で車の通りも、ほとんど無かったんだなぁ・・せっかく川沿いに、イザベラ・バードが堪能した景色を見ようと思ったのにぃ。

 ガッカリしながら引き返し、麒麟橋近くの津川駅で一休み。

 待合室はクーラーが効いて涼しおり、地図を見直すと新国道が山の方へ作られており、「チョイノリ」の苦手な長いトンネルも有るようです。

阿賀野川「黒岩」付近。イザベラ・バードの道    阿賀野川「御前淵」付近。イザベラ・バードの道     阿賀野川「五十島橋」より。イザベラ・バードの道

 川は高い断崖に囲まれ、見える岩や沈んでいる岩が流れに散在し、急に曲がるところも数カ所あり、浅瀬のところも多く、船は矢のように流れを下るからである。

 私はこの日、飽きることなく楽しんだ。 川の流れを静かに下るというのは、実に愉快であった。阿賀野川「取上橋」より。イザベラ・バードの道

 津川を出ると間もなく、川の流れは驚くべき山々にさえぎられているように見えた。

 山塊はその岩の戸を少し開けて私達を中に通し、また閉じてしまうようであった。 露骨さのないキーレン(不詳)であり、廃墟のないライン川である。阿賀野川。イザベラ・バードの道

 うっとりするような景色を眺めながら、12マイルの津川下りを終えると、それからのコースは、ゆるやかな流れとなる。

 満々と水をたたえた大河となって、森の多い、かなり平坦な平野の中を驚くべきほど曲折して流れる。

   高梨健吉「イザベラ・バード 日本奥地紀行」より


 イザベラ・バードは「津川」から阿賀野川を船で下って「新潟」まで行きましたが、自分は「チョイノリ」で川沿いに写真を撮りながら下りました。

咲花駅で野宿

 道の駅「阿賀の里」で、かき氷を食べながら「この付近に日帰り温泉はないか?」と尋ねると、二箇所教えてくれました。

 ぼちぼち野宿場所も探す時間なので、「馬下駅」へ行ってみましたが、あんまりパッとしないので、「咲花駅」へ行ってみると新しい駅舎で、よっしゃあぁ~野宿はここだな。阿賀野川「馬下橋」より。イザベラ・バードの道

 野宿場所を決めたので、教えてもらった「馬下保養センター」で風呂に入り「咲花駅」に戻りました。

 「咲花駅」付近のホテルも閑古鳥が鳴いてるようで乗降客もほとんどいなく、ヒマだから適当な時に寝袋被って寝ました。

 翌朝1番列車の前に起き、荷物を片付け終わった時、子供3人とお母さんが一人来て、待合室でラジオ体操し始めました。

 良かったなぁ・・寝坊していたら、小汚いジジイが駅舎で寝てると騒がれるところだった。

 体操の始まる前の「明るい朝がきたぁ~・・」という歌を皆が唄っていたが、一人だけ調子ハズレが居るなぁ・・と思ったらお母さんだった。(^O^)

   道の駅「阿賀の里」。イザベラ・バードの道         咲花駅。イザベラ・バードの道          咲花駅待合室。イザベラ・バードの道

 予定では、このまま阿賀野川沿いに新潟まで行くつもりでしたが、この先は都会の中へ入って行くので、川の風景もビル建物に変わって面白くないと思い、ここで家へ帰る事にしました。

 「三条市」付近で荷物を見ると、銀マットの中に入れておいた、寝袋と汗臭い着替えの入った袋を、どこかで落としていた。

 あちゃあぁ~・・今から「咲花駅」まで探しながら戻るのもキツイなぁ・・と思ったので、そのまま帰りました。

 たぶん落ちてたのを拾った人が、その中身を見たら、何じゃこの汚いモンは・・と思った事でしょう。
 すんません・・それσ(*_*)のです・・・。
 


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 恥ずかしながら「YouTube」に尺八独奏「惜別の唄」を載せており、聞いて頂ければ泣いて喜びます。

 当「遍照の響き」ホームページに掲載されている写真がpixtaで販売されています。



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