矢立峠・明治新道を歩く/イザベラ・バードの道

羽州街道、イザベラ・バードの道　　　　羽州街道、矢立峠・明治新道、イザベラ・バードの道　　　　「長定」付近、イザベラ・バードの道

　５マイル行くと、馬が通れなくなった。　膝まで泥につかりながら、水の中を渡り、山腹をよじ登って行った。　山腹も道路も消えていた。矢立温泉入口、イザベラ・バードの道

　杉の深い森におおわれた暗くて高い山の峯が私達の前に立ちふさがってくると、私達は新しい道路に出た。

　馬車も通れる広い道路で、立派な橋を渡って二つの峡谷を横切ると、すばらしい森の奥へ入っていく。

　　　　高梨健吉「イザベラ・バード　日本奥地紀行」より

矢立温泉、イザベラ・バードの道　　　　　矢立峠、薬師堂、イザベラ・バードの道　　　　　　矢立峠・薬師堂付近、イザベラ・バードの道

　羽州街道へ入ると途中の道端に、「多茂木一里塚跡」の新しい石碑が草に半分ほど埋まって立っていますが、一里塚らしい雰囲気は無い。矢立峠・明治新道入口、イザベラ・バードの道

　「矢立峠」入口に有る「矢立温泉」へ行き、そこから「道の駅・やたて峠」までの距離を計ると６００ｍでした。

　時刻は４時近く、今晩は「道の駅」で野宿予定なので、これならば矢立峠を往復しても何とかなるかもしれんと思い、野宿場所の目星を付けてから矢立て峠への旧道を歩きました。

　旧道から先程の矢立温泉の所まで来ると、旧道と思った道が実は旧国道で羽州街道はそこから別に有りました。矢立峠・明治新道、イザベラ・バードの道

　矢立温泉は廃業しているよおで、昔は当時湯として繁昌していたと思う。

　ゆるやかな勾配の長いジグザク道を通って矢立峠へ出る。　この頂上にはりっぱな方尖塔がある。

　これは砂岩を深く切ったもので、秋田県と青森県の県境を示す。

　　　　　高梨健吉「イザベラ・バード　日本奥地紀行」より矢立峠・明治新道、イザベラ・バードの道

　車幅の道を行くと、すぐに道に草が茂っており、ゲッ！！・・・こんな道を行くの？、　ネットで下調べした時には、そのような事は書いてなかったがなぁ・・。

　道端横には白杭に「明治新道・・」とかすれた字の看板があり、よぉ～読めない。矢立峠・明治新道、イザベラ・バードの道

　イザベラ・バードが通った時は、矢立峠・明治新道として確か馬車も通れる道幅になってたはずなのだが、白杭の付近には狭い道を谷へ降りるようになってます。

　それよりも草道の方が道幅があり、今までの経験上、草が茂ってるのはその場所だけだろおと思って、草を掻き分けながら行くと、草の勢いが強くなり完全にアウト。

　さすがにこの道ではないだろおと思って白杭の所まで引き返し、細い道を谷へ折り、急階段を上がったらやっと平地になりました。

　たぶん先程の草道の先は、谷のために途中で道が崩壊して通れなくなったので、代替え道路を作ったのでしょう。

矢立峠・明治新道、イザベラ・バードの道　　　　　　　　　　　　矢立峠・明治新道「明治天皇御巡幸」跡、イザベラ・バードの道

　それからは、さすが矢立峠・明治新道だけあって、道幅は広く勾配は緩いので、良いハイキングコースでした。矢立峠・明治新道、イザベラ・バードの道

　しばらく行くと「明治天皇御巡幸跡」看板と石碑の崩れたような所へ出ました。

　この箇所は四辻になっており、地図を見ると真っ直ぐ行くと古羽州街道の「茶店跡」へ行くらしい。

　イザベラ・バードは他の人を待たせて一人で峠まで行ったと書いてるので、ここから古羽州街道の矢立杉を見物しに行ったような気がする・・違うかな？。

矢立峠・明治新道、イザベラ・バードの道　　　　　　　

　これは日本にしてはすばらしい道路である。

　この道路をつくるために発破をかけたり勾配をゆるやかにしたり、苦労の多い土木工事だったろうが、それも長さ４マイルだけで、両端からはあわれな馬道となっている。

　　　高梨健吉「イザベラ・バード　日本奥地紀行」より
矢立峠・明治新道「御番所」跡、イザベラ・バードの道
　「御巡幸跡」より少し行くと「イザベラ・バード記念碑」杭が有り、そのまま矢立峠を下りると「御番所」跡に着きました。

　番所跡といっても、遺跡らしい物は何もなく説明看板が有るだけでしたが、この番所跡についてはイザベラ・バードは何も記載してません。

　たぶん、ドエレエ雨の中を歩いたり、いろいろなアクシデントも有ったので、番所の悪口なんか書くヒマが無く、どおでも良かったのでしょう。
　